プログラムの説明の前に。振り返ってみると、このブログは最初の予定よりもかなり専門的なものへと偏ってしまっています。実際にスクリーンリーダーを使用している人たちの参考になるようなページを作りたいという思いもあったのですが、どうしても自分の趣味に走ってきます。このブログのあり方を、いい情報提供ができるようしばらく考えてみます。
では。今回は、wx-Devcppというフリーの開発ソフトで作ってみました。Dev-C++というDelphiで開発されているフリー統合開発環境に、wxWidgetsというこれまたフリーのクロスプラットフォームなウィジェット(いろんなOSで使えるボタンとかメニューとかそういう部品のセットのようなものと考えてください。)を入れて、ボタンやメニューをマウスで簡単に配置しながら作っていける統合開発環境です。VS.NETやDelphiを使った人でしたら、それと同じようなことができる優秀なフリーの開発ソフト、それでなおかつ商用利用可能なものだと言えば分かるでしょう。
以下要点だけを書くとこうです。
wxDevcppを起動し、名前をhelloとしてwxWidgets Frameの新プロジェクトを作ります。開発フォルダをマイドキュメントあたりに指定してウィザードの指示通りすすんでいくと、自動的にCPPファイルやヘッダファイル、フォームの情報が書かれたwxformファイルなどが画面に表示されます。これをいったんsave allですべて保存します。
開発フォルダをエクスプローラで開き、そこにcatwalkSDKのヘッダファイル、ライブラリファイル、そしてDLLをコピーします。本格的な開発をする場合は適切な場所がいいでしょうが、今回はテストなので、同じフォルダに放り込んでしまいます。
Dev-C++の画面に戻って、フォームのCPPファイル(helloFrm.cpp)を開き、ファイルの最初の方に次のインクルードファイルの指定を入れます。
#include "CWKManipDll.h"
次にwxformファイルを開き、そこでボタンを配置します。ボタンのlabelプロパティを「こんにちは」に変更します。ボタンのクリックイベントに対して新しい関数を作成します。WxButton1Clickという感じの名前になるでしょう。この関数の内容を次のようにします。
CatwalkSimpleSpeechA("こんにちは",CWVOICE_READING,SPCHFLAG_NOTSTOP,CWPRIORITY_NORMAL);
ファイルの編集は以上です。次に、ライブラリの登録をします。project optionsウィンドウを出し、parametersシートを開いて、「Add liblary Or object」ボタンを押して、先ほど放り込んだlibファイルを登録します。
これでCatwalkを起動させた環境で、コンパイルし実行すると、「こんにちは」と言ってくれるはずです。
(以上の工程は時間ができたら後で開発室でわかりやすくまとめます。)
Dev-C++には思い入れがあります。3年ほど前から自家製の日本語版を作って自分だけの日本語開発環境を作って遊んでいたことがあります(これも発表していませんでしたけど)。今ではいくつかの場所で日本語化されたDev-C++が公開されているようです。これもいつか開発室のページにまとめる課題にしましょう。
Dev-C++の日本語化関連ページ
・DevC++-JPプロジェクト
・Dev-C++の設定(日本語化) ftp://www.cs.tohoku-gakuin.ac.jp/pub/windows/IDE/Dev-C++/How2Setup.html
・日本語化パッチ置き場