2006年09月12日

純情きらり(140)

<内容>

水を飲む冬吾。茶の間で桜子と杏子の家族が冬吾を囲むように集まっている。冬吾は東京ではお手伝いに見張られながら笛子に絵を描かせられてる、笛子は次から次に画の注文を取ってくる、と言う。笛子と画商たちが、麻雀をしながら画ができるのを待っている様子が映る。画商たちは笛子をもちあげ、冬吾を褒めるので、笛子は、のせられていい気持ちになっている。笛子は、自分を画ができる印刷機のように思っている。笛子には絶対に教えるなと冬吾。

喫茶マルセイユ。達彦が入ってくる。マスターとても喜ぶ。本物のコーヒーがあるから飲め飲め。
達彦は椅子に座り、復員してから音楽をゆっくり聴くのは初めてだともらす。「昔を思い出す。帰ってきてから何もかもが遠くに感じている。音楽も、人の話していることも、桜子とピアノを弾いていた頃の自分も」と久しぶりのマルセイユで多弁な達彦。コーヒーをもってマスターがテーブルにやってくる。マスターは桜子が名古屋でピアノを弾くことを教え、聞きに行ったらと達彦にすすめる。
桜子が喫茶店に入ってくる。達彦がマルセイユに来ていたことに桜子は笑顔を見せる。演奏会に誘っていたとマスターが伝えると、無理に来なくてもいいよ、進駐軍もいるし、と達彦を気遣う。考えとくよと達彦は即答を避ける。

昼間の有森家の縁側で冬吾が庭を見ながら画を描いている。そこに桜子が帰ってきて、笑いながら「絵を描いてる」と言うと、「自分で好きで描くのと、せかされて描くのは違う。」と冬吾が答える。楽しいやりとり。
桜子は真剣な様子になって、達彦さんが帰ってきたと報告する。冬吾は「えがったな」と声をかける。桜子はうんと答える。一緒になるのかと冬吾が聞くと、なりたいけど分からないと答える。お互い奇妙な空気でのやりとり。
冬吾は画を描くのをやめて、近くによって親身になって桜子の話をきく。桜子はピアノを弾くことになった話をする。以前、達彦さんの前でジャズを弾いたら辞めろと言われたけれど、いつか自分のピアノで達彦の心を明るくしたいと夢を語る。[このシーンで完全に二人のわだかまりは消えたみたい。]

有森家の部屋の中。杏子と桜子。東京の磯おばさんから演奏のときに着る赤いドレスと応援の手紙が送られてきた。二人で楽しそうに服を合わせて鏡をのぞき込む。
玄関から御免下さいと男の声。二人が出ていくと冬吾を探しにきた画商だった。服が掛かっているのを見つけて絶対いるはずだと粘るが、二人で力を合わせて追い出す。冬吾の部屋に行くと、まるで子どものように冬吾さん布団をかぶって隠れていた。ここにいても足がつくなと言って、荷物を持ってどこかに行ってしまう。[いつでも逃げられるように冬吾さん荷物をまとめておいたわけね。]

三学期最後の日。校長室で桜子は校長に辞表を提出する。そして教室での子どもたちに最後の挨拶の場面。桜子はここではじめて子どもたちに辞めることを報告する。辞めないで、先生の音楽の授業は面白いのにと残念がる子どもたち。自分も別れたくないけど、先生たちが復員して戻ってくるので仕方がないと言う。同じ町にいるから遊びに来て、いつでも応援しているから、さみしいときはジャズを歌ってごらんと言う。最後に子どもたちのリクエストに応えてジャズ調の「春の小川」を弾く。子どもたちは桜子の周りを取り囲んで一緒に歌う。

演奏会当日。杏子家族にがんばってと見送られ演奏会場に向かう。会場の控え室にはいると、おお!と華やかな桜子の衣装にバンドメンバーから歓声があがる。出演時間を教えに来たアメリカ人が英語で桜子の声をかけて出て行く。日本人にやれるわけないと思っているから鼻をあかしてやろうと秋山が言う。「みんな行こうか」という秋山の声とともに、舞台を進んでいく。桜子の初舞台の瞬間が近づく。

純情きらり(141)へ つづく


posted by takayan at 12:13 | Comment(0) | TrackBack(1) | 純情きらり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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