買ったのはソフトカバー版、六巻全巻で7350円。
一冊当たりでも、ちょっと高めだったけど、あとで甥が読んでくれそうだったから、迷わず買った。
読んでみて、とても良かった。甥達にはぜひ読んでほしいと思った。
正直、小学生には読み進むのは難しいかもしれない。
でも今読めなくても何年かおきに何度も何度も読み返してほしい物語だ。
自分自身の成長に合わせて、物語の理解のしかたもどんどん変わっていくだろう。
主人公のゲドは天性の才能を持った少年。これは全ての子どもがそうなのだと思う。読んでいる自分自身もそうだったし、身近な子どもたちもそう。みんな子どもの頃は素晴らしい未開発な才能を持っている。
ゲドは、おばにそれを発見してもらう。そのあと先生と出会い、その手を離れ、ふるさとを遠く離れた本格的な魔法学校へと進む。
彼は有能さ故に傲慢になったり、また仲間内でのありがちな見栄張りをしたり、大人たちの真意が理解できなかったり、たぐいまれな才能とは裏腹に、決してまっすぐな優等生ではなく、自分の心に振り回される普通の少年として描かれている。
第一巻は、龍が出てくるファンタジーの世界で修行する魔法使いの若者の物語だけど、とても普遍的な一人の人間の成長物語となっている。
大人だからそんな感想を持ってしまうのだろうけど、読み終わって場面場面を振り返ってみると、そうだったのかと、物語の各場面が意味を伴って浮き出てみえてくる。そうなるとこの物語は忘れられないものになるだろう。
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