独自展開になって、あと残り二話でどう終わらせるのか、楽しみ。
以下、疑問とかいろいろ。
ここまで、以前のドラマとストーリーや設定を変えてきたら、ラストも変えてくるんだろうか。昔だったら迫害されるマイノリティの悲哀を描いてもドラマとして成立したけれど、今は時代的に、未知能力を持ったマイノリティでも幸せに生きられる世界を描いてみせる、とかになってしまわないだろうか。
恒介の予知は変えられない。彼自身それは分かっている。それでも自分の予知した未来の悲劇を変えようと恒介は走り続ける。ドラマの最初の方から、視聴者に印象づけられたこの伏線はラストではどのように展開するのだろうか。終盤にきっとあるだろう最後の不幸な予知を恒介は自身の力で変えることができるのだろうか。そして行動によって七瀬への深い愛を表現してこそ恒夫(恒介)なんだけれど、今回はそこまでのドラマができるだろうか。
それにしても、七瀬が心を読まないという態度は、原作や多岐川版ドラマに親しんだ人間にとって違和感がありまくる。蓮佛七瀬は、能力を手に入れたばかりで慣れていない、能力に否定的であり、無くしたいとさえ思っている、心の扉を閉める方法を獲得してしまっている(酒に酔ってても自制できるくらい)、父のことで心が不安定である、さらにAT能力者だと知って自分の力を悪魔の力だとさえ思っている、そんないろいろな理由で、今回の七瀬は悩める七瀬となってしまって、そのために能力を積極的に使っていない。今までの作品の七瀬らしくなくて肩すかしをくらってしまう。飲み会で相手の心を読まないようにしてしまったために男の下心を見抜けない七瀬。そういう絶体絶命の窮地に追い詰められたからこそ、新しい能力を発揮できたのだけれど、七瀬にこの展開はちょっとない。昔の作品の七瀬ならばどんなときだって、ここは心を読むべき所だってところでちゃんと相手の心を読んでいるのが当たり前なので、見てて今の態度がもどかしくてしょうがない。
相手の心の声が響いていない描写のときは、七瀬は心を読んでいない。これがお約束。佐倉に対して父を殺したのはあなたと問い質したときも、七瀬は力によって分かったのではなく会話からの推察だけで判断しているようにみえる。七瀬が佐倉の心を覗こうとした態度も見られないし、おそらく自分の力に怯えて力を使おうという意志すらなくなっている。
終盤なので、謎の団体パクス・シエンティアの実像があきらかになるだろう。敵の能力者は活躍するのだろうか。ただ未知能力を悪用するために集められた被害者として扱われるのか。少しでいいから超能力バトルが見たいな。パクス・シエンティアに入ったナルセとユリコの二人の能力は何なのだろう。てこずるような能力者なのか。まあ、ここまで伏線がないのだから、取るに足りないものじゃないとルール違反だろう。父に会いに行く前の頃マジックバーに七瀬が一人いると、ユリコが恒介を訪ねてきた。この目的はなんだったのだろう。ただの勧誘か?だから次回の展開になるのか?彼女の能力は何なのだろう。彼女がテレパスなら、ボーッと父に会いに行くことばかり考えてた七瀬はあのとき心を読まれてるぞ。それと主婦になってるテレパスのサヤカや、あのテレキネシスが使えたけれど今は使えないと言っていたタケシはもう話に関わらないのだろうか。彼らにもパクス・シエンティアへの勧誘に誰かが来てるだろうに。そして、もう一人の予知能力者ユウジは自分たちの組織の未来について何も予知はしていないのだろうか。
それはそうとボーッとしている七瀬で思い出したけれど、父の生存を知った後、心ここにあらずの七瀬の心をアキラが読んでいたとき、アキラは七瀬の心が全開という言葉を使っていた。これって逆に言うと七瀬が人の心が自分の中に入り込んでこないように心を閉ざしているときは、アキラからも心を読みにくい状態になっていることなのか。心が全開なのに他人の心が入り込んでこない状況はありえるのか。そういう設定にして問題ないのか。
それにしても、後残り二話で収まりきれるのか。まあ、AT能力者の七瀬が本気になれば、無敵ですから、残り二話でもなんとかなるだろう。でも本気になれるかですよ。瑠璃が撃たれて、次回予告では七瀬の怒りの矛先は敵ではなく恒介に向かっているような描写だったし、終盤なのにそんな状態でどうするんだ。遅くとも次回が終わるまでには七瀬が自分の能力や運命を引き受けて本気にならないと、まとまらないんじゃないだろうか。
ここまで七瀬が能力を使わないせいでストレスを与えてきたのだから、最終話は父が残してくれたものを受け取った七瀬が自分の能力を小気味よく駆使して敵組織壊滅という爽快な展開を切に望む。とはいっても、父の最期で銃を向けたのは佐倉でも、実はお父さんは自殺なわけで、本気の七瀬に仇討ちされる展開だと佐倉もいい迷惑だろうな。残り二回でどうなるんだろう。そして物語のラストはどうなるんだろう。