ここには、序章から第四章までが含まれている。
第一部の内容は。次元というものは何なのか、この世界に他の次元があってもそれを感じられないのはどうしてなのか。それらに対して単純なイメージを示しながら、おおまかな解説をしていく。そして第四章で、「ひも理論」との違いや問題点を指摘しながら、現代の理論物理学がどのように形成されてきた道筋を示して、次の第二部以降へと誘う。
各章の冒頭には引用があり、四つとも歌詞からのものだ。
英語の原文を探してみた。原書からではないので、間違ってるかもしれない。
Fleetwood Mac - Go Your Own Way
You can go your own way
Go your own way
Jefferson Starship - No Way Out
No way out
None whatever
Elvis Presley - Stuck On You(日本語タイトル:本命はおまえだ)
I'm gonna stick like glue,
Stick because I'm
Stuck on you
Kraftwerk - The Model
She's a model and she's looking good
日本語訳でもだいたい分かるが、その章に関係ある言葉が使われている。本文ではタイトルが書いてなかいけれど、どれも曲のタイトルそのものがその言葉だ。ちなみに全部Youtubeにあがってる。
各章の概要をまとめてみる。
第一章は、次元とは何か、低い次元から高い次元のものを見るということはどういうことかが書かれている。
次元とはその空間内の点を表すために必要な数値の組のこと。私たちの空間の位置をあらわすためには三つの数字の組が必要にある。ただ点だけが示されればいいわけではなく、点と点の距離を測る物差しのような基準が必要になる。これはメトリック(metric、計量)と呼ばれる。同じ次元の数であっても、空間が曲がっていればメトリックが違ってくる。例えば平面と風船の表面上の点は、どちらも二次元の座標で表されるが、メトリックが違う。つまり、次元の数とメトリックによって空間は記述される。
1844年にイギリスの数学者エドウィン・A・アボットEdwin Abbott Abbottが書いた小説「Flatland」を元に話を進んでいく。注によるとこのFlatlandは日本でも翻訳、出版されたが既に絶版になっている。
Flatland - en.Wikipedia 英文による解説
Flatland - Project Gutenberg 原文
この小説は、二次元宇宙の住人が見るその世界や他の次元の世界を描いたものだ。この物語を例に取りながら、高次元の見え方を説明する。自分よりも高い次元のものを見ようとしても、直接は不可能なのだから、断面としてや射影としてしか見ることができない。ただ見えている情報を蓄積することで、高い次元を推測していくことはできる。
つづく