2011年05月01日

Ubuntu 11.04 でも 日本語 GNOME Orca を実験

注意:
このプログラムは実験的なものです。自己責任でお使いください。
動作が確認できたのは Ubuntu11.04 です。
それ以後では動作しません。インストールしないでください。
2011.10.18


《春》については一段落ついたと思うので、今度はプログラミング。

Ubuntu が11.04になった。どうなのか調べるため、新規にインストールしたものと、10.10をアップグレードしたもの、2つを使ってみている。GNOME3になるよりはよかったのではないかと思う。でも慣れるのがちょっと大変だ。身体で覚えてしまっている方法ができないので、ストレスを感じる。特にとっさにやってしまう日本語入力中にF10で半角英数にできないのがつらい。

さっそく、Ubuntu 11.04でも 日本語化した スクリーンリーダ GNOME Orca が使えるか試してみた。なお現在日本語化できているのは、orca-2.31.90 で最新の系列に追いついていない。このUbuntu 11.04で標準で利用可能なパッケージも既に3.0.0になっているので、なるべくはやく3.0系列にしようと思っている。

とりあえず、現状の2.31.90版の日本語ができるか試してみた。一応動いている。Ubuntuの新規インストールした機体でも、10.10からバージョンアップした機体でもどちらでも動いている。ただOrcaの終了ボタンを押すとOrcaが固まって終了できないことが何回かに一回起きる。そういうときはOrcaを強制終了させないといけなくなる。まだ原因は分からない。

 

■ Unityのキーボード操作

新しいUbuntuのユーザインターフェイスのUnityではキーボードのみでの操作もいろいろ用意されている。それぞれのアプリのスクリーンリーダ対応次第だが、これを駆使すれば音声ガイドとキーボード操作である程度Ubuntuが操作できる。主な操作として次のものがある。詳しくは次のリンク先に書いてある。
Unityのショートカット一覧

F10 … ウィンドウのメニュー操作への切り替え。このとき左に矢印キー1回で、セッションメニューが開く。ただし、動作中のアプリが上部のメニューバーにメニューを出さないタイプでは、左には行けないので、セッションメニューを開くには右矢印キーを数回押して移動する。

CTRL+ALT+DEL … コンピュータをシャットダウンするウィンドウが開く。シャットダウンや再起動を選んでエンターを押す。何も選ばなくても、60秒後にシャットダウンする。

ALT+F2 … コマンド入力ウィンドウの呼び出し。入力してエンターで実行。キー入力するごとに候補が絞られていくが、下矢印キーでその候補リストに移動できるが、リストは何も読み上げてくれない。

ALT+F1 … ランチャーリスト上に移動。上下矢印キーでランチャーに登録されているアイコンを移動できる。このときアプリが起動中ならば、右矢印キーでアプリの操作メニューが出てくるが、上下矢印キーで動いても読み上げない。

SUPER+数字 … ランチャーに登録されているアプリの起動。起動しているときは、そのアプリをアクティブにする。

SUPER+SHIFT+数字 … ランチャーに登録されているアプリの新規起動。

ALT+Tab … 起動しているタスクの切り替え。ALTを押さえたまま、Tabを叩くことで、タスクを一つ右に動く。ただし移動中はタスク名を読み上げない。

CTRL+ALT+矢印キー … ワークスペースの移動。ただし現在どのワークスペースかは音声で読み上げない。

SHIFT+CTRL+ALT+矢印キー … 現在アクティブなウィンドウをワークスペースに移動。ただし現在どのワークスペースかは音声で読み上げない。

SUPER+S … ワークスペースの一覧を表示する。矢印キーで各ワークスペースを選び、エンターで選択できる。ただしワークスペースの名前を読み上げない。

SUPER+W … すべてのワークスペースのすべてのウィンドウを表示する。矢印キーで各ウィンドウを選択し、エンターで開くことができる。ただし音声でウィンドウの名前を読み上げない。

SHIFT+ALT+↑ … 現在のワークスペースのすべてのウィンドウを表示する。各ウィンドウを上下左右で選び、エンターで開くことができる。ただしウィンドウの名前は読み上げない。

SUPER+F … 検索ウィンドウを開く。文字入力は読み上げるが、検索結果は読み上げない。日本語入力もできない。

いろいろ便利な機能がシンプルに呼び出せるようになっているが、現在のところ音声で読み上げない機能が多いので、それらを視覚障害者が使うのは現状では難しい。日本語Orcaではまだ漢字入力の音声化がされていないが、検索ウィンドウなどでは日本語入力そのものができない。

 

■ 日本語化したGNOME Orca のインストール

最初に言っておきますが、自己責任でお使いください。現在、強制終了しないといけないことがときどき起きてしまいます。特にまだ実験中なので自力で普及できる人だけお使いください。それから、現在はまだdebファイルではなく、BASHスクリプトでインストールするようになっています。

次のZIPファイルをダウンロードし展開した後、中にある orca-jp_inst.sh に実行権限を与えて、実行します。すると、自動的に必要なファイルをダウンロードして、orca を修正してインストールします。途中で管理者権限を要求してきます。

なお、orca-jp_inst.sh でインストールされる標準音声はMBROLAを利用しています。MBROLAの非商用、非軍用利用のライセンスに同意した人のみ実行してください。

ダウンロード→ orca_jp_script-1.02.zip
MD5:72b2e1773caf5b7d445b74074f55aac3

※ 追記 2011/05/05 orca_jp_script-1.02.zip公開。対応するOpenJtalkのバージョンを1.03にしました。また関連ファイルを音声フォルダに持ってくるとmei音声も簡易的に使えるようにしました。
※ 追記 2011/05/03 申し訳ありません。利用するmbttsのバージョン番号を間違えていました。このスクリプトは1.01に置き換えます。

なお、上記のインストール操作だけでも、MBROLAで読み上げてくれるようになりますが、同梱している oj_inst.sh を実行すると、open jtalk をダウンロードして、内部で使用しているmbttsの音声としてインストールします。

また、Aquestalk2の評価版を評価したいときは、上記のスクリプトを展開したフォルダに、aqtk2-lnx-eva_210.zip をそのまま追加して、aq_inst.sh を実行すると、これを mbtts の音声としてインストールします。なお、新しいライセンスになってから製品版での動作確認はまだやっていません。

インストールが完了したら、検索画面からorcaを見つけて、実行します。初回起動のときには、初期設定のウィザードがいろいろ質問してきます。この設定は後からでも修正できます。



posted by takayan at 13:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | GNOME Orca | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック