2007年06月01日

「見えない生活」の映像

このブログへの検索キーワードはよくチェックしているが、やはり世間での「見えない生活」の反響は大きいようだ。

僕も他の記事をいろいろ検索して見た。そしたら、誰かがYoutubeに番組の冒頭部分をUPしているのもわかった。本編の前の、りえちゃん登場と、これから始まる本編の予告編的映像。

放送された番組の映像なんでマナーはよくないけど、状況説明にこれほどのものはないので、リンクを張っておきます。

この映像が放送されたのは5月30日水曜日0時10分からの九州朝日放送の番組「ドォーモ」。

このりえちゃんは片目が見えなくて、この番組の後半の体験コーナーでコンバット満がやっていたが、もう片方の目も弱い視力で針で開けた穴からみているような視野の生活している。



■関連記事
「りえちゃんの1日密着企画第2弾」の放送予定


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2007年06月03日

電脳コイル

NHK教育で土曜午後6時30分からやっている『電脳コイル』を先週から見ている。今日はその第四話『大黒市黒客クラブ』。見ようと思ってずっと見ていなかった。前回の途中でやってるのを思い出して見た。今日もタイマーを仕掛けといたつもりでいたのに、やっぱり途中から。だから内容を把握できない。でも面白そう。

時は202X年。舞台はフシギ都市大黒市。

舞台は由緒ある神社仏閣が立ち並ぶ古都でありながら、最新の電脳インフラを擁する地方都市「大黒市」。


この物語の主人公である子供たちはみんな特別な眼鏡をかけている。その名も電脳メガネ。これをかけると日常の物理空間に電脳空間の映像も重なって見えてくる。電脳メガネは、メガネの内側がディスプレイになっている、今の携帯電話とかパソコンのような存在。もちろんネットにつながって、情報をやりとりしている。映画「マトリクス」の現実空間と電脳空間は天国と地獄のように乖離していたけれど、この町ではそれがお互いを補うように重ねられた形で存在している。この電脳メガネを通してそれを同時に知覚できる。

NHKの番組サイトのトップ絵をよく見てみるとわかる(NHKアニメワールド:電脳コイル)。画像の中央の丸い輪っかは、誰かの手に持たれたメガネのレンズ。正面には物語の中心となる子供たちがいる。その中の小さな女の子が犬の耳を引っ張って持ち上げて、その犬が目を見開いて怯えた表情をしている。まさに動物虐第。でもこの犬の足をよく見ていると、後ろ足がない。メガネを通して見えている部分には犬がいて、メガネを通さない部分には何もない。実はこの犬は電脳ペットの「デンスケ」。実在しなくて電脳空間にのみ存在している。犬の横にも毛の生えた何か奇妙な生き物も映っているがこれもメガネの端で切れている。これも電脳ペットの「おやじ」。漂うようななかなかいい動きをするやつ。

この大黒市に二人のユウコが引っ越してきた。二人は小学六年生。区別のためにその漢字から「ヤサコ」「イサコ」と呼ばれる。この二人を中心に物語が展開していく。普通の女の子のヤサコと、謎の多いクールで高度な電脳空間の知識を持つイサコ。それとヤサコの友達になったフミエも重要な役。イサコには敵わないまでも彼女もなかなか凄腕だというのは今回の断片だけ見てもわかった。まだ部分的にしか見れていないけれど、舞台は恐ろしくサイバーなんだけれど、実際は普遍的な子供時代の成長を描こうとしているんだろうし、僕もそういう物語を期待している。

この町の電脳空間というのは、いわゆるRPGとかネトゲーとかの町が、この現実の町の座標と一対一に対応しているという感じなんだろう。だから電脳メガネをかけて、その場所を見ると、そこに対応する電脳空間の情報がメガネに映しだされるという仕組みのなんだろう。でもどうやってその対応を実現するんだろうか。メガネが携帯電話や無線ランのようにサーバーにつながっていて、GPSとか無線基地からの電波を使って極めて正確な座標情報をもっているとかなんだろうな。

深く考えると難しい。電脳空間はリアルタイムで現実空間の情報を反映している。まあそうじゃないと話が成り立たないのだけれど。ということは、その現実空間の情報は誰かがかけているメガネからその電脳空間に伝えられるということだろう。つまり誰も電脳メガネを使って見ていないものは、電脳空間には反映されえないということだろう。もちろん見ているというのは単にカメラが仕込まれているだろうメガネをそちらに向けているということでないといけないけれど。例えば、電脳ペットが飼い主のいないところを歩くように指示されていれば、電脳空間上をその電脳ペットはちゃんと歩いているのだろうが、その経路を遮るような物を電脳メガネをかけていない人が置いたりしても、その電脳ペットはその障害物の存在を知らないのでそれを無いものとして歩いていくのだろう。電脳ペット自体は物理空間を直接見ることができないのだから。ただそこに一人でも電脳メガネをしている者がいれば、その電脳ペットはその障害物の情報を獲得してしまうので、その障害物を回避するように動くということになるだろう。なんか考え出したらややこしくなるな。

こんなハイテクなメガネをかけていても、それなのにかえって僕たちの子供時代のような雰囲気さえ感じさせる。テレビゲームや携帯ゲーム機に拘束されていなくて、メガネをかければこの町自体が無限の遊び場になるからじゃないかなと思う。男子はこの時代も単純すぎる。まあ事実そうなんだからしかたがない。駄菓子屋のばあちゃんも出てくる。ただそこに売っているのが昔も今も扱っていない電脳空間で使うための小銭で買えるアイテムだという違いはあるけれど。

この物語に一つ心配なことがある。それは本来の視聴対象の子供たちに理解できるだろうか。大人でも理解できないような高度な設定だから、混乱して、わけわからんから見ないってなりやしないだろうか。でも子供だから分かるということもあるかもしれない。深く考えない方が見ていられるということもあるだろう。今日の回なんて雰囲気最高。理屈抜きになにかすごい電脳バトルやってて、かっこよかった。子供たちにも、うけたかな。

残念なのは第一話から見ていなかったことだけど、いい情報を見つけた。NHKのページには、「6月16日(土) 午後3:00〜5:00 教育テレビ にて「電脳コイル」の1〜5話を一挙に放送する予定」とある。よかった。

ノベライズもされていて、現在すでに第一巻が発売中。著者は脚本家の方の宮村優子。「六番目の小夜子」の脚本の人。

関係ページ

■NHK教育
NHKアニメワールド:電脳コイル

■オフィシャルページ
電脳コイル


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2007年06月04日

箱入り娘(2)

先日のをタイルがちゃんとスライドできるように少し改造してみた。サイズも一回り小さくした。表示されている問題は
BakuretuKen Homepage IIさんの有名な箱入り娘アプレットのレベル1と同じもの。



あとこれからこつこつ追加していこうかと思っている機能は:
・ゴールできたら「おめでとう!」と表示させる。
・リセットボタンを付ける。
・手数カウンタを付ける。
・タイルを外部画像で置き換えられたらいいな。
・タイルだけでなく、外枠も置き換えられたらいいな。
・効果音が付けられるようにできたらいいな。
・XMLファイルで問題を用意できたらいいな。
・キーボードだけでも操作できるようにしよう。
・スクリーンリーダーにも対応できるようにしよう。
・ガジェットにしよう。

最後の目標以外はそんなに難しくないんじゃないかなと楽天的に思っている。いろいろ考えているけれど、flashらしい画面の効果はセンスがないから最初からやる気は無し。

最大の目標は、木製の本物よりも快適に問題が解けるようにすること。


こちらを開くと、たぶん大きいサイズで遊べます。
https://neu101.up.seesaa.net/flash/hakol1.swf


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2007年06月05日

ドリームビジョンの生命誕生映像

さっき、江角マキコが出てるドリームビジョンでやってたのは、ナショナルジオグラフィックチャンネルの「生命誕生」シリーズの第2編の動物編の映像の一部。最後の部分しか見られなかったので、どんな編集がされていたかは分からない。

生命誕生 オフィシャルページ(ナショナルジオグラフィックチャンネル)

このサイト内の今回の関連ページは、トップページにリンクがあるが、生命誕生2〜動物編〜。このページに簡単なまとめと、ダイジェスト版のビデオがある。


またこの『生命誕生』シリーズはMSNビデオでも見ることができる。広告付き。

生命誕生 第2編 レトリバーの出産
生命誕生 第2編 イルカの足

そして、来週放送予定しているゾウ編。
生命誕生 第2編 ゾウの祖先
これは以前紹介したことがある。(参照 「ゾウの祖先は水生動物」説

他の映像が見たいときは、MSNビデオのページで「MSN ビデオ検索」のテキスト入力欄に、"生命誕生"と入れて検索すればいい。ただ生命誕生1の映像はないようだ。

■番組情報
2007年6月5日(火)19:00〜
「未知の世界を撮りたい驚き(秘)映像ハンタードリームビジョン」

■関連リンク
未知の世界を撮りたい驚き(秘)映像ハンタードリームビジョン ・・・公式サイト、 NTV


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2007年06月06日

SANDWORM(DUNE)

先日竜を調べていてwormという言葉と出会ったが、wormと聞いて真っ先に思い出したのが、フランク・ハーバートFrank Herbertの『DUNE』(デューン)という作品だ。この作品からは『風の谷のナウシカ』そして最近では『マトリックス』へと影響を受けた様々な物語の系譜が続いていく。壮大で緻密なこの『DUNE』という物語は僕にとって忘れられない作品となっている。『マトリックス』の最後の作品を見ているときもこの物語の救世主を思い出さずにはいられなかった。

そうか、これは竜だったんだ。

DUNEは遠い未来の、砂漠の惑星アラキスを舞台にした物語。DUNEを読み始めたのは、それが『風の谷のナウシカ』に影響を与えた作品だと知ったからで、結局フランク・ハーバートの書いたこのシリーズ全巻読むことになった。ナウシカに出てくる王蟲はまさに読みからしてこのDUNEのsandwormの公然としたオマージュだ。巨大な芋虫と巨大なワラジムシの違いはあるけれど、同じ役割を演じている。王蟲は当て字によって意味をずらしているが、厳密に言うとwormに由来している言葉なのに本来のwormが意味する範疇の外にある。「worm=虫」という日本語翻訳の単純な図式が元になっているがゆえの連想。

DUNEシリーズの英語版の表紙など、sandwormは巨大な芋虫かミミズのようなたくさんの節のある巨大な円筒形の姿で描かれている。まさしくworm。でもこれはwormの竜としての意味を知らない画家が間違って描いたわけではない。物語の中でちゃんとそのように描写されている。頭に顔はなく、巨大な口だけがある。デヴィッド・リンチDavid Lynchの映画では先が三つに開いて口が見えてくるが、原作では、口は内側の縁にぎっしりと歯の付いた大きな穴としてだけ描かれている。

このような姿に描かれるsandwormも、wormの古い意味を思って見てみると、物語の役割からも、その名にふさわしくまさしく竜と思えてくる。これは英雄と竜、皇帝と魔女、貴族とずるがしこい商人の出てくる中世的な復讐劇として見ることができる。この物語では、wormは退治すべき悪の化身としては描かれない。英雄は、死者の水分まで共有物として搾り取る砂漠の民とともに、このwormと共存し、自分の強力な味方としていく。やがてこのシリーズは英雄の一族とwormとの密接な関わりを描いていき、未来の人類の成熟した精神像さえも描き出してくれる。

容赦なく人の命を奪いさる巨大な存在は、砂漠の民フレーメンにとっては畏敬の対象となる。フレーメンの生活はsandwormとともにある。彼らはsandwormの背に乗って長距離を移動する。sandwormは人類の求めてやまない長寿薬メランジと深く関わっている。このメランジもフレーメンの生活に欠かすことのできない重要なスパイスだ。wormは砂漠に包まれた厳しい環境を象徴した存在でもある。sandwormの重要な特徴として、水と関わり深い本来の竜の属性とは逆に、砂漠に住むこの無敵な存在は水によって死ぬ。


■関連リンク集
DUNE 公式サイト(英語)
DUNEシリーズは、原作者Frank Herbertの死後も、息子のBrian HerbertとKevin J. Andersonによって、その世界観を踏まえた物語が作られ続けている。最新刊は、『SANDWORMS OF DUNE』で、英語原書版だがもうすぐ発売になるらしい。だけど僕は彼らの作品をまだどれも読んでいない。

en.Wikipedia
Dune(novel)

Category:Dune
英語版のWikipediaには『DUNE』について莫大な量の記事が書かれている。DUNEにインスパイアされた物語のリストもある。


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2007年06月08日

黙示録写本

ヨハネの黙示録の場面を描いた作品がヨーロッパの人々に現在のドラゴンのイメージを広めたのではないかということを以前書いたが、昨日、ヨハネの黙示録に記述された世界を広めた人物としてベアトゥスBeatusの存在を知った。

ベアトゥスは8世紀の北部スペインの修道僧、神学者で、776年に黙示録の注釈を書いたことで有名な人。この人が書いたものを元にしたとされる写本が現在も30以上伝わっている。その写本のほとんどには黙示録の場面を描写する美しい挿絵が入っている。

ベアトゥスを知ったのはこの本:
西洋絵画の主題物語〈1〉聖書編 - amazon.co.jp

ベアトゥスに関する資料としては、英語だがWikipedia(en)のBeatus of Liébanaがある。日本語ではWikipediaに記事はないが、中世ヨーロッパ彩飾写本図鑑さんの「ベアトゥスの黙示録注解 その1」「ベアトゥスの黙示録注解 その2」に、ベアトゥスの生涯とベアトゥスが注釈した黙示録の分かりやすいまとめがある。

以前紹介したドラゴンの絵を集めたサイト「Dragons in Art and on the Web」に、中世ヨーロッパ彩飾写本図鑑で紹介されている物と似たような絵をいくつもみつけたが、あれがベアトゥス写本というものだったのか。ここで紹介されているベアトゥス写本では黙示録12章のドラゴンには翼が描かれていない。ここを基点にデューラーに至るまでドラゴンに如何にして翼が描かれ出したかを調べていけばいいのだろうか。

そう思って、いろいろ探していると、アリゾナ大学図書館の蔵書紹介サイトに、次のページを見つけた。このサイトの9世紀から10世紀の写本の列に、Trierer Apokalypseがある。そのページの写真をクリックすると翼の生えた蛇の絵が出てくる。足が無く蛇に近い姿で、鳥のような羽が生えている。左側に書かれている言葉をよく見るとちゃんと、"et postquam vidit draco quod proiectus est in terram persecutus est mulierem quae peperit masculum..."と読めるので、ラテン語聖書のヨハネの黙示録12章13節以降だとわかる。つまり、この絵は大地が竜の吐きだした川を飲み干している16節の場面である。これは「トリーア本」と呼ばれる写本らしい。

さて、「Trierer Apokalypse」で調べてみると、次のページを見つけた。Die Trierer Apokalypse(ORF)。ドイツ語なのでよく分からないが、ここにはこの写本の他のページも掲載されている。日本語では上智大学貴重資料Databaseサイト内にあるこのページには、800年代に製作されたように記述されている。先のドイツ語のページの冒頭だけを訳して読んでみると、これはカロリング朝の黙示録写本に分類されるようだ。

まだ確証はないが、カロリング朝ではドラゴンに鳥の翼を描く傾向があるのではないかと思う。前回の「ドラゴンの翼」で指摘した鳥の翼をつけたドラゴンもこのカロリング朝の形式で描かれているということではないかと思う。


■資料

ベアトゥス黙示録註解― ファクンドゥス写本 ― - 岩波書店
安い方の『ベアトゥス黙示録註解』の書店の紹介ページ。残念ながら在庫切れで古本でしか手にできない。もう一つ「アローヨ写本」版の『ベアトゥス黙示録註解』も日本で手に入るが、個人で買う本ではないだろう。

サン・スヴェールの黙示録 - 清泉女子大学図書館
清泉女子大学図書館の蔵書案内より。サン・スヴェールの綴りは、Saint Sever。この単語の画像検索で、アリゾナ大学図書館を見つけた。

初期中世の黙示録写本挿絵サイクルにおける挿絵とテキストの配列関係 - 大阪大学文学部・大阪大学大学院文学研究科
PDF文書。カロリング朝の写本について書いてある。

ジローナのベアトゥス黙示録注釈書の挿絵をめぐる諸問題 - 金沢美術工芸大学卒業論文
黙示録の挿絵について、いろいろ難しいことが書いてある。ベアトゥス写本にカロリング朝の写本の影響があるのかどうかを論じている。

Die Trierer Apokalypse - 紀伊國屋書店
トリーア本。

第131回常設展示 記録の中の「幻獣」たち - 国立国会図書館
ベアトゥスで検索していると、このページを見つけた。ドラゴンなど幻獣の出てくる様々な本の紹介がある。


2007年06月10日

クラブとクローバー

家に帰って7時からの「IQサプリ」を見てたら、伊東美咲がトランプのクラブをクローバーと呼んでいた。このセリフ、このブログでカルタのこと調べてる僕にはちょっと聞き流せない。彼女は台本を読んだだけだから、伊東美咲を批判するつもりはない。いや結論からいくと、相手が伊東美咲だからというわけではないが、僕は許してしまうのだけれど、ちょっと書こう。

まず、トランプのあのクラブはクラブであって、クローバーではない。両方英語からの外来語であるけれど、綴りは、クラブはclub、クローバーはclover。音の響きから日本人には関連のある単語に聞こえるかもしれないが、全く関連の無い単語。

英語のclubの元々の意味は「棍棒」。どうしてあの形が棍棒なのか。それはフランス北部であのシンプルな形を描いたトランプが発明されイギリスに輸入される以前、イギリスでは実際に棍棒が描かれたトランプを使っていたらしいから。フランスからのトランプのマークの形が今まで使っていた棍棒と違う形でも、そしてそれと同じようなデザインで自分たちで作るようになっても、イギリスではそのまま同じ名前で呼び続けているというわけ。

トランプの歴史は、フランスやイギリスよりも、イタリアやスペインの方がはやく、そしてそのイタリアやスペインへは14世紀にエジプトのイスラム教国から伝わったという説が有力とされている。このときイスラムのカードに描かれたポロのスティックが、当時のヨーロッパ人にはただの木の棒にみえてしまった。そしてそれは棍棒になった。今もスペインには棍棒が描かれているカードがある。南ヨーロッパ形式のこの種のカードが、フランスからよりも先にイギリスに伝わって、その形を見たまんまのclubと呼んで定着したということだろう。

そういう経緯はあったとしても、やっぱり普段見るあのクラブの形はどう見ても三つの葉っぱのクローバーに見える。だから、クローバーと呼んでもいいんじゃないか!そう見えるんだからしょうがないじゃない。そう考える人には都合のいい事実がある。実際、フランス語ではあのクラブはtrèflesと呼ばれている。そう、まさに三つ葉、クローバーという意味の言葉で呼ばれている。

だから、日本人がそう呼んだって構わない。このマークの形は15世紀の後半にフランス人が考えたと言われているのだから、その国の人たちが呼んでいる言葉の意味で日本人がクローバーと読むのを間違いだと批難できるだろうか。(ただフランス人がクローバーを模して、あの三つ葉のシルエットを作ったわけではないらしく、おそらくドイツで使われているドングリのマークからだと言われている。トランプの歴史は奥が深い。今いろいろ調べている。)

そういうわけで、クラブのあのマークをクローバーと呼ぶのは間違いだとはいいきれないけど、でもあまりおすすめはしない。トランプの用語は英語だから、それでちゃんとclubとなっているカードだから、あくまでもクローバーは俗語扱いになる。クローバーよりも抽象的な「三つ葉」と呼んだ方がいくらかましだけど、でも、やっぱりクローバーと呼びたいんであれば、あれは英語ではclub、ついでにフランス語ではtrèflesだということを頭の片隅に入れておいてください。

スペインの棍棒ソータ
現行のスペインのカード(私物)


■関連資料

Playing card・・・Wikipedia(en) 英語
トランプの歴史について詳しくまとめてある。

Carte à jouer・・・Wikipedia(fr) 仏語
ヨーロッパ各国での呼び方の表がある。クラブにおいて英語が形と原義が一致しておらず例外的だと分かるが、他の各国も様々だと分かる。ちなみに、同じ項目のスペイン語版Wikipediaだとスペイン語ではフランス・イギリス式のクラブを、tréboles と呼ぶとある。

カルタ―PLAYING CARD ・・・ Amazon.co.jp
以前紹介したこの本には復元されたマムルークカード(イスラム世界トルコの15世紀のカード)の写真など、トランプの歴史をうかがえるものがある。


■当ブログの関連記事
竜を棍棒で殴ろうとする女




「りえちゃんの1日密着企画第2弾」の放送予定

次が気になって定期的にYahoo!番組表をチェックしてました。

やっと放送日が分かりました。
ドォーモ
「重度の視覚障害者りえちゃんの1日密着企画第2弾」
6月12日(火) 24:10〜25:10
KBC,YAB,NCC,KAB,OAB,KKB
※自分の地域での放送時刻等は再確認ください。

深夜なので日付の表記に注意!
「『ぷっ』すま」の後です。
録画するときは、13日(水)0:10〜

九州・山口の放送エリアのいままで見たことの無かった人も、どうぞこの番組を見てください。いろいろな問題を考えさせてくれますし、とても前向きな気持ちにさせてくれると思います。

■情報源
http://tv.yahoo.co.jp/bin/search?id=81659999&area=fukuoka
※これは制作局のある福岡のYahoo!番組表の情報

■当ブログ関連記事
「見えない生活」の映像
見えない生活

そして、実際に放送された第二弾について
見えない生活 密着レポート第2弾


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2007年06月12日

『死ぬな!風の鬼若!!』

せっかくなのであらすじを書こう。
知りたくないときは読まないで。

第37部 水戸黄門 第10話『死ぬな!風の鬼若!!』(能代)
TBS系列 2007年6月11日20時〜

とうとう、風の鬼若とお別れの回。
先週から、アキが黄門様のことジイジと呼ばなくなったり、そんなアキ様の成長ぶりを鬼若が優しいまなざしで見つめている場面があったりと、着々と別れのときが近づていた。

冒頭からアキ様と鬼若中心で物語が始まっていく。二人のセリフの中に「風車」という言葉が出てくるところあたり、話上共演できない二人のバトンタッチの意味を込めた演出だろう。

アキ様と鬼若は秋田の山の守人をしているアキ様の母方のおじいさんに会いに、黄門様御一行とは別行動。
しかしおじいさんは山中で何者かに襲われ、生きて会うことができなかった。
アキはおじいさんをおくるときも、涙一つ流さない。
それがアキがいままで鬼若と一緒の旅の中で、強く成長してきた証でもある。
不幸を知った御一行も村に合流するが、みんなは気丈なアキを見て強く成長していることを思いながらも、その心の底の悲しみを察している。

鬼若は、アキの祖父をおくった後、小さな仏像を彫り始める。
それを見つけたアキが問うと、アキ様はいつかは成長して自分から離れるのだから、そのとき自分の身代わりとなるものだという。そしてこれはまだ完成していないので、渡せないという。

町に入ったとき、行方知れずになる者がいるらしいとの情報を知っていた老公たち。今回のおじいさんの死もそれと関係あるんではないかと探索を始める。格さんとお娟は山に潜入しようとするが、お娟は腕に矢を受け深傷を負ってしまう。
傷の癒えないお娟を残して、御一行は町と山に別れて探索を続ける。
老公は、悪党たちが出入り禁止にしてある札山の杉の木を勝手に伐採して私腹を肥やしていることを突き止める。
しかし老公は、敵の屋敷で捕まってしまう。
黄門様と引き離された格さんと新助は、蔵の中で縄で縛られ身動きができない。
唯一の頼みの綱は、敵の用心棒として入り込んでいる助さんだが、今は助け出す機会をうかがっている。

いつもの頼もしい味方が、バラバラになってしまって、黄門様御一行がこんな危ない状況になるなんてそうあることじゃない。
そんなときだからこそ、起きてはならないことまで起きてしまう。

山の方では、アキと鬼若、そしておじいさんの手下だった三人が、仇をとるために、あやしい札山に乗り込んでいた。敵の忍者たちは手強く、アキの味方は一人また一人とやられてしまい、アキと鬼若も離ればなれになってしまう。

鬼若の目前に夜叉王丸が現れる。夜叉王丸は昔は鬼若と因縁の対決を繰り返してきたが、今は時として協力し合う仲となっている。
夜叉王丸は抜け忍を探しにこの山まで来ていた。鬼若がアキと五郎太が一緒にいることを夜叉王丸に告げると、すぐに駆け付けろと鬼若に忠告する。
夜叉王丸は老公にこの山で起きていることを知らせに向かった。

町では格さんが縄を抜け、動けるようになったお娟もかけつけ、助さんも雇い主を裏切って、いつもの立ち回り、そして印籠。いつもならばここでめでたく終わるのだけど、終われるわけがない。そこに夜叉王丸が現れる。

鬼若が駆け付けたときアキは無事だった。
アキが鬼若の言うことを聞かなかったことを詫び、そしていつまでも自分の元にいてくれと頼む。
鬼若はその言葉に心からうれしそうな顔をみせる。

その瞬間突然の銃声で、鬼若が崩れる。五郎太は味方を装って、二人の隙を狙っていたのだ。
今までアキと一緒に行動していたこの五郎太こそ、実は敵方の忍びの首領であった。
鬼若は深傷を負いながらも、アキまでも亡き者にしようとしているその相手と必死に戦い続ける。

御一行もようやく争っている二人が見えるところまで駆け付けるが、一足遅く、鬼若と五郎太がもみ合ったまま崖から落ちて激流にのまれてしまう。普通じゃ助からないが、でも鬼若だったらもしかすとると。そんな期待を残しながらの最後だった。ただそのあとの夜叉王丸のアップは何か意味ありげだった。ただ力を認めた鬼若の死を悼んだだけかも知れない。

屋敷の中、老公とアキの二人。アキの前には鬼若の彫っていた仏像が置いてある。
アキはここに残って、鬼若が仕上げていない仏様を彫りに帰ってくるのを待つと言う。
老公は一緒に旅に出ることを説得しない。アキの思うとおりにするがよいと言う。ただアキに、一人ではなく自分たちがいることを忘れないでほしいと話す。老公の優しい言葉に、気丈なアキも老公に抱きつき泣き崩れる。
鬼若とアキの回想シーン。最初のまだ肩にちょんと乗るくらいの小さな頃のアキ様。鬼若の乗り越えてきた様々な戦いの場面。そしてもう肩には乗らずに自分で歩くと宣言したときのアキ様と鬼若の笑顔。

アキを一人残していくのが心残りの御一行は足取りも悲しげ。
しかし山道を曲がるとそこにアキが現れ、お供に加えてほしいと願う。
老公が、それでいいんじゃなとアキに問う。アキは、鬼若は追いかけてきてくれるからと答える。
悲しみを乗り越え内面的に大きく成長したアキを受け入れ、また旅が始まる。

一時間で放送するにはもったいないような、濃厚な展開だった。
今回のアキと老公の別れのシーンもそうなんだけれど、里見浩太朗のシリーズは、この黄門様とその回の主役との対話がとても心に響く。
他の黄門様も好きなんだけれど、このシリーズの対話のシーンは別格だと思う。

いよいよ来週、二代目弥七登場。
第11話『母と娘つないだ風車』(青森)
予告編で弥七登場。弥七らしくちゃんととんぼ切ってる!



■関連
水戸黄門公式サイト(TBS)

第10話『死ぬな!風の鬼若!!』(能代)

第37部かわら版その1『製作発表レポート』
鬼若が消えてしまってから、改めて製作発表の照英と晶ちゃんのコメントを読んでみましょう。

第37部かわら版その9『内藤剛志×宮川一郎 “風車の弥七”を語る!』

弥七通信vol.1『風車の弥七』
こういう連載も始まったようです。中谷一郎さんの初代弥七の写真もあります。


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2007年06月13日

電脳コイル 第五話

いまさら三日前のテレビのことを書くのも何だけれど、疑問点とか考えたことをいくつか。

今回初めて最初から終わりまで見た。
今回は子供たちの人間関係を紹介するような話。
この回の重要な展開は:
・イサコが男子たちをてなづけて大黒ヘイクー倶楽部のリーダーに就任する。
・それまでのリーダーのダイチはフミエを昔から意識して、スカートめくりとかちょっかい出していた。でもフミエは鈍くて気付かない。その二人の対立がフミエのハッキング能力を高めさせた。
・生物部部長のハラケンが頼りなさそうで意外に頼りになるかなというところで終わる。


メタバグという、特殊な存在が話の中心になるんだけれど、これがいまいちよく分からない。宝石のような形をしていて、指先でつまんで持つことができる。ちょうどそのくらいの大きさ。もちろん電脳空間にのみ存在するもの。ネット上で取引価格を検索することができる。子供たちのいい小遣い稼ぎになってるらしい。電脳空間のイレギュラーな存在で、もう取り尽くされているようで滅多に見つからないが、まだ鉱山のようにメタバグが一杯埋まっているところもある。衝撃で電脳空間に爆発を起こしてしまうものもある。


電脳空間が不安定なときは、電脳霧が出る。メタバグを探しに来たところがそうなっている。オープニングは初めて見たけれど、冒頭の靄は、朝靄という現実と、この不安定な電脳空間の両方の意味があるのだろう。そして朝日が差し始める前のその世界が、主人公たちの今の内面を表すものでもあるのだろう。


電波状況が悪くなってくると体にノイズが入り出す。デジタルビデオに出るブロックノイズのような感じ。これは電脳空間に入り込んでいる本人の身体ということになるのだろう。この電脳空間の身体は、どうやって現実の身体と連動するんだろうか。誰かのメガネで見ていることによって反映されるのだろうか。やっぱり見えている部分しか電脳空間で動かせないのだろうか。このノイズがひどくなって、電脳空間の身体の映像がなくなれば、電脳空間への影響力を失ってしまうのだろう。その空間の物を動かせなくなったり、見ることができなくなるのだろう。


それから気になったのが、電脳ペットのおやじがスパイをしていたこと。こういう場面は今までもあった。これはあり得るのかな。電脳ペット自体は電脳空間しか見ることができないはずだと思うのだが。ということは電脳ペットそのものが誰かの視界に入っていなくてもいいわけか。考えてみればそうじゃないといけないように思う。

電脳メガネをかければ、その人の言動が全て電脳空間で行われていることになってしまうわけか。近くまでいけば、他の誰かのペットでもその空間の様子を見ることも聞くことができるということか。電脳空間なら距離なんか関係なさそうだけれど、近くまでいかないと聴けないという物理空間のようなルールがあるのだろう。

ということは、この電脳空間は密談ができないようにできているわけだ。子供たちが電脳空間で本当の悪さをしないように電脳空間は一切が隠し事ができない公的な空間になっているんではないだろうか。そのかわりに、物理空間のような情報伝達に距離の限界があるのだろう。本当に誰にも知られたくない密談をするならば、電脳メガネを外してすればいいはずだ。みんなそうすればいいのに。


■番組情報
電脳コイル第五話『メタバグ争奪バスツアー』
NHK教育2007年6月9日午後18:30

今週末に第一話から五話までの特別再放送。
6月16日(土) 午後3:00〜5:00

■関連当ブログ記事
電脳コイル


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