2006年08月20日

『北斗の拳』の斗の字

『北斗の拳』は大好きだ。
最初に買ったジャンプが『北斗の拳』の初回だったせいもあって、思い入れがある。あのインパクトはすごかった。すぐに、『マッドマックス2』のモロパクリの時代設定だとは分かった。でも良い。ブルース・リーの影響もいい。あの濃い絵のタッチと、北斗神拳の破壊力は、とにかくいい。格闘マンガ最高!
それにしても今では『北斗の拳』は知ってても、『マッドマックス2』知らん人の方が多そう。

さて本題。
この『北斗の拳』の『斗』の字、『闘』の略字として使われることがあるが、この『斗』の字には一切、「闘う」の意味は含まれない。手書きの時代、『闘』の画数が多いために、音が同じこの字で代用されてきた。これを活字としては使わないほうがいいだろう。許されるのは、誤用だが手軽な略字だと割り切って、手書きのメモ書きの場合だけだろう。

『北斗の拳』のセリフの中でも『斗う』という使い方はしていなかったはずだけど、これを読んだ後に、どこかで『斗う』と使うことがあるという知識を吹き込まれれば、ずっと『斗』の字に「たたかう」の意味があると思い込んでしまうだろう。このマンガのせいで、かなり多くの日本人が子どもの時に刷り込まれてしまっているんじゃないかと心配したりする。昔は学のある人たちが割り切って使っていたことが多かっただろうが、まだ知識のない子どもたちへのマンガ由来での浸透だからちょっと心配。くれぐれも漢字変換できないとか苦情は言わないように。

『斗』は、水をくむ道具の象形文字。日本だとヒシャクという道具。意味はそれに由来する。北斗七星の形を見ればいい。ちゃんとヒシャクの形をしている。そのことは小学校でみんな習っているはずだ。北天にあるヒシャクの形の七つの星、それが北斗七星(大熊座)。ついでにいうと、南斗六星も、南にあるヒシャクの形をした六つの星(射手座)。でも『北斗の拳』では南斗六星のヒシャクの形を全く強調していなかった。それは意図的なのか、それとも知らなかったのか。

もうひとつ。ローマの初代皇帝アウグストゥスには胸から腹にかけて大熊座のあざがあったという伝説がある(スエトニウス著『ローマ皇帝伝』)。本を読んだとき、絶対これを元ネタにしてる!と思った。ユリアの名前がローマ風なのも、ここから来ているのではないかと密かに思ってる。


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純情きらり 第20週

第20週 「来ぬ春を待ちわびて」

今週の「きらり」は、怒濤の展開だった。
闘病中のカネ(戸田恵子)への赤いドレスのプレゼント。
帝大生弟勇太郎君くんの学徒出陣。
カネさんの死。戸田恵子さん素晴らしかった。いままで楽しませてくれてありがとう。先週の倒れるこむシーン最高でした。先週の「愛想づかし」もいつもと変わらない意地悪な言葉なのに、泣けました。もちろん今週の桜子の「おかあさん」になってからの本当の親子のような姿、本当によかった。
味噌屋山長を守るための桜子の山長からの撤退。
謎だったカネさんが用意していたものは、花嫁衣装だった。赤いドレスと白無垢のプレゼント合戦だったのか。それは死んでしまった達彦を忘れて、幸せになってくださいというカネの、娘への心からの遺言。
冬吾さんの岡崎訪問。冬吾さんは、姉の旦那としてではなく、東京で過ごした芸術家仲間として、全てを失って無為な時を過ごした桜子を勇気づける。
そして、1945年3月10日東京大空襲。がれきの下敷きになっている冬吾さん。弱音を吐く冬吾さん。冬吾さんどうなる!
次回予告は、杏子(ももこ)姉さんのナレーション。冬吾さんの生死はネタバレしない方がよかった。

もう残り、あと6週しかないのか。


ちなみに、勇太郎君が持っていて桜子が写経していた本は、EBERHARD HOPF著のERGODENTHEORIE。
ERGODENTHEORIEは、英語ではErgodic theory、日本語だと「エルゴード理論 (wikipedia)」。


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