2012年になりました。
今年が良い年になりますように。
さて、元日は甥っ子たちと久しぶりにボードゲームをして遊びました。遊んだのは Dixit(ディクシット)。去年、Amazon.deで絵画関連の資料をいろいろ購入したとき、これが2010年のドイツゲーム大賞を取ったというので、ついでに注文したものです。評判通りとても面白いゲームでした。
小学生もいましたが、すぐにルールを覚えてくれました。箱には八歳以上と書いてあります。たいていのゲームは年齢が高いほうが極端に有利になってしまいますが、このゲームは大人も子どもも幅広い年齢層で一緒に楽しめます。
面白かったので、ルールの紹介をしてみます。
これは、84枚の幻想的な絵の描かれたカードを使い、それぞれについての「言葉」を考えていくゲームです。
84枚をよく混ぜて、一人に6枚ずつカードを裏向きに配ります。プレイヤーはそれぞれ6色の中から自分の色を決めてもらって、その色の点数を数えるためのウサギの駒と、同じ色の投票用の数字の書かれた票も配ります。残りのカードは裏返して山札として場に置きます。それぞれのウサギを点数ボードの0点の場所に並べて、準備完了です。そして一人が語り部(親)になり、以下のターンが繰り返されます。
ターンの最初で、語り部となった者が自分の手札の中の一枚を決めて、そのカードについての言葉を考えます。このときの言葉は、声にすることができればなんでもよく、単語でも文章でも、擬音でもいいです。その言葉を言いながら、他の誰にも内容を見られないように裏返してそのカードを場に出します。
他のプレイヤーも、その言葉を聞いて、自分の手札の中から一枚のカードを決め、そのカードを内容を見られないように場に出します。全員が出し終わったら、語り部が全部のカードを受け取って、順番が分からないように混ぜて、場に表にして並べます。並べられた順にカードは番号で呼ばれます。
そして、語り部以外のプレイヤーが、並べられたカードの中から語り部の出したカードがどれか投票して当てるわけです。これがこのゲームの中心です。票は裏にして目の前に置き、みんなが出し終わったら表にし明らかにして、その絵の上にのせます。もちろんこのとき自分自身が出したカードに投票することはできません。
単純に考えると、他のプレイヤーが語り部の言った言葉とかけ離れたイメージのカードを出せば、語り部のカードを当てやすくなってきます。語り部も分かりにくい言葉を言えばいいことになります。しかし、点数の付け方で、そう簡単にならないようになっています。
つまり、こうです。語り部のカードが当てられたとき、語り部自身と当てた人に3点入ります。これが語り部は当ててもらおう、そして残りのプレイヤーはそれを当てようとする動機付けになります。しかし条件があって、全員が当ててしまうと、語り部には点数が入ってきません。また誰も当ててくれなかったときも点数が入ってきません。そして、そういうときは逆に他のプレイヤー全員に2点入ってしまいます。そのため、語り部は難しくもなく、かといって易し過ぎもしない、ほどよく分かりやすい言葉を言わなければいけなくなります。語り部以外のプレイヤーも、それほど語り部の言葉と、かけ離れたカードを出さない方が有利となる配点になっています。自分のカードが語り部のカードと間違われたときは、自分のカードへの投票数がそのまま自分の点数になるからです。
そうやってカードを出し、投票をした後、語り部の答えを聞いて、点数ボードの各自のウサギを動かします。それから各自カードを6枚になるように1枚補充して、左隣に親を交代して、ターン終わりです。新しい語り部がこれを繰り返します。山札の最後の一枚が引かれたときに一番点数の多い人が勝者になります。
言葉だけで説明すると小難しく聞こえますが、配点のルールや理屈は実際に数ターンやってみるとすぐに覚えます。普通ゲームは勝つための戦略を考えるものですが、これは絵と、それを見た人の気持ちを考えることが中心になります。正直、人の感性は面白いと感じます。
小さい子だとストレートな言葉しか思いつかないかもしれないけれど、選ぶ言葉がシンプルなだけに他のカードにも共通する言葉になっていることも多く、意外に当てにくいです。分かりやすいときでもたいてい誰かが間違えてくれます。感性が人それぞれ違うことを利用したゲームなので、うまくできています。ゲームが終わっても、勝った負けたでギスギスすることはなく、みんなで楽しいひとときを過ごせたといういい印象が残ります。
そのあと、「ハゲタカのえじき」で気分転換をした後、以前から評判が良くて、みんな時間があれば是非やりたいと言っていた「カタンの開拓者」をしました。これもやっぱり必携の名作です。ちなみに10年前のカプコン版カタンです。でもこれは、高校生と小学生が同じテーブルで勝負すると、どうしても差が出てしまい、終わった後、これが一番好きなゲームだと言ってくれていた姪っ子がご機嫌斜めになってしまいました。
Dixit には続編があって、さらに84枚の絵を追加して遊べるDixit 2や、12人でも遊べるようにする Dixit Odyssey もあります。来年はこれを用意しておこうかな。
公式サイト:
http://www.libellud.com/en/games/presentation/dixit.html
ダウンロードページにはフランス語、英語、ドイツ語の公式ルール(箱に入っているのと同じもの)や印刷用の得点ボードの画像(折りたためるので旅行に便利)、そして壁紙があります。