2010年10月04日

プライミーバル第3章 第10話 最終回「サイト333」

とうとう第3章が終わってしまった。
この回でシリーズ打ち切りだって言われてから、この最終回を見たイギリスの人たちはどれだけ嘆いたことだろう。幸運なことに僕たちは第4章が確実にあることを知っている。NHKがちゃんと放送してくれるか、まだはっきりしていないけれど。

このドラマに慣れてしまったので、第1章ラストほどの衝撃ではなかったけれど、今回のクリフハンガーもなかなか続きが気になる、とてもいい終わり方だった。コナーとアビーはラプトルのいる世界から無事戻ってこられるのだろうか。ダニーのほうは周りに恐竜はいないかもしれないけれど、やっぱり深刻な状況には変わりないし、サラのいい考えっていうのはなんなんだろう。それにしても、ほんとうに続編が決まって、よかった。よかった。

英語のWikipediaには、既に第4章の撮影は終わり来年1月から放送されると書いてある。その続きの第5章は2011年内には放送されるようだ。第3章はイギリスで2009年の3月に始まったのに、NHK版は2010年の7月に始まったわけだから、かなり気長に待たなくてはいけないだろう。できる限り最短で放送してくれと頼むしかない。


僕自身は先日のBShiの第3章の一挙放送も見てるし、イギリス版のオリジナルDVDも買ったので、また見ていない人にネタバレをしてしまうのは申し訳ないと思って、今まで書いてこなかった。やっと第3章の全体の感想が書ける。ほんとは先週の分も書くつもりでいたのに、時間がなくて書けなかったので、その分今回は少し長めに書いてみる。


第3章を通じて、一番わからないのがヘレンの真意だった。自分の夫を殺すのはそれなりの強い理由があったのだろうけど、それほど大きなことをしても、現実は何も改善されてないように思えるのはなんでだろう。そして最終回の人類をなかったことにする計画。もう、この人おかしくなってるとしか思えなくなる。第1章からおかしかったんだけど、もう行くところまで行ってしまってる。第3話の冒頭でクローンに自殺をさせる場面があるけれど、このシーンはヘレンが完全に壊れていることを強調するためのものだと思う。いくら死を恐れないクローンだろうと、それはクローン本人たちの問題で、まともな心を持つ人間には人と同じ姿をしたものに死を命じることなどできないだろう。それをやすやすとやってしまうヘレンは、クローンだけでなく人の命に関するまともな倫理観が欠如してしまったと考えていいと思う。

ただニック・カッターが、世界の破滅を招いてしまうというのは、あながち間違ってはいなかったのではないかと思う。ちぎって捨てたはずのクローディア・ブラウンの写真を、いつのまにかまた戻ってきて拾ってテープで張り合わせ大切にしまっていることからも、ニックのクローディアへの未練は相当なものだと分かる。この思いが世界を勝手に変えてはならないというニックの心に悪魔のささやきをしてしまうかもしれない。あの亀裂の地図が完成して自由に過去や未来に行き来できるようになったら、ニックにはクローディアを取り戻す誘惑に抗しきれただろうか。それが世界の破滅をもたらしてしまうはずだったのかもしれない。ヘレンはその未来を見てしまったのかもしれない。あの写真を見てからだと、地図を作ろうとしていたのは、もしかすると密かなその思いが原動力だったのかもしれないと思ってしまう。

ようやくヘレンは死んだ。ダニーは言葉としてはっきり言わなかったが、そう考えていいだろう。しかしそれはヘレンの時間軸においてサイト333で結末を迎えたという一つの事実に過ぎない。まだ死ぬ前のヘレンがみんなの前に現れる可能性だって残っている。でもやっぱりそこまではしないだろう。訳が分からなくなるだろう。

あの物体はいったいなんだろう。英語だと、the artifact。今回の物語はこれを中心に話が進んだ。以前内部の映像が出てきたけれど、中にコンパクトにされた亀裂が入っているようにみえた。ということは、これは亀裂を閉じ込めているということだろうか。第3章の第1話に出てきた古代エジプトの構造物と同じ機能で、亀裂を封じ込めているということだろうか。あれには算用数字が使われていたから、古代に作られたものではないだろう。カッター教授の研究の結果としてセンター(ARC)で将来出来たのかもしれないし、別の誰かが作ったものを解析してセンターで使えるようにしたものかもしれない。続きではここをきちんと謎解きしてほしい。

今回のサイト333での人類の祖先の毒殺は、歴史通りなのか。ラプトルとヘレンの化石も現代に残ってしまうかもしれないが、野ざらしの死体は化石にならず、うまい具合に水没した13体の死体だけが化石になったとも考えられる。この事件は歴史通りとも、そうでないともいうことができる。もし、この虐殺が歴史通りの事件でなければ、人類の絶滅がなかったにしても未来の歴史に多少なりとも影響が出てしまうだろう。3人が無事現代に戻ってこれたとしても、その世界がいままでと同じじゃないかもしれない。ヘレンがやったことでなくても、3人が戻る過程でも現代に影響を与える出来事が起きるかもしれないし。そう思うと第4章の内容は正直ドキドキする。ロケ地がイギリスではなく、経済的な理由でアイルランドに変わったことを、なんらかの歴史改変が起こったからという設定にしないか心配になる。やろうと思えば、何でもありの設定だから、第4章がどうなるか全然予想できない。楽しみでもあるし、不安でもある。


英語のDVDを先に見ていると、NHK版でカットされてしまうとどうしても気になってしまう。今回も三カ所カットされていた。そういうわけで、イギリス版の各話の長さを調べてみた。

01. 43:37
02. 46:08
03. 46:29
04. 45:43
05. 46:09
06. 45:43
07. 44:08
08. 42:58
09. 42:33
10. 43:54

なお、イギリス版DVDに収められている話では、NHK版の冒頭のガッシャーンと時空が割れるタイトル映像はなく即アバンが始まる。また次回予告もない。NHKの放送のラストに映るメインキャストの静止画のかわりに、イギリス版DVDはエンディングのスタッフロールの後に数秒間、制作会社のImpossible Picturesのロゴが映る。スタッフロールも同じ音楽を使っているが長さも多少違う。そういう違いがある。

前回の次回予告はいつもと違ってエンディングのスタッフロールとは別々になっていたのはそういうわけで、イギリスのオリジナルバージョンが日本の放送時間よりも短かったからだ。NHKが放送している長さは常に43:00で、今回はそれに30秒ほど足りなかった。逆を言うと、時間に収まらない回は残念なことにどこか必ずカットされている。

NHKでは海外ドラマの時間調整はいつものことだけど、こういう慣習はやめてもらいたい。


◆関連リンク

primeval - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Primeval
出演者の欄を見ると、誰が出るのかもう書いてある。新キャラの名前もある。確実に出ないことになった人の名前も書いてある。そしてやっとHDで撮影されたことも分かる。

primeval - imdb
http://www.imdb.com/title/tt0808096/fullcredits
イギリスの俳優の情報は、Wikipediaよりはこちらのほうが詳しい。

サイト333についての en.Wikipedia の記事。
http://en.wikipedia.org/wiki/AL_333
しっかりプライミーバルで出てきたことも追加されている。


posted by takayan at 00:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | プライミーバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする