2006年09月20日

純情きらり(147)

<内容>

やまちょうの洋間。あなた自身の演奏会を開いてみませんか。という西園寺先生からの申し出。指が回らないと拒むと、練習すればいいと西園寺。機会に恵まれないあなたのような女性のためにも開きたいと西園寺。演奏会の準備は僕に任せてください。あなたは心静かに練習をしてください。
西園寺が、お願いできますかと確認すると、とまどいながらも桜子は「は、はい」と答える。達彦にも確認すると、うれしそうに「よろしくお願いします。」

座敷。呆然と座り込む桜子。はいと言っちゃった、できるかな私に、と不安そうに達彦に問いかける。できるよ、進駐軍の演奏会であれだけできたのだから、俺が応援すると、達彦は心強い一言をかける。これは、おまえ一人の夢じゃないんだ。俺も店のために音楽を諦め、ピアノから遠ざかっていが、自分の中にもある。俺も見たいんだよと達彦が言うと、桜子はうんと返事をする。いつのまにか桜子も目を輝かせている。

それから桜子は演奏会に向けて本格的な練習を始める。音階練習から、一つ一つ難度を上げて。

有森家。その頃有森家には、夏休みを過ごしに笛子の家族がやってきていた。姉妹がそろって話をしている。おじいちゃんが死んで1年になるね。ピアノの前で幸せそうにねむっとるように。おじいちゃんにもピアノの演奏会聞かせたかったね。
笛子は夏が終わるまでこっちにいると言う。冬吾はこっちがいい、向こうにいて御輿にまつられてるのがいや、だとも言う。
冬吾たちが展覧会を開く話が出てくる。冬吾だけでなく、ヤスジさんたちマロニエ荘の仲間だった人たちの作品を集めた展覧会を。笛子は急に少し深刻な顔をして、実はトオルのために展覧会を開く。トオルの目が悪くなっている。と言う。
よく見えないせいで、引っ込み思案になって、友達もできないと亨の最近の様子を話す笛子。庭で姉のカズコとサチが楽しそうに遊んでいるわきで土遊びをしているトオルの様子が映る。
冬吾と話し合って、父親の絵をしっかり見せてやるために展覧会を開くことにした、と笛子。

カズコとサチが桜子にピアノを弾いてとねだってくる。いいよと桜子、ピアノの部屋に二人に引っ張られる。途中で、庭のトオルに聞きにおいでと声をかけるが、トオルは砂遊びを続けている。

ピアノの部屋。二人の女の子を椅子に座らせて、桜子が芝居気たっぷりに紙芝居を聞かせている。ピアノの演奏を間に入れながら。作品は以前ヤスジや冬吾と作った『北風と太陽』。カズコとサチはとても楽しそう。その様子をこっそり近づいてきたトオルが聞いている。

別の部屋。冬吾は鉛筆を削っている。桜子がやってくる。亨の目のことを聞くと、冬吾は展覧会も悪くないけど、自然を見せてやりたいと思っていると言う。空や雲や太陽や、まんどろのお月さんとかいろんなものを。今のうちによく見ていれば後になって思い出されるように。スケッチに行くときはなるべく連れて行ってる。
話は変わって。演奏会開くんだってねと冬吾が聞くと、一生叶わないと思っていたと桜子。思い続けていれば叶うこともあるものだね、一生に一度の演奏会でも叶わない、精一杯やってみる、と桜子。冬吾はいつもの口調で、「うんだな、やってみれ」と励ます。

山長のピアノで練習中の桜子。亨がドアを開いてやってくる。一人で来たのと聞くと姉ちゃんたちと来たと言う。桜子は亨ちゃんのための曲があるよとピアノのそばにやってきて、譜面を見せる。昨日の放送で出てきた譜面。「亨のテーマ」と書いてある。この曲は亨が大きくて元気でいい子になりますようにと作ったんだよと桜子。亨が聞いてみるというと、桜子は弾き始める。

そと。神社のあたり。子どもたちが山長から帰る途中。桜子が付き添っている。女の子たちは仲良く手をつないで帰っている。亨は桜子と並んで歩いている。亨に、一人ででもおいでと桜子が言うと、危ないから一人では外に出てはいけないと言われているとつまらなそうに言う。そして「いつか全部見えんくなるのかな。」と亨が悲しそうにつぶやく。桜子は近くに咲いていた紫色の花を見つけ、それを手折る。亨の高さにしゃがんで、亨の顔の前に出す。見える?と桜子が聞くと、桔梗だと答える亨。よく覚えとくんだよと桜子。取り出したいときにいつでも取り出せるように。目をつむってごらん。思い浮かべて、桔梗が見えるかどうか。目をつぶった亨は、見えるよと答える。目を開けてごらん。亨は顔の前にある桔梗を見つめる。

次の日。有森家。笛子が子どもたちに言い聞かせている。展覧会のことで外で話をしてくる。お外に出るときはお姉ちゃんたちに連れて行ってもらって、外は自転車が危ないと亨に言い聞かせている。お姉ちゃんのカズちゃんにも気をつけてやってねと念を押す。

亨がお姉ちゃんたちに桜ちゃんのところに行こうよと誘う。けれど女の子たちはあやとり遊びに夢中で、これが終わったらと生返事。亨は一人で、ふらふらっと外に出て行く。

そと。神社のそば。とても慎重な足取りで歩く亨。後ろからベルを鳴らして近づいてくる自転車。危なっかしくよける亨。飛びのいたすぐそばに桔梗の花を見つけてそれを摘む。その花を顔の前で見つめる。前を見ると野良犬がいる。犬が吠える。亨は怖くなって花を放り出して逃げ出す。

有森家に笛子が帰ってくるが、亨がいないことに気付く。山長。あわてて入ってくる笛子。亨来てない?亨の姿がみあたらんのと笛子。どこいったか知らん。とても心配そうな桜子の顔のアップで、「つづく」。


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サイエンスZERO「恐竜時代を生き抜け ほ乳類進化の秘密」

サイエンスZERO「恐竜時代を生き抜け ほ乳類進化の秘密」--- NHK公式サイト

以前ここで書いた「NHKスペシャル 恐竜vsほ乳類」に関連する内容なので久しぶりにこの番組を見てみた。NHKスペシャル「 恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い」を、ほ乳類の進化の部分を切り取ってわかりやすく解説しているといった内容。ナビゲータとして眞鍋かをりも出ている。

内容をまとめてみた。この番組を見た人にはそのまとめは意味がないと思う。後ろのほうにある、出てきた先生たちの情報は、役に立つかもしれない。

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あくまでも、この番組はいろいろな仮説をもとにこの番組としてまとめたもの。今後も新たな考え方が出るかもしれない。今後間違いが見つかるかもしれない。その点を心の何処かに留めてこういう番組を見たほうがいい。
こういう番組では、仮説であることを明言していたり、「考えられている」などの文末表現もちゃんと気にしないといけない。また微妙な表現を使って断言を避けていたりしているところもある。
ここでこういうふうに個人的にまとめるときは、たいていそういう微妙な部分が抜け落ちたりするので、正確な情報がほしいときは自分で調べるべき。

それから、補っている部分があるので、正確に番組の内容そのものといえないかも。

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◆内容。

ほ乳類の進化には、恐竜時代の出来事が深く関わっている。三つのテーマで番組は進んでいく。

1.地球最古のほ乳類

地球最古のほ乳類の頭の骨の化石。大きさ1.5cm。名前はアデロバシレウス(Adelobasileus cromptoni)。アメリカの二億年前の地層にあった糞の化石の中から見つかった。体長は10cmほどで、主に昆虫を食べていたらしい。それに対し最古の恐竜はほ乳類と同じ時代に誕生していた。既に体長は1mを越えていた。アデロバシレウスと同じ地層で見つかっている初期の恐竜の一種コエロフィシス(Coelophysis)。

1億5000万年前、恐竜はスーパーサウルス(SuperSaurus)に代表されるような全長33mの巨大なものまで現れるようになる。その頃ほ乳類は、未だに小さい体をしていた。代表的なのは体長15cmほどのラオレステス(Laolestes)。

そして6500万年前の恐竜時代の末期、代表的なのものは、恐竜では全長13mのティラノサウルス(Tyrannosaurus rex)。それに対して当時のほ乳類は15cm程度のキモレステス(Cimolestes)。

上記の生物で世界の巨大恐竜博2006サイト内で紹介されているもの
アデロバシレウス
スーパーサウルス
ティラノサウルス


2・恐竜時代の生き残り戦術

ほ乳類は、は虫類の親戚から進化してきた。アデロバシレウスは卵を産み、卵で子孫を育てていたと考えられている。卵だと敵がやってきたり大雨に襲われたりすると、命をつなぐことができないという欠点がある。

2003年中国遼寧省である化石が見つかる。15cmほどの小さな化石。毛の跡など細かな部分がはっきり残っている。これは後にシノデルフィス(Sinodelphys)と命名される。歯や骨格などから、このシノデルフィスは1億2500万年前の有袋類の祖先だと考えられる。腰のあたりに数ミリの骨があり、これは現在の有袋類が持っている袋骨(epipubis)と同じものだと考えられている。

Sinodelphys szalayi - CMNH... シノデルフィスの解説(英語) Carnegie Museum of Natural History(カーネギー自然史博物館)

袋を持つことで天敵に襲われたときも親子で行動できる。これは進化の大革新である。そして現在袋のないほ乳類も袋のようなもので子育てをしていた時期ががあったという考えがある。

ほ乳類は三つのグループに分けることができる。有袋類(袋を持つ)、単孔類(卵を産む)、そして有胎盤類(胎盤を持つ)。人類も属している有胎盤類は全ほ乳類のほぼ九割を占めている。

有胎盤類は恐竜時代の後半(およそ1億年から6500万年前)には登場していただろうと考えられている。キモレステスもその一つ。体の柔らかい部分は化石としては残りにくいので、化石の骨と、現在の生物との骨の比較から胎盤があったことを推察している。キモレステスの顎の化石は、ネコの属するグループに近いと考えられるため、キモレステスには胎盤があったとみられている。


3.ほ乳類を救ったパートナー

1億2500年前の中国、羽毛恐竜が席巻していた頃、植物界に革命的な出来事が起きた。最初の花が誕生したと考えられている。現在見つかっている最古の花アーケフルクトゥス(Archaefructus)には花びらはなく、原始的な雄しべとめしべがあるだけの単純なものだった。その後、被子植物は6500万年前の恐竜時代の終わりには主要な植物群になっていた。そしてこの被子植物が、ほ乳類の進化に欠かせないパートナーとなった。

花の出現は、ほ乳類に多様性をもたらした。被子植物は昆虫の力を借りて子孫を残した。この関係が昆虫と花がお互いの進化に影響を与え、花と昆虫が多様化していった。そしてそれと同時にその昆虫を食すほ乳類も多様化していった。

昆虫の量が増え、また植物が果実をつけるようになって、ほ乳類の周りで高カロリーの食料が増えた。仮説であるが、そのため、ほ乳類は、おなかの中で長い間子どもを育てられるようになったのではないかと考えられている。

胎児は胎盤から伸びた<へその緒>でつながり、栄養や酸素を母胎からもらっている。このへその緒での酸素濃度は母体の三分の一ほどになっている。胎児への酸素供給は重要でわずかな酸素の濃度の変化で胎児に問題がおきてしまう。胎児は自分で外の空気が吸えないので母親からの酸素供給が必要不可欠だからである。しかし母体は自分自身の生存のために酸素を消費しなければならず、胎児が安定して育つためには大気中に豊富な酸素が必要になる。

しかし、恐竜時代は酸素濃度は大きく変動していた。恐竜時代の最初、アデロバシレウスのいた頃は、酸素濃度は10%ほどしかなく異常に酸素濃度が低い環境だった。その後、長い時間をかけて酸素濃度は上昇し、花が誕生した頃には15%程度になり、そして恐竜時代の終わりの頃は18%前後と現在の酸素濃度と同じくらいに上昇した。

大気中の酸素濃度の変化には、地殻変動や植物の増加など様々な原因が考えられるが、この恐竜時代後半の変化には、被子植物が関わっていたかもしれないという仮説がある。葉を多くつける裸子植物のほうが、裸子植物より酸素を供給するのに効率的である。酸素濃度は、恐竜時代に上下変動を繰り返していたが、恐竜時代最後の上昇のタイミングは被子植物の繁栄の時期と一致しているからである。



◆出てきた先生たちのことを調べてみた。


・羅哲西博士 (Zhe-Xi Luo) カーネギー自然史博物館

有袋類の先祖のところで出てきた先生。検索してみると、この先生たちが書いているシノデルフィスについての論文が見つかった。日本語タイトルは「白亜紀前期の三咬頭歯哺乳類と後獣類の進化」。以下Science紙サイトへのリンク。

An Early Cretaceous Tribosphenic mammal and metatherian evolution. Science 302:1934-1940
リンク先は概要が書かれている。無料の会員登録をすると、本文を見ることができる。


・ポール・ファルコウスキ博士(Paul G. Falkowski) ラトガース大学

酸素濃度の上昇と胎盤の進化について解説している先生。検索するとこの人の論文が出てきた。全文閲覧するのは有料みたいだが、概要のみは誰でも閲覧できる(英語)。

The Rise of Oxygen over the Past 205 Million Years and the Evolution of Large Placental Mammals( Science )
日本語タイトル「過去2億500万年にわたる酸素濃度の上昇と巨大な有胎盤類の進化の促進」


・ピーター・ウォード博士(Peter Douglas Ward) ワシントン大学

被子植物の出現が酸素濃度の上昇に影響したという仮説を説明をした先生。
この人は大衆向けの科学の啓蒙書をいろいろ書いている。日本でも『生きた化石と大量絶滅―メトセラの軌跡』という本が出版されている。
近々、『Out of Thin Air 』(アフィリリンク)という本を出版するらしい。タイトルからして、この番組で扱っていた酸素濃度の話題であるが、ほ乳類や被子植物についてまで語られているかは分からない。少なくとも鳥の「気嚢」システムと恐竜との関係とかそういう話らしい。もちろん英語。他にも十数冊、英語で本が出ているが、被子植物に関する本がどれかは分からなかった。


posted by takayan at 00:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする