一方の民主党、今回の比例で民主一位で当選した人物は、自治労幹部の人だった。民主で一位で当選したからにはおそろしく多くの人がこの人の名前を書いたわけだけど、この人物の名前を書かずに比例で民主に投票した人は、どこまでこのことを理解していたのだろう(顔が分からない人は名前調べて検索どうぞ)。選挙中もささやかれていた、お灸を据えるレベルの気持ちで「反自民」という意思表示に「民主」に投票した人にとっては、きっと寝耳に水だろうと思う。いや、こんなに目立ってしようのない結果が出たのに、マスコミは安倍首相続投批判一色で、民主大勝の背景にある細かなことは気付かせてくれるひまもない。
自治労側からは、自治労批判は自民党の根拠のないバッシングということになっている。ただ安倍首相による公務員制度改革という対立点をちゃんと理解してからこの問題を考えないといけないだろう。参議院で、この自治労の応援を受けた民主が第一党になってしまったことが、この数年おこなわれてきた改革の方向性を変えてしまうのは間違いない。それが本当に国民の望むことかどうかは、その国民の立場次第と言うことだろう。当然の話だ。
それはそうと、メディアの安倍首相の続投批判はかなりなものだ。自民党内部からも批判続出だと流す。もちろん今回の自民大敗は、首相が辞めて当然の数字だ。それなのに予想に反して辞めなかった。これはこれで歴史に残る、郵政解散と並ぶ、おもしろ決断だと思う。
テレビで街頭インタビューやっていたので見てみると、不思議とメディアの叩き方ほど続投を嫌っていない。批判は多いのは当然だが、僕の見た番組では6:4とかそのくらいだった。顔を出しての発言や、該当する意見にシールを貼るという周りと見比べることができるというアンケート形式であることも影響が大きいだろう。これだと、いろいろなバランスを取りながら発言できる。もちろん民意を調べるにはサンプル数も少ない。操作も簡単に疑える。
それでもマスコミがこれだけ退陣論を繰り返し繰り返し流しているというのに、インタビューの意見を聞いていると何か平和な印象さえ覚えるから不思議だ。同じマスメディアで伝えられていることなのに、ジャーナリストがそれ以外にないと一生懸命主張している国民の意思の代弁であるはずの退陣論と、その市民たちが示した統計との乖離はなんなんだろう。今後の展開がおもしろくて目が離せない。