「ゲゲゲの女房」は面白いです。「ちりとてちん」以降も、「瞳」、「だんだん」、「つばさ」、「ウェルかめ」は欠かさず見てはいたんですが、ずっと物足りなく思っていました。そういうところで、この物語です。ノスタルジーは面白い朝ドラの重要な要素かもしれませんね。例外はいくつもあるんですけどね。できれば、このドラマの関連で「のんのんばあとオレ」も是非とも再放送して欲しいです。
それにしても「ゲゲゲの女房」で残念なのは、テーマ曲です。「いきものがかり」の元気のよさは嫌いじゃないんですが、朝っぱらからの出だしのあの大声がつらいです。そして、朝ドラの後の落ち着いたニュースが、どれだけドラマの余韻を心地よく受け止めてくれていたのか、その存在の重要さを思い知らされます。
「龍馬伝」はやっぱりいいです。始まったときも面白かったけれど、第2部になってからもますます面白いです。今までの作品とは違いすぎるコントのような勝海舟との絡みも、この生き生きとした楽しさがいいです。丁寧に描かれている人斬り以蔵の心の動きも、以蔵は心情を言葉でそんなに吐露しているわけでもないのに、なかなかの演技で悲しいまでに伝わってきます。必要以上に平和主義者に描かれている龍馬の対極の存在としての、好戦的な武市半平太の対比のさせ方とかも、なんだか度が過ぎるほど貶めているんですが、それはそれで面白いし、そして何よりもトルコ行進曲風のテーマ曲とともに現れる岩崎弥太郎は、いまだに汚らしくて見苦しい姿をしているのに、姿を見ただけでなんだかほっとしてしまいます。その他の登場人物も大河らしく豪華な俳優陣で見ごたえがあります。
「八日目の蝉」。これはすごくいいです。見る前は犯罪者を主人公にするドラマを作るなんてと、NHKも最近冒険しすぎだなと思っていたんですが、見てしまうともう駄目ですね。檀れいさんの演じている希和子と娘の薫は、確実にいずれ仲を裂かれてしまう展開がくるのは分かっているのに、見ているうちに、そんな時が永遠に来ないように祈ってしまう。この女はこの子を絶対に不幸にしているのに、ここまでくるともう理屈じゃないんですよ、見ているうちに共犯者にさせられているというか、この二人を本当の親子にしてあげたいとさえ思ってしまう。けれどやがて希和子は罪を償わなければならない。その結末があるからこそ、このドラマは成立しているんだと思う。もちろん、紛れもなく希和子を檀れいさんが演じているからこそ、この人を助けてやりたいと思ってしまうんですけどね。エンディングテーマもいいです。この曲は夏川りみで聞いたことがあるんですが、それとは違い、このドラマにあった悲しい旋律で、この曲がいっそう切ない希和子の気持ちを代弁してくれます。歌っていたのは去年「みんなのうた」で「あさな ゆうな」を歌っていた城 南海さんだったんですね。この人の歌声は好きです。気づかなかったくせに。
脚本は浅野妙子。純情きらりというタイトルで、冬吾との危うい三角関係を描きこんでしまう脚本家ですからね。こういう女性のぎりぎりの感情は得意分野なんでしょう。明日、いよいよ最終回、NHKには珍しく放送時間拡大。
まだいろいろ見てるんですが、日付が変わりそうなので、とりあえず、今日はここまで。