2007年08月14日

「ワープする宇宙」

いろいろ話題になっているようなので、買ってみた。まだ、前書きと序章しか読んでいないのだけど、ちょっとワクワクしてくる。頭のいい人のとても丁寧な文章だ。

内容は筆者リサ・ランドールが発表した5次元時空の解説書。序章の説明によると、その理論についてはもちろんだけど、そこにたどり着くまでの、時空や素粒子といった20世紀初頭からの空間をめぐる理論物理学の世界も、とても分かりやすい表現で説明していく。数式を使わずに、たとえ話を使って読者に分かりやすく伝えていく。

リサ・ランドールLisa Randallはハーバード大学の理論物理学の教授。プリンストン大学物理学部の終身在職権を持つはじめての女性教授。1999年サンドラム博士とともに「warped extra dimensions」を発表した人。

この本の英語の原題は、Warped Passages。日本でワープというと、やっぱりSFのワープ航法のワープを思い浮かべてしまうだろう。空間をねじ曲げ短絡させて光速を越えて移動する空想上の移動方法。この本のタイトルのワープは、その航法の名前の由来である空間の歪曲を示す言葉。空間が歪曲しているということはどういうことかは、詳しくは読んでみないと分からない。

他方passageは通路とかいう意味をもつ言葉だけど、リサ・ランドールが使う場合はまた別な意味になる。この本ではパッセージは、余剰次元の呼び名として使われている。次元らしく方向をイメージさせる言葉が選ばれている。この言葉が表しているものがどんなものなのかは、やっぱり、読んでみないと分からないだろう。

とにかく、「歪曲した余剰次元」が原題の意味するところとなる。もちろん、曲がりくねった通路とか、そういう意味もこのタイトルには重ねられているのかもしれない。最後まで読んでみないと分からないだろう。いや、最後まで読んでも僕に分かるかはまだ分からない。

日本では「ワープ」という言葉に歪曲したという意味を連想する人がそんなにいるかどうか疑問だ。それも「ワープした」ではなく、「ワープする」という表現が、より一層誤解させてくれる。

もちろん、分かってて狙ってるんだろうな。「歪曲した余剰次元」なら、まさに学術書としか思われないし、字義どうり訳しても何の話かさっぱり分からないし。読んでいけば、ワープする宇宙でも、内容的には間違いないなって思えるのかもしれない。


しばらくこの本を楽しもう。まとめたくなったら、書こうと思う。





posted by takayan at 04:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ワープする宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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