2007年06月17日

電脳コイル 〜6赤いオートマトン

異例のアンコールスペシャル放送。見られなかった回を見ることができて、NHKに感謝。
一つ一つのシーン、一つ一つセリフが、この世界を説明する大切な情報で、かなり緻密に世界設定をしているのがわかる。突き詰めると破綻するものも見つかるかもしれないけれど、この世界はかなり楽しめる。それが最初から明らかにされているんじゃなくて、物語が進むにつれて次第次第に明らかになっていくのが楽しい。今回見たことで、ちょっと僕が考えていたものも修正しないといけない。

物語を楽しみたいならば、以下はかえって読まない方がいいかもしれない。

第六話の重要な展開は:
ハラケンのおばさん登場。実はヤサコの父親のあつかいにくい部下。
黒ずくめのバイク乗りの姿で今までも画面の端に映っていた。おそらく同一人物。きっとMatrixのトリニティへのオマージュ。
ハラケンがサッチーにできる命令は、待て、お手、お座り。これは、サッチーの導入に関わっているおばさんが、ハラケンの「イリーガル」研究のために特別に使えるようにしてくれた命令。サッチーは不純な電脳物質を見境なく初期化してしまうので、この命令はイリーガル研究にはなくてはならない。ハラケンがイリーガルを研究するのは、一緒に研究していた女の子の死の真相を探るという目的もあるのだろう。
この世界では車は電脳ナビで自動運転。そのときは絶対事故は起こらない。それなのにハラケンと一緒に研究をしていた女の子カンナは交通事故にあって、死んでしまった。ハラケンを幼い頃から知っている花屋のおばちゃんがいうには、この事故の後ハラケンはあまり笑わなくなった。
いろいろ面白い場面があったけれど、サッチーの能力を研究するためにイサコとフミエは神社に潜んで、目の前の道の電脳空間をわざと壊して、サッチーの検知能力を測っているところは地味にいい。
今日はいろいろ世界設定が公開された。神社や学校にサッチーが入ってこられないのは、縦割り行政のせいだというのは、いいセンス。サッチーは郵政局に所属するので、管轄の違う文部局の学校や、文化局の神社には入ってこられない。別に家の中はホームドメインでサッチーは入れない。サッチーの行動できるのはオンロードドメイン。
何もかも指さしてうんちと叫ぶのがマイブームだったヤサコの幼い妹キョウコは、ハラケンのおばさんに会ったおかげで、バイクにまたがったまねをしてブーンブーンと言うのが新しいマイブームになった。

後は一話から五話までのアンコール放送を見て気になったこと:

第一話オープニングの直後に、大黒市がもやに包まれている様子が映って、それに対してヤサコが理由を説明しているのは、明確なオープニングの解説だな。

子供たちの噂する都市伝説や、ヤサコの幼い頃の思い出せない記憶、ハラケンの死んだ友達。そういう謎が、イサコの探している何かと結びついていくんだろうな。どの話にも今後の展開に欠かせない重要な出来事が描かれているみたいだ。ほんとアンコール放送見れてよかった。

第一話でヤサコの電脳ペットのデンスケが古い電脳空間に迷い込んでしまう。この古い電脳空間というのが今後また重要な役割を果たすのではないかと思う。ヤサコの不思議な幼い頃の断片的な記憶、鳥居の並んだ階段のことをこの町で生まれ育ったフミエが知らないというのは、その場所が普通では行けない場所にあることを意味しているのではないかと思う。ヤサコが古い電脳空間にいるデンスケの場所が漠然と分かったのも、そのことと何か関わりがあるのだろう。でもこれはかなりの特殊能力だろう。電脳コイルのことを最初にここに書いたときこの世界と電脳空間が一対一に対応していると書いたが、実はそうではないということかもしれない。第三話で現れた鍵穴は、そういう別の世界に入るための鍵穴かもしれない。

イサコは手を動かさずに電脳メガネを操作するイマーゴと呼ばれる技が使える。これは封印されたメガネの隠し機能らしい。イサコの目が赤く光ってカチカチっとするのは、サッチー同志が通信するときのカチカチと同じな描写なのは、意図的なのだろう。こういうのは展開が進んでいくと、他の子供たちも使えるようになっていくんだろうか。ラストの26話付近でなんか壮絶な電脳バトルを期待してしまう。

全部通してみると、メガネをおでこに上げているときと普通にかけているときとが区別されて描写されている。これももっと気をつけて見ていくと、その区別の設定がわかるのだろう。メガネの電源を滅多に切らないらしいけど、おでこにメガネを上げているときも電源は入っているのか。普通にかけてないときも指電話ができるのはそういうわけか。でも手の指で電話の形をするのは、必ずしないといけないのかな。あの位置では自分のメガネでは映っていないはずだから、僕の考えている理屈では、手の動きが電脳空間に反映できないので説明できない。

それにしてもメガビーいい。あの額にピースをあててやるおデコビーム。


ところで、DVDが予約可能になってた。今日のアンコール放送見逃して乗り遅れた人は、DVDでどうぞ。

以前説明した画像とは違うけれど、このDVDの表紙は、電脳メガネ越しとそうでない部分が描かれた画像。ヤサコとイサコが並んで立っていて、その間にサッチーの一部分が見える。デンスケも見える。でもそんなに近くにいてサッチーは攻撃してこないのかな。

■amazon.co.jp
限定版と通常版がある。限定版には絵コンテ集等が入ってる。通常版にも初回封入や毎回封入の特典がある。
品名にマウスを重ねると商品プレビュー。



電脳コイル (1) 限定版
1話〜2話収録

電脳コイル (2) 限定版
3話-5話収録

電脳コイル (1) 通常版

電脳コイル (2) 通常版




posted by takayan at 03:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電脳コイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第二位の準惑星、冥王星

去年冥王星が惑星の定義から外れたときは、なんでみんなそんなに騒ぐのと思っていた。誰も肉眼で冥王星見たことないわけだし、ほとんどの人が写真すら見たことなかったはずなのに。そもそもみんな星のこと興味あったのかって。

みんな日頃、夜空見上げてるのだろうか。僕は夜道を歩くとついつい星を眺める。いつもと違う夜道だと北極星の場所を確認せずにはいられない。そして星座を何か一つでも見つけようとする。あのまぶしい星は金星だな、星座に紛れてるあれは木星かなとか。年に何度か天体望遠鏡を引っ張り出しては、木星の衛星や土星の輪を眺めて、ささやかな宇宙の奥深さを再確認する。この世界は人工物ではないが数学的だって実感をする。もちろん冥王星まで眺めることはできなかったけれど、他の惑星と大きく違うことも知っていたから、この降格にはさもありなんというのが感想だった。(参照 さよならプルート

おととい久々に冥王星のことを書いてある記事を見つけたので、調べてみた。でもなんかかわいそうなタイトルだ。

2007/06/15-09:12 冥王星、また「降格」=エリスより軽いと判明−米天文学者 - 時事通信社

(略)
米天文学協会が14日明らかにしたところによると、同教授らはハッブル宇宙望遠鏡などで観測したエリスの衛星ディスノミアの軌道上の動きから、エリスの質量は冥王星の1.27倍と計算。エリスの直径は冥王星よりやや大きいとされてきたが、質量も上回っていることを突き止めた。冥王星は質量の比較でも、準惑星グループのトップの座に立つことができないと判断されたわけで、「第二の降格」(ロイター通信)といわれている。
(略)

結局、冥王星が分類されたdwarf planetという言葉の訳語は矮惑星ではなく、準惑星となった。このことはこのブログにも書こうかと思ったけれど、書きそびれていた。一番大きくて重い準惑星だとわかったエリスというのは、去年惑星の定義が決まった頃「2003UB313」という名前でしきりに出てきた星。この星の存在がこの惑星の定義を決める大きなきっかけになった。
(参照 クローズアップ現代「さよなら冥王星」 去年書いたので情報古いです。)

惑星の定義がきまってしばらくしてこの2003UB313にエリスErisという名前がついた。同時にその衛星にディスノミアDysnomiaという名前が付いた。どちらもギリシャ神話からの命名で、神話ではディスノミアはエリスの娘。ちなみにエリスは有翼の女神として描かれる。エリスは不和の女神ともされて、この星の発見がもたらした議論を思い出させてくれる名前。

文中にロイター通信とあるので英語の元記事はこれだと思う。
WASHINGTON (Reuters) - Poor Pluto has been demoted again.

でも「第二の降格」っていうのはどこの文章だろう。それらしい"Poor Pluto has been demoted again"という文の訳は見出しで既に出てきてるのに。どうでもいいけど。

記事にあるハッブルは地球を回る有名な宇宙望遠鏡。英文の方では、ケック天文台でも観測したということも書いてある。初耳のこの天文台はハワイのマウナケアにある天文台群の中の一つ。W.M.Keckという言葉はどんな意味があるのかなと思ったら、W.M.Keck財団というところから総額1億4千万ドル以上もの助成金を受けて建てられたからだそうだ。この財団は石油で成功したWilliam Myron Keck氏が1954年に設立した慈善団体。

いちおう、話題に上っているサイエンス論文は、次のリンク。今回の論文の概要。細かなデータが書いてある。
The Mass of Dwarf Planet Eris - Science(英文)


観測に使ったハッブル望遠鏡とケック天文台のサイトにもこのニュースの記事があがってる。ハッブル天文台の方には、ErisとDysnomiaの写真も掲載されている。

Astronomers Measure Mass of Largest Dwarf Planet - HUBBLE
Astronomers Measure Mass of Largest Dwarf Planet - KECK

ハッブルの撮した美しい天体写真が他にもあるので、興味がある人はさまよってみるのもいい。
HubbleSite - Gallery


posted by takayan at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 冥王星 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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