2008年02月16日

「あなたが世界を変える日」

本の紹介。
「あなたが世界を変える日 - 12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ」

他の本を注文しようと思ったら、おすすめ本にこれが並んでいたので注文した。そして昨日届いた。
1992年にリオデジャネイロで行われた「地球環境サミット」で、12歳の少女が、感動的なスピーチをおこなった。この12歳の少女とは、セヴァン・カリス=スズキさん。1979年生まれだから、今年29歳。

僕は、2002年にこの人が日本にやってきたとき、会場で彼女のスピーチを聞いていた。先日この本の紹介記事を見つけたら、数年ぶりに再会できたみたいにうれしくなって、そのまま注文してしまった。読み終えたので、中学になる甥にプレゼントしよう。


2002年に11月、セヴァン・スズキは日本にやってきた。彼女自身はカナダ人だが、名前から分かるように彼女は日系人で先祖は熊本出身の人だったらしい。そういうわけで全国縦断ツアーの出発点として熊本を選んでくれた。昼間の県内の別の場所での講演の後、夕方は阿蘇でイベントが開かれた。建物に隣接する広場での講演。僕のおぼろげな記憶によると、セヴァンさんは軽トラックの荷台の上に通訳と二人で乗って、聴衆はいくつかの火のついた丸太の周りで暖まりながら聴いていた。そんなとってもユニークな講演だった。話の内容ははっきりとは思い出せないけれど、この本の資料1にある「ROR Recognition of Responsibility 責任の認識」の話もあったなあと、この本を読んで思い出した。

それにしても、もう五年以上経ってしまうのか。すっかり印象を忘れている。彼女の姿もすぐそばで見ていたのに、彼女の声もしっかり聞いていたはずなのに。日記は書くべきだとつくづく思う。

ナマケモノ倶楽部にあるこのときのツアーのまとめページ:
セヴァン・スズキ(Severn Suzuki) RORツアー2002大成功に終わりました!
この本には、セヴァン・スズキの伝説のスピーチだけでなく、大学生になった彼女がそのスピーチに至る経緯を分かりやすく説明してくれた文章(の翻訳)も載っている。そちらの方がページ数が多い。そして2002年にセヴァン・スズキと仲間たちが作ったRORを日本の若者たちが日本向けに内容を置き換えた文章もある。何かを始めたい人への資料として、環境問題にとりくんでいる団体の連絡先もまとめてある。

この本が目についたのも何かの縁だと思う。日本でのツアーの翌年2003年に出版された本だけれど、彼女の17年前のスピーチは今も影響を与え続けている。5年前に日本にやってきて直接日本人の心に蒔いてくれた種もわずかずつなのかもしれないけれど確実に育っている。そして、この本を通してこれからも多くの人に広がっていってほしい。

17年経ったのに世の中は何も変わっていないと、嘆くべきだろうか。いや、世界の状況は深刻さを増しているのは事実かも知れないけれど、人々の意識は少しずつだけれどもいい方向に変わってきていると思う。


調べてみたら、セヴァンさん、去年の10月から日本に来てました。本の広告が目についたのもきっとその余波ですね。
ハチドリキャンペーン2007  セヴァン・スズキ JAPAN TOUR

みんなでハチドリの森を育ててみましょう。
ハチドリキャンペーン2007 みんなで育てようハチドリの森


自分一人で読むのなら、この本は図書館で借りて読もう。きっとその方が地球には優しい。ネットでの注文は最終的な手段だ。そうやって、この本を手に入れ読み終えたら、本棚に眠らせるのはもったいない。




Youtubeにある動画

■ECO_92 
日本語ではなくポルトガル語の字幕付きだが、セヴァンの動画で再生回数が世界で一番多いのもの。コメントも多い。英語が読める人はリンク先を開いて意見を読んでくるのもいい。
http://www.youtube.com/watch?v=5g8cmWZOX8Q



■伝説のスピーチ 環境サミット@リオ
日本語字幕付き
http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg



posted by takayan at 03:42 | Comment(6) | TrackBack(0) | 本・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
takayanさん。紹介ありがとうございます

この地球温暖化防止運動は最初、経費のかかる保守活動だと考えていました
人間の活動は抑止を目指すとさらに制限を強くしなければ効き目がなくなるので困ったことになってきたと感じました
あなたは当初どう思われていましたか



Posted by タカシ at 2008年02月19日 09:43
コメントありがとうございます。
当初どう考えていたかはっきり覚えていませんが、個人個人の生活で、資源のリサイクルを美徳にし、できる限り持続可能な社会を作っていかないといけないなと思っています。上記のRORというのはそういう誰でもすぐに実行できることが何なのかを教えてくれるものです。抑制するのではなく、積極的な態度をとる自発的な社会参加なので、ストレスにはならないでしょう。
個人がそう生きることが当たり前な社会ならば、そういう個人が関わる産業も次第に地球に優しいものになっていくと思います。
Posted by takayan at 2008年02月20日 00:58
温暖化防止社会といっても自由競争市場であることは変わらないでしょう
先行するためには癌化する危険が予想されてもiPS細胞を作り上げましたが、これからは誘発因子がない技術にしていくようです
大量に炭酸ガスを排出しなくても高度成長を達成できるようにすることはこれと似ています
だれもできない技術で市場制覇を夢見られる世界は面白い
Posted by タカシ at 2008年02月21日 13:19
面白いのは面白いと思います。
現実問題、このまま地球を食いつぶしていっていいのかという問題が提起されているわけです。人類の営みによる環境の破壊はついに地球の復元力を越えてしまったのではないかという危機感です。
市場制覇にこだわっているような段階ではないから、国際会議で足並みをゆっくりしたものにそろえようとしているのに、なかなかそろえられないのが現実なわけです。
それではと、国家ができないのならば、個人レベルでそれぞれが変えていくしかないというのはとても自然な論理展開でしょう。
Posted by takayan at 2008年02月22日 03:45
ブラウン首相の提唱ししている炭素銀行は、核拡散防止違反の経済制裁のようにならないことを狙っている
快適な消費生活をできるような化学反応サイクルに酸化炭素を収めるにはどんな理念がいいのでしょうね
もちろん水も電気も節約していますが、節水しているのに隣で水撒きされても平然と入浴を諦めることが私にできるか心配です

いつもコメントできるブログに感謝しています
Posted by タカシ at 2008年02月23日 07:26
タカシさん、どういたしまして。
会ったことない人からのコメントは、よい刺激になります。
Posted by takayan at 2008年02月24日 02:00
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック