<内容>
山長へのお嫁入り。三三九度。
野木山さんが従業員を代表してと乾杯の音頭をとろうとしている。すると突然キヨシが乱入してくる。キヨシは山長の元職人でずっと桜子にアタックし続けてきた人物。いつもの二人の子分を連れている。達彦と並んで座っている桜子のところに走り寄って。桜子に花束を捧げ「おれと結婚してくれ!」と叫ぶ。一同、唖然とする。キヨシが笑いながら冗談冗談と言うと、桜子のじいさん徳治郎が「たわけ!引っ込んでろ」とすごむ。山長側の席に着く。となりの席の仙吉さんも笑ってる。
ではと野木山さん。気を取り直して音頭を取ろうとすると、また「ちょっとまって」と誰かが乱入する。東京の磯おばさんだ。磯は桜子の死んだ父の妹。息も絶え絶え。汽車が遅れたので走ってきたそうだ。場の状況も考えずに、おめでとう、くれぐれもと二人に挨拶すると、後ろからおばさんと呼び止められて、すみませんと席に着く。
再び取り直して、野木山さんが声をかけようとすると、「まってくれ」と秋山さん。桜子をジャズバンドに誘い続けている秋山さん。最後に一言だけ言わせてくれ。月に一度という方法もある。桜子はその言葉に感謝するが、達彦さんと一緒にやっていくことを一番にしたいと断る。そして秋山がまるで狙ったように「音楽だけは忘れるな!」と言う。ほほえみながら、何があっても忘れたりしませんと返事をする桜子。およろしいですかねと野木山さんが二人の会話に割って入いる。
そしてやっと、野木山さんの音頭で「かんぱーい」。一同も「かんぱーい」。「よ、ご両人」とかけ声も入り、会場から割れんばかりの拍手。
時は過ぎ。あら、えっさっさと、安来節。中央でどじょうすくいをしている徳治郎。徳治郎は桜子の母まさの父。山長では昔、職人頭をしていた。無礼講でみんなが楽しく騒いでいる。その途中、磯おばさんが会場をこっそり抜け出す。それを見つけた桜子が廊下を追いかける。見つかっちゃったと磯おばさん。鮎川の面倒をみないといけないので帰るのだそうだ。鮎川は空襲のあと寝たきりになっている様子。磯おばは鮎川の正妻ではなかったが、今度結婚することになったと。叔母は自分はいままでで一等幸せと言い、お互いに幸せにと別れる。
披露宴の別の部屋。達彦が戻ってこないので、桜子が呼びに来た。達彦は母かねが桜子に送った花嫁衣装の手紙を読んでいた。お袋、自分のこと死んだと思っていたんだな。お母さんにも見せてやりたかった。そう言うと、どこかでお父さんと一緒に見ているよと桜子。達彦の父は、達彦が東京で音楽の勉強をしている頃亡くなった。
桜子が、かねが亡くなる前日にかねと桜子二人とも達彦の姿を見た話をする。かねの命日は2月27日。前日、達彦は敵の攻撃が激しく塹壕からずっと出られない状況だった。ここで死にたくない、おまえとピアノが弾きたいと思っていたと言う。そのとき、ピアノの音が聞こえてきた。出征の前日二人で連弾したリストのメロディが。あの日おまえに助けられた。達彦にとっても桜子が心の支えだった。
山長の店先に戦友若山の姉がお祝いにきた。その場でお祝いを渡して帰るつもりだったが、桜子と達彦が出てくる。お詫びに伺おうと思っていたと遺品を引き取ったときのきつい言葉の謝罪を言う。そんなことありませんと達彦。ご結婚おめでとうございます。達彦が何か言おうとするのを遮って、どうか幸せになってください。と帰って行く。涙ぐんで見送る達彦と桜子。
徳治郎じいちゃんが、飲み過ぎたと会場を後にする。杏子と笛子が心配そうに家にとまっていくようにと見送る。有森家で一人ひしゃくで水を飲んでいるおじいちゃん。ピアノの音が聞こえてくる。埴生の宿のメロディ。ピアノのある部屋に入っていく。すると、ピアノを弾いていたのは白いドレスを着たまさだった。帰ってきたんかと徳治郎が聞くと、まさはうなずく。ピアノをなでながら、よう帰ってきてくれたと語りかける。みんなみんな幸せになったと言いながら静かに目を閉じる。その夜徳治郎は安らかに旅立った。
山長の部屋。ソファーの上で幸せそうな寝顔の桜子。達彦が優しく毛布を掛けるが、桜子は起きてしまう。夢を見ていたと言う。達彦がどんな夢かと聞くと、良い夢だったから自分だけのものにしておくと答える。幸せだと確かめ合い、二人寄り添う。
母まさの語り「桜子の心は満たされていました。この平安がいつまでも続きますように。この母の祈りがあなたに届きますように」
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さらば!徳治郎 ... 純情きらり NHK公式ページ
posted by takayan at 10:38
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