29日零時、ドォーモで、26日行われた長野の聖火リレー特集をやっていた。運良く冒頭から見ることができた。ドォーモはいつも運良く見る番組だ。
レポーターは、かよさん。
決して一方的ではなくチベット側、中国側、長野市民の立場を、遠い福岡から訪ねたリポーターの視点でしっかり取材していた。今回のリレーを批判した番組というより、この違和感に対する判断を視聴者にゆだねるものだった。それでも取材中に遭遇した中国人達の、今までの報道では分からなかった行動もちゃんと伝えていた。この件についての番組の中では一番よかった。淡々としていて、過激さだけを表に出して伝えていないのもよかった。普段は典型的なバラエティ番組だけど、いつもの騒がしいリポートではなく、ちゃんと伝えていた。それでも騒然とした現場での緊迫感はちゃんと伝わってきた。
番組では、聖火リレー前日昼間からの既にぴりぴりしてきた街の雰囲気から始まり、警察、マスコミの準備の様子を伝えた後、夜リポーターのかよさんと合流し、長野市民へのインタービューや夜中の準備を伝える。そしていよいよ聖火リレー当日となる。早朝からの長野市の様子を現地の人のインタビューを交えながら伝えていく。リポーターと同行するカメラの映像を中心に、全体の動きは長野朝日などから映像を使ってまとめていた。終わりに遠く離れた福岡での市民の声、番組を見た人の感想を紹介した。
他のテレビの報道では妨害行動だけが繰り返し流されて、チベット支援者は暴力的な印象を受けてしまう。しかし、この番組では大多数の平和的な行動を取っているチベット支援者の様子もちゃんと取材していた。中国人がいくつもの大きな赤い旗で取り囲んで、チベットの旗を覆い隠そうとする様子もしっかりと伝えていた。中国人がトランシーバで連絡を取り合って組織的に動いていたのも分かった。ランナーの有森さんが合掌してダライラマさんのするような仏教式の挨拶をする姿もあった。この人の行動はもっと中央の放送局も取り上げてよかったはずなのに。
ドォーモはよくやったと思う。地方であっても放送局が伝えられる限界まで伝えていると思う。ちゃんと中立的に伝えているし、現場の人々の不満もどちらに批判的かは具体的にはっきりとはさせていない。これで十分だと思う。間違ってはいけないのは、これは中国人の横暴を告発する番組ではなく、長野にやってきた小さな取材陣が目にした聖火リレーの一側面を伝えた番組にすぎないということだ。そこにいたそれぞれの立場の人の主張をもきちんと伝えようとしている。そこから何を感じ取るか、それは人それぞれである。最後の感想のコーナーも含めて成り立っている番組だ。それにしても、中央の放送局は仕事をやっていない。報道の原則である中立的な報道すら放棄しているように思う。
これはよい番組だから、きっと誰かがアップしているはずだと思ったら、やっぱりYoutubeにUPしてくれている人がいた。
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こちらは、番組冒頭も含まれている方。六分割されている。
“ドォーモ長野聖火リレー密着”の検索結果
こちらはよく見られている方。最初の10分ぐらい、スタジオでの挨拶や前日昼間の様子の部分はない。四つに分割されている。