久しぶりの投稿になります。去年作ったbrlinputというソフトを更新しました。点字タイピングで文字入力ができるソフトです。興味のある方は使ってみてください。特徴としては片手入力ができることです。対象はWindowsVISTA以降です。お約束ですが、自己責任でご利用ください。
次のリンクからダウンロードできます。
(md5:2c7dc75dba9bdc322cd0172b09f45c4f)
ZIPファイル版: [brlinput1.17.zip](https://app.box.com/s/2bbfb5z2et7cxxoz5pwwv60um0cirmkh)
(md5:59957d780c2a41e22df4ffd779f69bd9)
不具合の指摘をコメント欄でいただいてから開発を再開したのですが、次々に別の不具合に気づいたり、新しいアイデアが浮かんだり、なかなか公開できませんでした。
件の「最初に入力した文字がそのまま出てくる」不具合は、キー入力になってはじめて必要になるアセンブリ(dll)をロードする処理の重さが原因のようでした。もしかすると他にも理由があるかもしれませんが、とりあえず自宅の処理の遅い仮想マシーンのWindowsではこの問題は起きなくなりました。
基本的な使い方は以前書いたので端折ります。「点字タイプソフト作ってみました。(2014/04/15)」をご覧ください。これには古い情報がいくつもありますが、以下の情報で読み替えてください。
主な変更点は次の通りです。
* NVDAのAPIに対応し、入力文字の読み上げやガイドをNVDAで行えるようにしました(nvdaControllerClient32.dll同梱)。
* PC-TalkerのAPIにも対応しました(ただしVISTAでの仮名の読み上げには対応していません。漢字変換を利用してください)。
* かな入力モードおよび六点入力モードで、4-5-6-7の点を入力すると、このソフトのメニューが開くようにしました。従来の方法、タスクトレイのアイコンでアプリケーションキー、もしくは「点字(状態)バー」で右クリック、でも開きます。
* 設定画面を作りました。メニューの中の「設定」で開きます。設定された内容はレジストリを使わず、config.jsonに書き出されます。インストーラを使ってこのソフトを導入した場合は、ユーザーフォルダのAppData\Roaming\brlinput内に作られます。ZIP版を使って導入した場合は、brlinput.exeと同じ場所に作られます。
* SAPI5やMicrosoft Speech Platformの音声を選べるようにしました。もちろんあらかじめパソコンに日本語音声合成が入っている必要があります。
* 情報処理用点字に切り替えられるようにしました。切り替えの方法や入力は点字表記の情報処理用点字と同じです。
* 入力モード切り替えのショートカットキー(標準はALT+CTRL+変換キー)を設定画面で変更できるようにしました。
* カタカナを直接入力できるようにしました。「2-3の点」もしくは「2-3-5の点」でカタカナ開始、「2-3の点」でカタカナ終了です。
* カタカナ切り替えに利用したため、「ゐ」と「ゑ」は本来の点字入力ができなくなりました。かわりに、4-6の点を前置符号として、それぞれその後に「い(1-2の点)」、「え(1-2-4の点)」で入力します。これは漢点字の方式からの借用です。
* ユニコード点字は点字そのものをテキストとして表示するものですが、それを行う六点直接入力、八点直接入力で、点字を読み上げる機能を加えました。設定画面で指定できます。なおユニコード点字そのものを入力するには、フォントSegoe UI Symbolなどが入っている必要があります。
* 点字確認キーを追加しました。これは点字入力を学習する人向けの機能です。Hキーでクリップボードの1文字の点字を表示し、読み上げます。Gキーではクリップボードの読み上げる位置を移動させながら、確認できます。
* 点字入力の状態を表示する「点字状態バー」を入力位置に追従できるようにしました。点字学習者やロービジョンの方の確認用です。
* デスクトップやスタートメニューへのショートカットを作成・削除できるようにしました。メニュー内の「ショートカット作成」から行います。ここではウィンドウズ起動時の自動起動の設定も行えます。
* 点字状態バーに表示される点字を画像として描くようにしたので、ユニコード点字フォントがないパソコンでも表示されるようになりました。この点字は文字色と同じ色で描かれます。ハイコントラスト(左shift+左alt+PrintScreenで切り替え)の時も同様です。また六点漢字(現在未対応)の対応を見越して4マス表示できるようにしています。
次はメニューです。仮名入力の時、4-5-6の点とスペースを押して、手を離すと開きます。このソフトの仕様ですが、7の点としてのスペースや点字と組み合わせたコマンドのスペースの押下のタイミングは単独のスペースと区別するために、点字のキーを押さえた後に押します。
この方法でメニューが出ないときは、タスクトレイのアイコンから開いてください(Windows+Bのあと、矢印キーでアイコンに移動後、アプリケーションキーです)。
次は設定ウィンドウです。上記メニューの設定項目を選んでエンター(クリック)で開きます。特に説明はいらないと思いますが、フォネティック読みは「朝日のア、いろはのイ、上野のウ....」といった例の読み方で、音声合成が聞き取りにくいときに使います。
最後に、このソフトは入力情報の記録をとることはありません。また外部に情報を送信する機能はありません。