2007年08月19日

ワープする宇宙 資料

まだ読み終ってないが、いろいろ資料を探してみた。

■リサ・ランドール

まず、この人が日本で紹介されたのは「未来への提言」というNHK BSの番組。「未来への提言」の第二回目として、2006年5月21日に放送された。再放送もあったらしい。宇宙飛行士の若田光一さんがインタビュアー。(未見)

・番組情報
「未来への提言」理論物理学者 リサ・ランドール〜異次元を語る〜 - NHK情報ネットワーク

この番組を元に本にしたのが、日本放送出版協会「リサ・ランドール異次元は存在する (NHK未来への提言) 」。内容は、ランドールさんと若田さんの対談集。場所はハーバード大学の研究室。本にはその番組の場面と思われる写真や、説明のために使われただろうCGなどが白黒で載っている。

「ワープする宇宙」に比べたらそんなに難しいことは書いてないみたい。まだぱらぱらとめくった程度だけど、気になったのは、彼女が教授からもらった助言の「成功したければ質問しなさい」という言葉。理論の説明もあるけれど、彼女自身のことも話題になっている。そしてこの番組のテーマである、21世紀の道しるべを示してくれる。



リサ・ランドール異次元は存在する (NHK未来への提言)



リサ・ランドールさんは今年7月に来日していた。その模様は来週NHKで放送される予定。

・番組情報
NHK BS1 2007年 8月25日(土)午後10:10〜午後11:00(50分)
BS特集「リサ・ランドール 異次元への招待」 - NHK番組表』

このとき、茂木健一郎さんとの対談もあったようで、茂木健一郎「クオリア日記」で紹介されている。

2007/07/29 ボクがもし地球だったら - 茂木健一郎「クオリア日記」

そして、茂木さんによる書評:
『ワープする宇宙』 隠れた次元、率直に追究 - 読売新聞

そういうわけで、BS1で放送がある8月25日までには「ワープする宇宙」を読み終えたいな。


■エレガントな宇宙

「ワープする宇宙」を読みながら思い出したのが、以前NHK-BS2でやっていたひも理論を解説したアメリカ制作のとてもおもしろい科学番組。
名前を思い出せなかったがいろいろ調べてやっとわかった。

「美しき大宇宙〜統一理論への道〜」

これはこの番組で案内役で出ているグリーン教授が書いた本「エレガントな宇宙」を元にした番組で、全三話。

僕は二話目の途中から見た。とにかく閉じたひもが始終飛び交ってた。CGを多用していろんな理論を視覚的に見せてくれた。

案内役は役者かと思ったら、グリーンさん本人だった。つい最近も再放送がされたらしい。

内容はひも理論がどのようにして成立していったかというもの。「ワープする宇宙」の理解に助けが必要な人や、ひも理論そのものに興味を持った人はどうぞ。

NHK BS世界のドキュメンタリー バックナンバー
美しき大宇宙 〜統一理論への道〜 第1回 アインシュタインの見果てぬ夢
美しき大宇宙 〜統一理論への道〜 第2回 “ひも”の振動が万物をうむ
美しき大宇宙 〜統一理論への道〜 最終回 驚異の高次元空間

既にDVDになっている。そしてその元になった本。


美しき大宇宙~統一理論への道~


エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する


この分野の読み物は他にもいろいろあるようだけれど、中身が分からないので、ここでは紹介しない。(本やビデオのリンクを貼り付けるときの基本姿勢)


■教科書

「ワープする宇宙」はまだ読み終えていないのだけど、この数式を使わないというのもちょっともどかしさも感じている。そこで日本語で書かれたこの理論についての書かれた本がないか調べてみた。すると次の本を見つけた。専門向けの本。

大槻義彦編「現代物理最前線5」共立出版 2001
この本には、三つの論文が載っていて、その中のある「四次元を超える時空と素粒子」というのが、「ワープする宇宙」で描こうとしている同じ内容のものだと思われる。断定できないのはまだ読み上げていないから。

目次だけを抜き出すと、
『四次元を超える時空と素粒子』・・・・・坂東 昌子・中野 博章
1章 はじめに
1.1 物理学と空間の次元
1.2 スケールの話
1.3 本当に時空は四次元か?
2章 ゲージ原理―力の法則と空間の次元
2.1 力の起源とゲージ粒子
2.2 高次元における力の法則
2.3 多様な力の法則
3章 コンパクト化された余次元空間
3.1 空間のコンパクト化とKKモード
3.2 余次元からの多様な場
3.3 KKモードと有効理論
4章 素粒子の左右非対称性と余次元
4.1 四次元のカイラル構造
4.2 高次元理論はカイラルでない?
4.3 カイラル非対称性を作る
5章 ブレイン世界
5.1 弦理論と時空のコンパクト化
5.2 非摂動的な弦理論とDブレイン
5.3 ブレインワールド
6章 ドメイン壁と物質場の局在化
6.1 キンク解とドメイン壁
6.2 カイラルな物質場の局在化
6.3 オビフォルド空間上でのフェルミ場の局在化
7章 重力場の局在化
7.1 ランドール−サンドラム模型
7.2 ランドール−サンドラムの五次元時空
7.3 重力場の局在化 ― ゼロモード
7.4 重力場の局在化 ― KKモード
8章 おわりに


僕にはすぐにさらさらとここに書かれている式を理解できないのだけど、読み終わったらこちらにも挑戦してみようと思っている。


出版社のシリーズ案内ページ
共立出版株式会社 刊行中のシリーズ「現代物理最前線」



現代物理最前線〈5〉




■英語の資料

原書のページ
Warped Passages by Lisa Randall
原書の歪んだ表紙のほうが好きだ。


Lisa Randallのこの本「Warped passages」についてのインタビュー(英語)
Charlie Rose - Lisa Randall / Edward O. Wilson
内容はインタビュー番組 Charlie Rose's show。後半の人物は生物学者のエドワード.O.ウィルソン。


最後に。リサ・ランドールさんがケンブリッジで講演したときの映像。下記ページのVideoのところ。
Unification in warped extra dimensions and bulk holography
これは本書p182で出てきたケンブリッジでのひも理論会議の中での講演だと思われる。

せっかく見つけたけど、僕には駄目だ。英語での物理の講義が理解できる人はどうぞ。


posted by takayan at 02:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | ワープする宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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