2006年08月01日

漢字直接入力

タッチタイピングをするときに一番やっかいなのが、漢字の変換。このときばかりは画面を見つめないといけない。テレビや講演会のメモをとるとき、画面を見てしまうと、集中力がとぎれてしまうので、そういうときはもうあきらめて平仮名のみで入力して、あとから漢字に直して清書している。

スクリーンリーダーというソフトを使って、仮名漢字変換の候補を読み上げてもらえば画面を見なくてもいいが、選ぶという行為までなくせればいい。

そして行き着くのが、漢字直接入力という技法である。いろいろあるようだが、その中に、現在普通に使われているキーボードを使い、キーの組み合わせで漢字そのものを指定するものがある。キーの組み合わせにはいくつかの流儀があって、有名なものとして、T-Code、TUT-Codeがある。これらは無連想式漢字直接入力と呼ばれる方式で、キーの組み合わせは読みとも部首とも無関係なので、組み合わせをひたすら覚えるしかない。

Windowsで漢字直接入力をするために、フリーのソフト「漢直Win」が公開されている。有志によるこれの最新版が「漢直Win 1.27*」で、ここで公開されている。これを使うと、T-Code、TUT-Code、G-Codeの入力ができる。もちろんキーの組み合わせを覚えないといけない。この助けとして、漢索板というソフトがあり、出したい漢字のキーの組み合わせを教えてくれる。漢索板の最新版も先の「漢直Win 1.27*」の配布ファイルに同梱されている。

以前これらを使ってTUT-Codeを覚えようとしたことがある。指が文字を覚えていく感覚がなかなか楽しかったが、一月ぐらいで挫折してしまった。今は全て忘れている。


さて、これとは別のあまり知られていない漢字直接入力技法がある。それは漢点字入力だ。
視覚障害者には、Windows以前からホームポジションの六つのキーを使って仮名点字や英数字を入力する入力法がある。これは点字タイプライタからそのまま移行してきた技術らしい。点字の点に対応するキーを同時押しすることで一つの点字が表す文字を入力する。最大六つのキーが同時押しされる。
また点字を使って漢字を表す手法には、漢点字と六点漢字の2通りがある。専門が漢点字なのでこちらだけを説明すると、漢字の情報の始まりを表す点と漢字の情報の終わりを表す点の二つを点字に追加し、八つの点を使った点字を使う。
漢点字での漢字の表し方は部首の組み合わせでつくられる。部首そのものの点字は、その形や、その部首の音を表す仮名点字からとられたりする。
キーボードではホームポジションの六つのキーに、無変換キーを始点、スペースキーを終点として追加して入力を行う。この八つのキーの組み合わせで漢字を表していく。始点を含んだストロークから、始点も終点も含まないストロークをはさんで、終点を含んだストロークで、漢字1文字を表す。最小は始点と終点を同時に含んだ1ストロークで、漢字1文字を表す。例えば八つのキーの同時押しは漢字の「目」を表す。これは仮名点字の「メ」に始点と終点を加えた漢点字のキーである。

漢点字は部首の組み合わせで作っているので、連想式漢字直接入力と言えるだろう。漢点字の学習は会に入会しないできないので、そこに参加して覚える。これを習得し、実際にパソコンで漢字を直接入力している方々が実際にいる。


関連リンク
漢字直接入力 -- Wikipedia

漢直ノート漢直とは何か

T-Code修行中

漢直Win 1.27*

日本漢点字協会


posted by takayan at 02:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記・未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする