2011年12月05日

プログラミングと神話画

プログラムを書いているブログで、どうしてボッティチェリの神話画の分析しているのかということを、ちょっと触れておきたい。どちらも知的好奇心をくすぐるからと言ってしまえば、それ以上の説明の言葉はないのだけれど、僕の中ではもっとはっきりつながっている。このブログにはあまり書かない個人的なことだけど、書いておく。

子どもの頃、僕は星座に興味を持った。小学三年の頃、母が夏休みに家の近くに来た移動図書館から、宇宙のことが好きだからと星座の本を借りてきてくれた。それがきっかけだった。そんなこと言った記憶は無かったけれど、読み出すとすぐにその本の虜になって、貸し出し期限いっぱい吸収した。父からトレーシングペーパーをもらって気をつかいながら全部のページの星座を写し取ったり、星座の名前の表を写したりした。あとから分かったことだけれど、母がその本を選んだのは、僕が赤ん坊の時、宇宙飛行士の写真にとても興味を示していたからだったそうだ。

星の名前、星座の名前、そしてギリシア神話の物語などの知識は、このときの読書が基礎になっている。アルファ星、ベータ星が、ギリシア語由来だというのも覚えたし、星座の名前がラテン語だというのも知った。同じ小学三年の頃に買ってもらった広辞苑を使っていろいろ調べた。写した星座を組み合わせて全天図ができないかと思い、定規を使って拡大縮小を編み出して悪戦苦闘もした。星座は球面にあるものなので、平面に写せないことを知るのはもっと先のことになるのだけれど、幾何や数学についての関心もこの頃芽生えた。

それから一年くらいして、天体望遠鏡を買ってもらう。月と太陽ぐらいしか見えない安いものだったけれど、それから数年僕の大切な宝物になった。微動ねじが付いていないので、木星や土星にはずっと合わせることができなかった。そのため太陽の黒点と月を観察ばかりしていた。このとき、星座早見盤と藤井旭さんの星座の本も買う。この本も何度も何度も繰り返し読んだ。アルゴ船のことや、射手座のケイロンのことはこの本に載っていた。

中学三年の頃、中野主一さんのコンピュータを使った天文計算の本と出会う。パソコンを手に入れたのは高校なので、パソコンよりもその本が先だった。パソコンを使えば現在地からの正確な天文の位置計算ができるというのが、とても魅力的だった。実際プログラムも作ることができた。しかし、そのとき、目的の動作を実現するために、物事の仕組みを分析し、それを式や論理を使って明確に記述するという作業がとても面白くなって、プログラミングそのものに没頭してしまうようになる。そして時は流れ、このブログにプログラムを書いていたりするようになる。

こんなふうに根っこは同じで、一つのきっかけから育ってきたものにすぎない。広辞苑を使っていろいろ調べていたことが、ラテン語やイタリア語の辞書に置き換わっただけだ。コンピュータを使ってきたことは、ソースを徹底的に調べたり、論理的に考えることにとても役に立っているだろう。偉い人がそう言いましたで思考停止せずに、自分で解いて納得しなければ気が済まないという態度も良かったと思う。それにしても神話の原典を自分で訳すようになるとは自分でも思ってもみないことだ。



posted by takayan at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 戯れ言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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