2005年11月18日

大江戸捜査網!

大江戸捜査網いいですね。もうちろん杉良太郎期か里見浩太朗期。今時代劇専門チャンネルで連続放映をやっているんですが、 懐かしくてたまらないです。子どもの頃夢中で見ていたんですが、今見ても面白いです。
「死して屍拾う者無し」。当時は意味もよく分からずにみんなで言ってたんですけど、このシーンやっぱりかっこいいです。

それで、今日見た回なんですが、これが絶品でした。何がというと、まあいろいろ見所があって、なんかすごかったわけですよ。
ストーリーは、芸者が何ものかに殺されて、まじめそうで夢にうなされる思い詰めた花火職人が自分が下手人だと名乗り出るわけです。 自分が下手人だと名乗り出た人間が次々に牢屋で不審な殺されかたをされている一連の事件と関連して隠密同心が、 この件に関していろいろ捜査を始めるという話なんです。

今回は、志保美悦子がやっている隠密同心「風」の見せ場が、ふんだんにあった。見せ場といっても彼女の場合はもちろんアクション。 スタント無しで唐人拳法(?)との戦うところがさすがアクション女優。目撃者をやったのが拳法使いだということがわかると、 拳法道場に赤い胴衣で単身乗りこみ、男どもをなぎ倒し道場破り!

隠密同心が一人一人名乗りをして悪者をたたっきる最大の見せ場でも、その最後に残った拳法使いを伝法寺隼人にまかせずに、 「自分が殺る」と言いはなって、壮絶な戦いのすえ倒してしまう。悦ちゃん最高!

その前の、有名な「ししてしかばね」のシーンも今回はいつもと違った。夜、 花火職人が悪党のところに出向くところからあの台詞が始まり、伝法寺隼人と井坂十蔵がその後を付けるように出てくる。そして稲妻お竜と風が、 二人の両脇に現れるのかと思いきや、花火職人のはるか前に両側から現れるというとても変則的な「ししてしかばね」。

いつもと違う演出も面白かったが、ドラマ的にもちゃんと見応えがあった。 花火職人が自分のせいで息子の目が見えなくなってしまったという負い目が、痛いほど伝わってくるし、 牢破りで負傷してしまう伝法寺隼人を助けようとする花火職人の必死さもだ。物語的には典型的なんだけど、この花火職人の人はうまい。


で実は、この時代劇を見てると割とよく出ている花火職人役の人があのはぐれ刑事で駄目課長をやってた人と同一人物だと、 名前を調べてさっき分かった。そして花火の事故で目が見えなくなった息子役が松田洋治 (もののけ姫でアシタカの声をしていた人と言えば若い人には分かるはず)なんて見所もあった。

今回は面白かった。
大江戸捜査網 第299話 「牢破り!命の絶唱」



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2005年11月23日

日本巌窟王

欠かさずに見ているのはいくつかあるのだが、まず最初は「日本巌窟王」。
放映時間は午後2時と深夜2時。

昭和54年にNHKで放送された異色時代劇。名前からすぐ分かるように、あのアレクサンドル・デュマの「モンテクリスト伯」 を原作に島原の乱直後の日本に舞台を移した時代劇。主役は草刈正雄。

幼い頃の記憶には、こちらよりもこのあとにあったビクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」を原作にした「いのち燃ゆ」 の方が残っていて、こっちの場面は全然覚えていない。親の好き嫌いのせいで見てなかった可能性が大きい。

今日見たのは録画した第6回、主役「葵月之介」が琉球の姫と一緒に、ゼウスの宝があるという島にやってきたところ。 ありきたりな感想だが、みんな若い。純粋な二枚目俳優だった頃の草刈正雄だ。同じワイルドな感じで思い出した「復活の日」だけど、 そっちの方が1980年で後なのか。

#1  花婿出陣
#2  地獄への罠
#3  南海流人島
#4  決死の脱獄
#5  隠れ里の美姫
#6  天主の宝
#7  風流おんな絵師(←今日ここ)
#8  虎穴に入る男
#9  復讐の怨み花
#10 仮面の宴
#11 孤剣闇を斬る
#12 裏切り喜平次
#13 伊達姿女若衆
#14 襲撃日光街道
#15 月之介ふたり
#16 玄達辻講釈
#17 真美姫捕わる
#18 いのち燃える夜
#19 死闘さそり狩り
#20 黄金の挑戦
#21 勝負十万両
#22 火の女お夕
#23 南海の虹

 



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2006年04月11日

タイムマシン

日曜は日曜洋画劇場で「タイムマシン」を見た。この映画、goo映画のレビューでもあまりよくない。でも僕にとってはなかなかよかった。goo映画でレビュー46点のキャシャーンも名作だと感じる人間なので僕は一般的な感性ではないんだろう。そんなことはどうでもいいや。

以下ネタバレありの妄想。

最後、主人公の友人が帽子を投げ捨てるシーンがある。これは何か分からなかった。映画の最初のほうを見ていなかったからだったのだが、もう一度見直したら意味が分かった。冒頭で山高帽のことを主人公が話していた。ラストなかなかいいシーンじゃないですか。最後主人公のいる未来のシーンで終わればいいのに、わざわざ主人公が姿を消した当時の19世紀末に戻るのはどうしてかなと思っていたら、そういうことだったんだ。過去を変えることはできないけれど、今は変えることができる。ありきたりなテーマだけど、これがこの映画の答えだろう。友人の最後の行動は、今を変えることは誰にでもできるということの静かな象徴なんだな。

時間旅行物の物語で矛盾やご都合主義がないものなんてありえない。時間旅行自体がありえないのだから仕方がない。歴史を変えたら写真の中から姿が消えるとか、腕時計が逆回転するとか、荒唐無稽なわかりやすさも大切だ。そういうことを言い出したらきりがない。

恋人の死という絶望的な過去を変えるために彼はタイムマシンを開発した。しかしこの事実がタイムマシンを作らせた原動力である以上、恋人の死という事実を変えることができなくなってしまった。それ以外の何事も彼にタイムマシンを作らせる力を与えないからだ。逆に言うと、恋人の死以外の過去の出来事ならば、変えることはできるかもしれない。事実彼は恋人を別な場所に連れ出し強盗に殺されるという危険から回避させることができた。それでもまた別な出来事が起き恋人は死んでしまう。タイムマシンを使っているという事実とその原動力となった恋人の死という事実、この二つの出来事の因果はタイムマシンを使っては絶対に変えることはできない。悲劇のジレンマ。未来の頭脳担当の人類ウーバーが言っているのはそういうこと。それが主人公が追い求めた答えであり、この物語で採用されたタイムトラベルの設定。

ウーバーが自分のような存在はいくらでもいると言ったのだから、あそこで主人公がタイムマシンを爆発させてあのコロニーを壊してしまっても、モーロック、エロイ、ウーバーから成るコロニーはいくつも存在している。主人公が6億年先に見た未来はやがて現実になってしまうのだろうか。6億年先の未来を見てしまった彼には、エロイたちと過ごした時代はまぎれもなく過去である。その過去は変えられるのだろうか。

ウーバーはエロイたちに同じ悪夢を見せることで、モーロックと戦うことを忌避するように仕向けていた。しかしこの主人公のいるコロニーにはもうウーバーはいない。代わりに主人公と、人類の全ての知識を蓄えたヴァーチャル黒人がいる。この知識を道具に、ウーバーに支配されていないエロイは団結し、地球上に散在するこの支配体制を崩壊させていく。そういう彼らの未来を望みたい。


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2006年04月22日

ダニエル・ジョンストン

今日はゆっくりできたので、たまっているポッドキャストを聞いていた。隙間の時間に聞くのがポッドキャストかもしれないけれど、最近なかなか聞けなかった。そこで聞いたのが、「ダニエル・ジョンストン」のこと。

番組は4/18(火)の「ストリーム」コラムの花道 映画評論家「町山智浩」氏の話。最近アメリカで公開された「悪魔とダニエル・ジョンストン THE DEVIL AND DANIEL JOHNSTON」の話題。一部の人にはとても有名な人らしい。ぼくはこれで初めて知ったのだけど。

アドレスはここ。リンクをクリックするとまだ内容は聞ける。
http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/2006/04/418_ca49.html

なんかすごくいい。番組の中で彼のことをイノセンスといってるのだけど、ほんとiTMSで声をきくとそんな感じ。壮絶な精神障害の人だけど。ダビングを知らないくだりは、純粋さの極みだ。しばらくこのポッドキャスト消せないや。

ポッドキャステキングの中では、著作権の問題で聞くことができない「キングコング」の曲はiTunesのiTMSでちょっと視聴できる。検索語はDaniel Johnston。もちろんその他の曲も。

オフィシャルサイトもあってアドレスはここ。
http://www.hihowareyou.com/

町山氏のブログ
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060414


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2006年05月02日

The devil and Daniel Johnston

MacのFront Rowにある映画予告編を眺めてみると、以前書いたダニエルジョンストンのドキュメンタリー映画の予告編も見えるようになっているのに気づいた。頭が半分開いていてそこから、何か出しながらギターを弾いている奇妙なイラスト。

全部英語で、字幕もついていないんでよくわからないんだけれど、現在の彼と、若い頃自分で撮っていた8ミリの映像とかが流しだされている。精神病院に入っているときらしき自分で吹き込んだカセットの声もある。もちろん彼の描く奇妙なイラストと、少年のような彼の歌声も聞くことができる。

Mac持っていない人でも見られるようにリンク

・映画の公式サイト(英語)
http://www.sonyclassics.com/devilanddaniel/

・そして予告編のページ(英語)
http://www.sonyclassics.com/devilanddaniel/trailer.html


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2006年07月10日

「耳に残るは君の歌声」

昨日夜中にやっていた映画。気になったが、睡眠とらないといけないので、録画して寝た。そしてさっき見終わった。見たことを整理したくなったので書きます。ネタバレします。

地味な映画。ナチスの台頭の中、幼い頃別れた父を捜すユダヤ人女性の物語。英仏合作。クリスティーナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット出演。
国籍や民族によって翻弄される人々。同時に自らが何者であるかを背負うが故に必然的にその生き方を選びながら生きる人々。

ジョニー・デップは、ジプシーの青年役。舞台で馬を操る係。主人公のスージーは彼に対し迫害される異邦人という境遇に共感を覚えやがて恋仲になる。馬でねぐらに帰る彼の後を、彼女が自転車でびゅんびゅん追いかけるシーンは、彼女の抑えがたい感情を率直に描写していて、なかなかいい。

ケイト・ブランシェットは、スージーの先輩の踊り子。スージーの才能を認め、二人で部屋を借り共同生活をする。豊かな生活を得んがため、女であることを利用して生きる。自分がそんな生き方をするのも、スージーの才能を世に認めさせるためだと自分に言い聞かせようとしている。その献身は真実でもあるが、自分の生き方の都合のいいいいわけでもある。彼女の最後のシーンでは、とても悲しい姿で泳いでいる。顔は見えないのに、プールの水が全て彼女の涙であるかのような悲しい風景で終わる。

全般的に解説のない簡潔な演出ですすんでいく。父譲りの歌の才能を現し、いじめられるだけだった女の子が周りに認められ、自立した女性になっていく様子が、わずかなカットで表されている。ナチによるパリ陥落などは、ザックザックという軍靴の響きだけだったりする。ヨーロッパの人々にとっては、もうそれだけで理解できることかもしれないけれど、予備知識のない日本人にはそれがなんなのか分かるだろうか。ユダヤ人や、ジプシーの背景も、もちろんイタリアとドイツの関係とか予備知識があった方がいい。大家のおばさんがどこに連れて行かれるのかも。

知らなくても、なんとなく分かるようにできているのが映画だけどね。

最後はしんみりと終わる。映画館ならばいい余韻をあじわえただろうなという感じで。


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2006年07月29日

『アイアン・ジャイアント』

先日、BS-2でやっていた『アイアン・ジャイアント』を見た。
前から見たかった作品だった。

『アイアン・ジャイアント』
原題 The Iron Giant
1999年アメリカ

舞台は東西冷戦当時のアメリカ。子ども達が学校で、核ミサイルが飛んできたらどうすればいいかという啓蒙映画を見ている時代。机の下に隠れるとかそんなことしても、核ミサイルがきちゃったら無駄ですよね。こんな馬鹿げた行為に対してあきらめるしかないですよ。

そういう頃のアメリカの地方の街に、正体不明のロボットが現れる。思っていたよりこの鉄人でかい。森の中にこっそり隠れて、アンテナやら車やら、鉄製の物を食ってる。それで街の人たちはいろんな噂をしていたけれど、それでもみんな平和に暮らしている。それが大きなロボットのせいだなんて思いもよらない。母親と二人暮らしの少年が主人公で、彼が冒険心を起こしてこのロボットに出会ってしまう。そしてかくまって、言葉や大切なことを教えていく。こういうところは『E.T.』を思い出す展開。そこに政府から送り込まれた調査員がやってきて、少年の行動を疑い始める。。。

この作品はとってもシンプルで、ストレートで、伏線もわかりやすく用意されていて、疑問ももたずに見ていける。隠喩や構造を使って、言外のメッセージを込めるような小難しいことはない。いや隠喩がない物語なんてないのでそれは言い過ぎだけど、やっぱり明快な物語だ。でもそんなわかりやすい話なのに、一度見ただけでも十分心に届いてくるし、もう一度見ても飽きずに見ていられる。ずっと心に残ってしまう。とてもいい作品でした。


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2006年09月02日

新・人間交差点

新・人間交差点を見ている。3回連続で今夜で早くも最終回。原作は漫画の「人間交差点」と小説「翼ある船は」。僕はどちらも読んだことがなかったので、どんなふうに組み合わせたのかがよく分からない。公式ページの「このドラマについて」を読むとだいたい分かるが。


寺島由次役の仲代達矢がいい。のんびりと田植えをしたり、遠い昔に別れた息子のことで身もだえしたり、事件に際しては新聞記者としての魂は今も健在という表情をみせたり、この由次という人はとても複雑な役なのだけどちゃんとそれを一人の人間の中におさめている。このドラマは「男たちの大和」での戦艦大和の生き残りの役以上に、仲代達矢の近年の代表作になったのではないかと思う。

佐藤江梨子は、実のところ期待していなかったんだけど、これもいい。若くて無鉄砲で常識を知らなくて、そういうのがとてもよく出ててた。決してけなしてるわけじゃない。いまの若い女優で、代わりが思いつかない。うまいと感じさせてしまったら役柄としての未熟さ感じられないし、きれいで人気があっても演技ができない棒読み女優では駄目だし、なかなかいい配役だったと思う。体当たりで演じてるって感じがいい。上手くもなく、ドラマを台無しにしてしまうほど下手でもなく。決してバカにしてるわけではない。そう言えば小池栄子も義経ではよかった。

ドラマは、由次という元新聞記者であり、ある過去を背負った男の物語である。根底にあるのは、「翼ある船は」から来ている物語なのだろう。ときどき「翼ある船は...」と詩を唱える。サトエリ演じる姉の孫マリエが持ち込んでくる事件につきあってなんかいられないくらいなのだけど、この若い新聞記者の成長を願い、しっかりと導こうとしている。

マリエが持ち込む事件は、「人間交差点」から来ている物語だろう。いわゆる人情話。泣かせる話。でも分かっていても泣けてしまう。人の想いというのが心を揺さぶり伝わってくる。
マリエが事件を取材し行き詰まる。由次の昔書いた記事を読む。由次とともに由次の記事の関係者のその後を取材する。さらに新たな事実を知る。そして現在の事件の本質をついた記事を書く。二話はこんな展開。おそらく第三話は違うだろう。

第一話は「引退記者のファイル」。血のつながらない母親と子どもの話。拾った子猫を飼うように無責任に若い女性が迷子の少女と一緒に暮らしていた。このことで怒りを感じるマリエに、自分が発表できなかった連載記事「人間交差点」のある記事を見せる。

第二話は「赤ひげの歳月」。若い大学の医師が地方の病院にとばされたことを恨んで、贈収賄があったとその院長を訴える。実はその医者は由次が昔取材した情熱ある青年医師だった。
この話では、昔の白い巨塔で里見先生を演じた山本學が嫌な医学部の教授役で出てくる。絶対この配役狙ってるんですよね。

三回だけというのは何かもったいない感じもするが。この二話は、老人と若者の世代を超えた交流、老人の過去の話は今の若者にとっての現実味のないただの物語ではなく現在にしっかりとつながっているんだという最終回を向かえるための意味のある、別の物語からの挿入なのだと思う。このドラマはNHKのドラマとしても、久しぶりの名作になったと思う。さて今夜最終回どうなるのか。

関連記事
新・人間交差点「翼ある船は」


関連リンク
NHKドラマ公式ページ


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2006年09月04日

新・人間交差点「翼ある船は」

土曜ドラマ「新・人間交差点」
2006.9.2 最終話「翼ある船は」
・リンク:NHK土曜ドラマ公式ページ


由次がずっと口にしていた詩は、

竹内勝太郎(1894.10.20-1935.06.25)

 翼ある船は霧ふかき
 水平線のかなたより現れて来る
 匂やかな嬰児の心は
 仄かなる四月の水の上に
 新月の如く生命の船を解き放つ

(仮名表記)
 つばさあるふねはきりふかき
 すいへいせんのかなたよりあらわれてくる
 におやかなみどりごのこころは
 ほのかなるしがつのみずのうえに
 しんげつのごとくいのちのふねをときはなつ

(ハル役の赤木春江が朗読する場面での字幕より、仮名は各朗読シーンより引用)

謎だったこの詩は、シベリアに抑留されていた兄からのたった一枚の葉書に書いてあった詩だった。第一話、第二話と由次が何度も詩を繰り返していたのは、六十年前に覚えたこの詩の言葉思い出すためだった。でも何度思い出そうとしても最後の二行が由次はどうしても思い出せない。

第二話の最後で、金沢にいる息子から、自分はもうすぐ死ぬので伝えたいことがあるから来てくれと言う手紙を読む。息子が少年の頃一度だけ会ったたのだけど、そのときは子どもとは思えぬとても恐ろしい顔で由次は睨み付けられた。いまだにその少年の姿に由次はうなされている。


最終回。マリエ、最初からじいさんバカにしすぎ。いままであんなに助けてもらっていたのに。なんだこの礼儀知らずの女はとドラマだと分かっていても腹が立った。途中、いろんなことに巻き込まれて、なかなか息子に会えないけど、時間足りるのだろうかと心配になってしまった。そしていよいよの息子との対面シーン。よかった。おそるおそる息子に近づく由次は、また睨み付けられるんじゃないかと怯えてたんだろうな。会えて本当によかった。最終回だけどまだ続けることもできますよっていう感じの終わり方もよかった。


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2006年09月10日

アンフェアの最終回の疑問

アンフェアはスペシャルが10月3日にある。楽しみだ。
アンフェアtheSpecial『コード・ブレーキング−暗号解読』(公式)
本編のDVDも出ていることだし、最初から見直してみたい。


今年の初めはアンフェアを楽しみに見ていた。最近文書の整理をしていたら、アンフェアの最終回を見た後の疑問を書いていた文書を見つけた。見た後すぐに書いたものだ。だから今年3月末頃。安藤が黒幕だという結論で終わったが、なにかそれ以外にも謎が残ったままでしっくりこなかったことを書いていた。論点もあまり整理されておらず、結論もなくだらだらと書いている。自分で読んでいたら、これもここに載せたくなった。記憶も薄れているので、これを整理するのは自分でも難しい。

このドラマ見ていないと分からないし、登場人物の名前を忘れていたら訳が分からないと思う。いや全てを覚えていてもきっと理解できないこと書いているな。


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見終わったあと、なんかもやもやして、ずっと考えていた。雪平は最後の場面、何に気づいたんだろう。なんか妄想めいたことをいろいろ考えた。それを書き出してみる。他の考えが入らないように最終回見たあとは公式サイト以外の情報は見なかった。

前回の最後の場面、雪平の元旦那佐藤が撃たれるのは真犯人を呼び寄せるための芝居だった。この場面の前に接触してたのか、なんてアンフェアな展開だ。それじゃ予測付くわけがないじゃないか。でも、あの涙は?相手は防弾チョッキを着ていても銃を撃つこと自体に痛みを感じているからと考えていいのか。

エンディングのバック映像で今までの犯人不明だった×マーク連続殺人の犯行現場が映されていく。安藤の犯行として。最後の最後、雪平のいつもの行動。死亡現場に体を置いてその人物が最後に見た風景を見ようとする。そして「世の中にはフェアなことなんて何もない、目には目を、復讐には復讐を、アンフェアにはアンフェア...」というタイトルの言葉とともに、何かに気づいたような見開いた目をして、その顔に描かれる赤い×とともに終わる。この×は雪平が何かの罰を受けたってことでいいのかな。

安藤は死んだが2つのものを残した。雪平へはコインロッカーの鍵を、そして雪平の娘の美央ちゃんへは手紙を。美央ちゃんは雪平の事件がきっかけでしゃべれなくなっている。安藤はこの子の境遇を自分に重ねているのだろう。子どもの心のケアの本を読んだりしている。そして、彼女がしゃべり出すきっかけを作るのも安藤である。安藤からの最後のメッセージを見た美央ちゃんは母親への気持ちを口にする。もう一つの遺品。そのコインロッカーにはDVDが隠されていた。安藤とその親友ユタカは、コインロッカーに捨てられた子どもという同じ境遇を持つ。だからコインロッカーに入れられたメッセージというのは、このドラマの中でもっとも嘘偽りのないものと考えていいのだろう。このメッセージの中には、自分が死を予期して行動していること。それも計画的な行動をしていることが明かされる。自分が雪平への復讐心を持ち、今まで生きてきたこと。そしてその自分が雪平へ愛情を持ってしまったことを伝えている。

あの雪平の親父の同僚安本はなんなんだろう。やけに最終回は妙な行動が目立った。単に視聴者を惑わすだけの役回りだったのだろうか。最初、雪平の親父さんの死んだ場所に花を手向ける場面がある。翌日そこで雪平が元旦那を撃つあの場所だ。明日、雪平の親父の命日になる。ただそれだけを伝えるだけなのかもしれない。雪平が死なないように祈ってくれと雪平の死んだ親父に語っている。佐藤が追われているということも報告する。また別の場面、安藤が死んだあと彼の部屋に入り雪平たちと調べるのだが、このとき自分と安藤が二人で写った写真をその場から持ち帰る。それは思い出として持ち帰ったようにも思えるが、こういう写真は焼き増しして両者が持っていてもおかしくないから、持ち去るまでしなくていいかもしれない。それは自分と安藤との関係を隠すためのもののようにも見える。そして三番目の場面。退所するとき安藤から送られたというパソコンを持ち帰る。安藤が持っていた何らかの情報が受け取っている可能性は否定できないだろう。

最終回には二つの過去の事件現場が出てくる。
雪平の父親が死んだ廃屋と、5年前パチンコ店店員ユタカが雪平に射殺された場所。

佐藤が廃屋で死ぬことは安藤は予測できたのだろうか。まるで佐藤はそれを安藤が望んでいるかのように話すのだが。単に身柄を拘束するだけですむかもしれない。撃てと言ったのは佐藤本人なのだから、安藤はそこまで計画できない。可能性を想定することはできるが。佐藤はメールが自分に転送されることを確信を持っていたが、そううまく行くことを予測できるのだろうか。また真犯人の方も佐藤が転送されたメールにしたがって、のこのこ現れる可能性を期待することはできるだろうか。撃たれた後最初に現れるのが真犯人だと決めつけたのも佐藤である。安本が命日の前日に参ったからいいものを命日当日だったらどうなっただろう。また上層部の命令で雪平の行動を尾行していた人物がいたらどうしたのだろう。指名手配中の元旦那とこっそり会う可能性は十分にあるのだから。そのような可能性の排除はおこなっていないのは安易すぎる。安藤が銃声の後、近づいてくる様子はあわてた様子もなくそれは怪しいのだが、別の理由だって考えられる。犯人もこの場に来ているという可能性を言うことはできても、断言はできない。何かしっくりこない。

安藤は何を期待してあそこに行ったのだろうか。雪平が佐藤を撃ち殺すかもしれないとどれくらい確信を持っていたのだろうか。佐藤が現れることもどれだけ予測していたのだろうか。可能性はとても低いかもしれないが、何が起きるのかをこっそり見守ろうとはしたかもしれない。それほど期待もしていなかった状態で銃声が聞こえたら、自分の危険も顧みずに雪平のそばに向かってしまうかもしれない。美央ちゃんを車で連れてきているということを考えると、そこで誰かを殺すということも、自分が雪平に殺されるということも想定していないだろう。犯人であっても安藤が、あの美央ちゃんを連れてここに来るという行動を理解するのは難しい。安藤が美央ちゃんを傷つけたり悲しませる行動をとれるとは思えない。彼のその側面を否定することは物語上あり得ないはずだ。彼女の父親が殺される可能性のある場所のすぐ近くに連れてこれるだろうか。言葉通り、安本に教えられて雪平の父親の殺害現場に参っただけなのかもしれない。でもそれだと現場を監視していたように見える影の存在がうまく説明できない。もしかするとこの影は安本で、佐藤と手を組んでいて安藤を黒幕にしたてようとしたのだろうか。でも雪平から警視庁に通報があったときにはその場に安本がいるので、ちょっとむずかしいか。間に合ったとしても部屋に戻ってきたばかりという描写を入れるだろうし。あの監視しているようにみえる視点は安藤で間違いないのだろう。何が起きるかを止めもせず眺めている安藤か。

佐藤の誘導がなければこの場面は成立しないようにも思う。とすると、佐藤も一枚噛んでいるのか。でも、安藤とは打ち合わせをしていなさそうである。

安藤からのビデオメッセージで彼の計画が語られるが、具体的な内容は伝えられていない。安藤の計画とはなんなのだろう。パチンコ屋の店長へ憎しみを口にしているので、こちらを目的としていることは伺える。またビデオの中で別な死に方をするかもしれないとわざわざ言っていることは、現実に起きたことは計画とは少し違ったと暗に示すものかもしれない。未央ちゃんを連れてきておいて第二の現場に向かうことも計画していたのかは疑問も残るので、計画開始が突発的に繰り上がったということかもしれない。

サイトの管理人は安藤でいいのだろうか。その名義が佐藤に置き換えられた方法についての答えは出たのだろうか。3年前に佐藤の名前で登録されているとの報告の真偽はどうなるのだろう。3年前であっても安藤は、雪平のことを調べれば、旦那の名前も探し、その名前で契約できたかもしれない。その方法だと他の人物が名前をかたったという可能性だってある。契約者が佐藤であると書かれた報告書を持ってきたのは安藤である。彼ならねつ造することも可能であろう。安藤がその場でねつ造したのならば、安藤が管理人であるが、ねつ造していなければ、安藤は参加者ではあったが管理人であるとはいいきれなくなる。

最後のほうで雪平と検視官三上とが安藤に献杯を捧げる場面がある。このときたっぷりと積まれた野菜があり、安藤がベジタリアンだったとうことを思い出させてくれる。

いままでの思考をつなげてみると、佐藤の疑惑を解消することができない。より佐藤の方が怪しくなってくる。もし佐藤が犯人ならば、そのことに安藤が確信をもっているのならば、その事実が美央ちゃんに与える影響を考えずにはいられないだろう。そのとき安藤はどんな行動をとるだろうか。美央ちゃんをあんなに心から心配している安藤がとる行動は、一つだけだろう。自分こそが殺人鬼の正体であると偽り、その罪を一身にかぶって死ぬことだろう。廃屋での佐藤が死ななかったことを知ったときの開き直りは、安藤のその決断によってなされたのではないか。あの場で佐藤が雪平に射殺されたと思ったのは、雪平が真実を知り、そしてその手で佐藤を殺してしまったのだという確信があったからだろう。あのときのもったいぶった現れ方は、直視しがたいその事実が美央ちゃんに与える地獄を思ってのものだとも考えられる。そして自分の正体が殺人犯だと告白した後に彼は佐藤を殺そうとする。なぜ恨みの本来の対象である雪平ではなく、佐藤をまず殺そうとしたのか。ここで佐藤の言葉である雪平の大切な者を殺そうとしているという見方でこの状況を考えていいのだろうか。そうなのかもしれない。しかし安藤は佐藤が犯人であるとうことを確信しているからこそ、自分が犯人であるという設定を利用すれば佐藤を善良な人間として殺すことができると、そう判断したのだろうか。しかし未央ちゃんが悲しむことは彼にはできないからそうではないだろう。安藤のこの行動は自分を雪平が射殺してしまうように仕向けての行動だろう。しかしその願いは届かない。そのあと雪平へと銃口を向ける。過去の想いを語っていくうちに雪平への殺意を押さえることができなくなり、そして雪平へとむけてしまうのだろうか。そうでもあるし、雪平に自分を撃たせるための最終的な行動でもある。しかし彼は雪平に引き金を引かせるだけの殺意を向けることができなかった。あの場面、美央ちゃんが現れなければ、どうなっていたのだろうか。あの第二の現場に行くつもりは彼には最初からあったのだろうか。ビデオメッセージの中では自分の行動は計画的な行動だということが伺えるのだけど、それは第二の現場も含めてなのだろうか。あらゆる想定はしていたのだろうが、美央ちゃんはどうするつもりだったのだろう。未央ちゃんを連れてきたという時点で、第二の現場は計画内のものには思えない。衝動的なものではないだろうか。自分がもっとも殺意を抱くことができる相手を殺そうとすれば、そうすれば自分を雪平が射殺してくれるはずである。

佐藤が犯人であったのならばと考えてみる。彼は不正に対して異常なまでに憎しみを持つ人間である。ジャーナリストという職業もこの場合はその記号として使われている。もしかすると、彼は以前にもこのような犯罪をしているのかもしれない。雪平の父親が殺されたのはいつなのだろうか。死んだ雪平の父に同僚の安本が佐藤の名前を出して話をするというのは、生前に佐藤のことを知っていたということと解釈していいだろう。結婚の後に死んだということでいいのだろうか。それならば、その死は佐藤と関わりがあると考えられなくもない。佐藤の正体を知った父が返り討ちにあったのかもしれないし、雪平の父の不正を知った佐藤によって殺されたのかもしれない。この真相はうすうす安本は知っているのだろう。そして安藤にもその可能性を告げているのかもしれない。その関係を雪平に知られないために安藤の部屋から自分と一緒の写真を取り去ったのかもしれない。安本が雪平の命を心配する理由は何か別にありそうな感じである。

もうひとつ引っかかるのが、あの家政婦牧村の射殺である。あれは警察関係者以外に犯人を考えられないだろう。安藤の告白の通りあれは安藤が行ったのだろうか。あれはそうかもしれない。雪平と未央を苦しめた人間に対する報復としては、その動機は成り立つだろう。安本も可能性はあるだろう。同じように雪平たちを苦しめた相手への報復かもしれない。何らかの理由で口封じをする必要があったのかもしれない。


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