2007年06月13日

見えない生活 密着レポート第2弾

以前から書いている重度の視覚障害者のりえちゃんの一日の密着レポート番組の第二弾。放送されているのは九州の番組『ドォーモ』。この番組ではりえちゃんの特集は数年前から何回か放送されている。

■番組情報
KBC制作「ドォーモ」
重度の視覚障害者りえちゃんの1日密着企画第2弾 見えないお仕事と見えない昼休み
6月12日(火) 24:10〜25:10

番組公式サイト
「ドォーモ」九州朝日放送

視覚障害者の人とちょっと交流があって、このブログも読んでくれている人がいて、ここに物語のあらすじ書くのが多いのも、そういうわけがあったりする。そういうことを踏まえて今回はレポートの内容を簡単に書いてみる。


放送は前回の続きから。まずレポーターの二人コンバット満さんと高橋さんが弱視体験として、アイマスクをして白杖をもって点字ブロックの上を歩いてみる。こんな大変なことを、りえちゃんは晴眼者と区別がつかないようにこなしている。頭で考えている以上に、いざやってみるとこんなに難しいことなんだと視聴者に分かってもらうためには必要な演出だと思う。番組のいたる所で、わざわざ彼女は見えていませんというテロップがうるさいくらい出てくるのだけど、これがないと偶然チャンネル合わせた人は別段何も感じなくてそのままチャンネル変えてしまうからなのだろう。

番組の途中で、道路を白杖をもって歩かないのは道交法に違反し、危険なのでやってはいけませんという注意の画面が出てきた。それはそうだ。りえちゃん自身は対応できても突発的な事故は起こりうるわけだから、りえちゃんやっぱり白杖は持ちましょうね。

職場への移動中。お店の前で点字ブロックをまたいでの積み込み作業をしていた。まわりが中途半端な声かけでちゃんと誘導できなかったので、りえちゃんは勢いよくぶつかってしまった。口調が優しいので、ちょっとわかりにくかったが、りえちゃんは本気で怒ってしまった。それはコンちゃんが悪い。僕も誘導で痛い目に会わせてしまったことが何度もあるから、人事に思えない。

職場。りえちゃんの仕事はマッサージ。もう1年前からこの部屋を使っているので、部屋のどこに何が置いてあるのか見えているようにわかっている。こういうのは全盲の人と接したことがない人には、不思議でたまらないだろうな。カメラマンが勝手にイスを動かしたりするもんだから、りえちゃんがイスを手探りで探したりするハプニングが起きる。こういう偶然がかえって、余計なことをしてはいけないと気付かせてくれるんだな。

職場に置いてあるパソコンを操作をしてみせるところがある。ちょっと短かった。本人のためか分からないけどパソコンは弱視用に画面の色が反転されてる。音声合成のスピードが速すぎるのか、レポータ二人は分からないといっている。音声ガイドを使い慣れている人は、読み上げ速度を高速にしているので、初めて聞く人にはわからなかったのだろう。僕もはじめは聞きとれなかった。

自分のパソコンに音声合成を入れてテスト環境を作っているけどやはり高速に設定している。ああ、でもいつも聞き慣れている同じ音声がテレビからも聞こえてくるというのは、とても奇妙な感じがする。君はそこでもはたらいているのかという感じ。それはそうと、りえちゃんもネット検索しているならば、このブログも見つけてくれてるかな。

今度は、とあるところにお買い物。いろいろ大変そうだけど、手触りだけでどれが買ったことのある物とか、いろいろわかるのはすごい。食べてみないと味までは分からないけれど、売り場のコーナーを覚えて、それで大雑把に手触りだけで選んでいた。お気に入りの物は形だけで分かるみたい。レジを通るのも本当は大変なんだろうけど、これも自然にやってのける。

買い物の後、公園のベンチに座って、りえちゃんにどうしてそんなに前向きなのかのコンちゃんのインタビュー。ものの考え方一つで世界は変わる。後ろばかり見ている時期もあったけど、それにあきちゃったそうだ。なぜ自分だけと思ったけれど、施設で研修して自分より目の見えない人たちに出会って、一皮も二皮もたくさん剥けたんだそうだ。笑顔は絶やさないという言葉を心に留めていて、それを心がけている。

今回の放送はここまで。
予告には、電車とバスに乗る場面。

りえちゃんの前向きな姿勢は心をうつ。いろいろ苦しんだんだと思うけれど、この心からの本当の笑顔は周りの人を、それだけで勇気づけてくれると思う。テレビを通じて多くの人に伝える価値のある笑顔だ。りえちゃんと同じくらいすごい人は実はいろんなところにいるんだけれど、そういう人たちが世の中にいるんだと気付かせてくれるためにも、これからもときどきでいいから、テレビに出てその笑顔とその明るい声を聞かせてほしい。


■当ブログ関連記事
見えない生活
「見えない生活」の映像


posted by takayan at 08:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 見えない生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

電脳コイル 第五話

いまさら三日前のテレビのことを書くのも何だけれど、疑問点とか考えたことをいくつか。

今回初めて最初から終わりまで見た。
今回は子供たちの人間関係を紹介するような話。
この回の重要な展開は:
・イサコが男子たちをてなづけて大黒ヘイクー倶楽部のリーダーに就任する。
・それまでのリーダーのダイチはフミエを昔から意識して、スカートめくりとかちょっかい出していた。でもフミエは鈍くて気付かない。その二人の対立がフミエのハッキング能力を高めさせた。
・生物部部長のハラケンが頼りなさそうで意外に頼りになるかなというところで終わる。


メタバグという、特殊な存在が話の中心になるんだけれど、これがいまいちよく分からない。宝石のような形をしていて、指先でつまんで持つことができる。ちょうどそのくらいの大きさ。もちろん電脳空間にのみ存在するもの。ネット上で取引価格を検索することができる。子供たちのいい小遣い稼ぎになってるらしい。電脳空間のイレギュラーな存在で、もう取り尽くされているようで滅多に見つからないが、まだ鉱山のようにメタバグが一杯埋まっているところもある。衝撃で電脳空間に爆発を起こしてしまうものもある。


電脳空間が不安定なときは、電脳霧が出る。メタバグを探しに来たところがそうなっている。オープニングは初めて見たけれど、冒頭の靄は、朝靄という現実と、この不安定な電脳空間の両方の意味があるのだろう。そして朝日が差し始める前のその世界が、主人公たちの今の内面を表すものでもあるのだろう。


電波状況が悪くなってくると体にノイズが入り出す。デジタルビデオに出るブロックノイズのような感じ。これは電脳空間に入り込んでいる本人の身体ということになるのだろう。この電脳空間の身体は、どうやって現実の身体と連動するんだろうか。誰かのメガネで見ていることによって反映されるのだろうか。やっぱり見えている部分しか電脳空間で動かせないのだろうか。このノイズがひどくなって、電脳空間の身体の映像がなくなれば、電脳空間への影響力を失ってしまうのだろう。その空間の物を動かせなくなったり、見ることができなくなるのだろう。


それから気になったのが、電脳ペットのおやじがスパイをしていたこと。こういう場面は今までもあった。これはあり得るのかな。電脳ペット自体は電脳空間しか見ることができないはずだと思うのだが。ということは電脳ペットそのものが誰かの視界に入っていなくてもいいわけか。考えてみればそうじゃないといけないように思う。

電脳メガネをかければ、その人の言動が全て電脳空間で行われていることになってしまうわけか。近くまでいけば、他の誰かのペットでもその空間の様子を見ることも聞くことができるということか。電脳空間なら距離なんか関係なさそうだけれど、近くまでいかないと聴けないという物理空間のようなルールがあるのだろう。

ということは、この電脳空間は密談ができないようにできているわけだ。子供たちが電脳空間で本当の悪さをしないように電脳空間は一切が隠し事ができない公的な空間になっているんではないだろうか。そのかわりに、物理空間のような情報伝達に距離の限界があるのだろう。本当に誰にも知られたくない密談をするならば、電脳メガネを外してすればいいはずだ。みんなそうすればいいのに。


■番組情報
電脳コイル第五話『メタバグ争奪バスツアー』
NHK教育2007年6月9日午後18:30

今週末に第一話から五話までの特別再放送。
6月16日(土) 午後3:00〜5:00

■関連当ブログ記事
電脳コイル


posted by takayan at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(1) | 電脳コイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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