2008年03月27日

ちりとてちん(147)

火曜日のあらすじと感想

昨日の話の最後で、若狭がこの常打ち小屋の名前を「ひぐらし亭」にしてはどうかと思いついた。
そのことを若狭が誰かに話す場面から始まる。最初、若狭が誰と話しているのか分からないのだけど、カットが切り替わると数年経ってちょっと雰囲気の変わった奈津子だった。先週の話で、めでたく肉じゃが女になることのできた奈津子さん。若狭の叔父の小次郎と結婚したので、若狭とは親戚になった。

そういえば、この人が塗り箸の取材にビーコの和田家を訪ねてきたことから、このドラマが大きく動き出したんだっけ。
ビーコが小浜を飛び出して大阪に向かったのも、大阪に仕事のできる女性としてあこがれていた奈津子が住んでいたからだった。ビーコの理想の女性像だった奈津子は、実は、部屋を散らかしっぱなしだったり、ビーコに負けず劣らずコンプレックスの固まりだったりしたのだけれども、それでも大阪に出てからのビーコにとっては、お姉さん代わりの頼れる相談相手だった。人生経験の多さからか、フリーライターという仕事からか、人間観察には鋭いところがあった。奈津子とビーコの場面はこれが最後ではないだろう。女流落語家・徒然亭若狭の成長を取材し続けている奈津子は、まだまだ仕事をしてもらわないといけない。

草々は、柳眉と尊建に「ひぐらし亭」という名前のことで相談している。草々とこの二人は、かつて若手実力派の上方落語三国志と並び称されるライバルだった。落語なので競い合う場面というのがあるわけではないけれど、徒然亭一門が高座に上がれない不遇の時代、草々はかつてのライバルたちに後れを取っていることを悔しがったりしていた。彼らは草々にとって徒然亭の外の落語界とつないでくれていた存在だった。ひぐらしは徒然亭の紋に使われているので、徒然亭に偏っていると嫌う先輩たちがいるかもしれないが、二人はこの名前にすることに協力すると約束してくれた。これがこの上方落語三国志のドラマの中での最後の場面になるのだろう。実力のある三人がそろうことで、徒然亭だけでなく、上方落語のみんなでこの場所をもり立てていくことをあらわしているシーン。それにしても鼻毛て。

若狭が妊娠していることが分かった。「寝床」の熊五郎が常打ち小屋のオープン向けに試作した弁当を食べている途中、若狭がウッときたのでひと騒動起きてしまった。病院で診てもらい若狭は菊江さんと草若邸に帰ってきた。待っていた草々や兄弟子たちに報告し、それから師匠の遺影にも報告した。このとき草々は子供の名前は落太郎か落ち子にするとか言ってたが、実際どんな名前になるんだろう。

若狭は電話で小浜の家族に妊娠したことを報告する。実家のみんなも盛り上がる。妄想のあと。すぐにお母ちゃんがやってくる。小浜と大阪だから、距離は十分あるはずだけど、いつものことだからもう慣れた。朝ドラではよくあること。ちりとてちんでもよくあった。それが、おかあちゃんがどんだけ喜代美のことを大切に思っているかを示す描写になるので、おかあちゃんが現れるだけでぐっと来る。自分の娘の元に飛んでいきたい気持ちがそのまま映像になる。

喜代美はとても幸せそう。お腹に手を当て、産まれてくる子のことを思っている。布団の中でいつのまにか寝てしまうが、その幸せな寝顔の喜代美をおかあちゃんが優しくなでてやる。言葉はないけれどこれだけで、どんな言葉よりもおかあちゃんの気持ちがほんとうによく伝わる。料理に手をつけないまま寝てしまったのでラップを掛けようとするとビリッと破く音かしてしまう。喜代美が起きてしまわないように静かにラップをカットしようとする仕草が、糸子さんらしくてたまらなくいい。

ドラマ当初、ビーコが小浜から旅立ってしまうと、糸子さんの出番が減ってしまうのではないかと、残念に思った。実際登場人物も増えて、糸子さんの出番も減ってしまったけれど、それでも糸子さんの場面はいつもいい。


posted by takayan at 13:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ちりとてちん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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