2006年09月08日

純情きらり(137)

<あらすじ>

達彦は自分を忘れてくれと言った。

夕暮れ時桜子は家に戻ってくる。玄関前で立ち止まっていると、後から帰ってきたももこが心配してやさしく声をかけてくる。こらえきれなくなり、桜子は杏子にすがって泣き出してしまう。夜、桜子に対してももこと鈴村が話をしている。鈴村はそれは戦争の後遺症ではないかと助言する。

翌日、山長の裏に腰掛けて、達彦は例の写真をこっそりと眺めている。仙三さんは達彦の桜子への態度にたまりかねて声をかける。店のことは自分たちがなんとかやれるが、若女将のことはちゃんとしてあげてくださいという。しかしそれに対して、今の自分は昔の自分ではないと突っぱねる。

外出先の達彦。とある家の縁側で針仕事をしている女性がいる。達彦はその家をのぞき込む。写真に映っていた女性だ。達彦の視線に気付き、女性は外を見るが、達彦は後ずさりして逃げ出してしまう。いつのまにか達彦は夜の歓楽街を歩いている。米兵とそれにぶら下がっている日本人の女たちの一団に出会い、からまれる。

喫茶マルセイユ。マスターがジャズのレコードをかける。桜子はその音楽を聴きながら昔のことを思い出す。結婚式のまねごとで二人が連弾するシーン。将来を誓い合った日のキスのシーン。「ピアノを忘れるな。音楽を忘れるな。」と達彦が列車から叫ぶ別れのシーン。マスターは達彦君も音楽を好きな気持ちを忘れていないはず、音楽を聴けば心を取り戻すのではないかとアドバイスをしてくれる。

翌日山長に向かった桜子は、ベンチに座り込んでいる達彦にやさしく話しかける。桜子は思い出の曲を弾くから聞いてくれとひとりピアノのある部屋に向かう。達彦はそのまま外で、桜子の演奏を聞いている。目が潤んでいるようにも見える。桜子はとても幸せそうに弾いている。すると何かを感じた達彦はピアノのある部屋に乗り込んでくる。部屋に入るなり、ピアノを閉じる。耳障りなジャズをやめてくれという。そしていままでの鬱積した思いをぶちまける。どうしてジャズが弾ける。笑っていられる。

達彦の問い詰めに対して、生きている人間は絶望なんてしてられない。笑うのは、笑って幸せになりたいから。自分はあなたと一緒にもう一度幸せになりたいと訴える。すると、達彦は自分には幸せになる資格がない人間だ。戦場で死ぬべきだったと答え、桜子を部屋から追い出す。

家に戻り部屋で明かりもつけずに、桜子は達彦の出征前にみんなでとった写真を眺めている。心配そうにももこが声をかけると、達彦さんが帰ってきてさえくれれば、何もかも元に戻ると思っていたのにと、どうすることもできない悲しみを訴える。


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純情きらり(136)

<あらすじ>

昨日のラストの感動的な再会の後。

達彦は帰ってきた。桜子は達彦を見つけると思わず走り出し、その胸に飛び込んだ。達彦も一瞬幸せそうな表情を見せるが、次第に表情をこわばらせ、桜子の肩をつかみ自分から引き離した。桜子は達彦の表情と行動にとまどいを見せる。そこへ山長の責任者、仙吉さんと野木山の二人があらわれ。坊っちゃんの帰還を喜ぶ。今日が母の一周忌だと知らせると、達彦は動揺する。達彦の異変を感じながら、桜子は仕方なく家に帰る。
(達彦はいままでもそんなに感情を表す人ではなかったけれど、それ以上に人が変わったように表情を失ってしまっている。達彦は何か大切なものを戦場で失ってきたようだ。

その夜、達彦と仙吉と野木山は叔母夫婦と話をし、達彦がこの店を継ぐことになった。
(やっとこれであの嫌みな夫婦が山長からいなくなる。六角さん次の「相棒」での活躍楽しみにしてます。

桜子は、もも子夫婦に達彦の帰還を報告するが、とても沈んだ顔をする。近くにいるのに達彦を遠くに感じるともらす。
(せっかくとても会いたかった人に奇跡のような再会をしたというのに、信じられないくらい悲しそうな桜子。なんて意地の悪い脚本家だろう。

達彦が狭い物置に書類を置きに来る場面。するとどこからともなく戦場の音が聞こえてきて、達彦は急に怯え出す。戦場の映像。戦場の穴ぐらの中でみんなと身を潜めている達彦。真っ赤な血に染まった両の手。達彦は部屋から転がるように出てくる。
(達彦はどうかしてしまった。あの血のついた手からすると、戦場で人を殺してしまった罪の意識に嘖まれておかしくなったのか、でもその展開にしてしまうとNHK的にも収拾がつかないだろうから、そうはしないだろう。ただ戦場でとても恐ろしい体験をした。それが達彦の心を閉ざしてしまったのだろう。

翌日桜子が会いに来たが、居留守にしてくれと野木山につげる。桜子は仕方なく家に帰る。家ではじいちゃんも待っていた。
(桜子を避ける理由は何なのだろう。それからじいちゃんのしぶとさは青汁のせいだな、絶対違うけど。

達彦が部屋に独り。机に置いた手帳から一枚の写真を取り出す。兵隊と女性が写っている。達彦と桜子かお母さんが映っている写真かと思えば、違う。誰か知らない兵隊と、一人の女性。
(その兵隊の妻か、達彦にとっての桜子のような言い交わした大切な人か。彼の姉さんかもしれない。これが予告に出てきた多江さんか!この兵隊は、達彦と同じ部隊にいた仲間だろう。そして達彦の身代わりになってか、達彦の責任で死んでしまったのかもしれない。この女性が今週の残りと来週、重要な役割になってくるのだろう。

その翌日、頭首のお披露目をする日。みんなが集まっているのに、達彦がいない。どこを探してもいない。桜子も外に探しに出る。桜子は暗くたたずんでいる達彦の後ろ姿を見つける。みんな待っているよと声をかける。桜子はやさしく、今までのお義母さんと一緒に達彦を待っていた想いを話しかける。すると、達彦は桜子にあり得ない言葉を口にする。「今の俺に何も期待しないでほしい。俺との間にあったことは忘れてほしい。」桜子呆然とし涙を流す。
(最近終わり方が良すぎる。また期待して見てしまう。

つづく!


posted by takayan at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 純情きらり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする