2006年09月20日

サイエンスZERO「恐竜時代を生き抜け ほ乳類進化の秘密」

サイエンスZERO「恐竜時代を生き抜け ほ乳類進化の秘密」--- NHK公式サイト

以前ここで書いた「NHKスペシャル 恐竜vsほ乳類」に関連する内容なので久しぶりにこの番組を見てみた。NHKスペシャル「 恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い」を、ほ乳類の進化の部分を切り取ってわかりやすく解説しているといった内容。ナビゲータとして眞鍋かをりも出ている。

内容をまとめてみた。この番組を見た人にはそのまとめは意味がないと思う。後ろのほうにある、出てきた先生たちの情報は、役に立つかもしれない。

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あくまでも、この番組はいろいろな仮説をもとにこの番組としてまとめたもの。今後も新たな考え方が出るかもしれない。今後間違いが見つかるかもしれない。その点を心の何処かに留めてこういう番組を見たほうがいい。
こういう番組では、仮説であることを明言していたり、「考えられている」などの文末表現もちゃんと気にしないといけない。また微妙な表現を使って断言を避けていたりしているところもある。
ここでこういうふうに個人的にまとめるときは、たいていそういう微妙な部分が抜け落ちたりするので、正確な情報がほしいときは自分で調べるべき。

それから、補っている部分があるので、正確に番組の内容そのものといえないかも。

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◆内容。

ほ乳類の進化には、恐竜時代の出来事が深く関わっている。三つのテーマで番組は進んでいく。

1.地球最古のほ乳類

地球最古のほ乳類の頭の骨の化石。大きさ1.5cm。名前はアデロバシレウス(Adelobasileus cromptoni)。アメリカの二億年前の地層にあった糞の化石の中から見つかった。体長は10cmほどで、主に昆虫を食べていたらしい。それに対し最古の恐竜はほ乳類と同じ時代に誕生していた。既に体長は1mを越えていた。アデロバシレウスと同じ地層で見つかっている初期の恐竜の一種コエロフィシス(Coelophysis)。

1億5000万年前、恐竜はスーパーサウルス(SuperSaurus)に代表されるような全長33mの巨大なものまで現れるようになる。その頃ほ乳類は、未だに小さい体をしていた。代表的なのは体長15cmほどのラオレステス(Laolestes)。

そして6500万年前の恐竜時代の末期、代表的なのものは、恐竜では全長13mのティラノサウルス(Tyrannosaurus rex)。それに対して当時のほ乳類は15cm程度のキモレステス(Cimolestes)。

上記の生物で世界の巨大恐竜博2006サイト内で紹介されているもの
アデロバシレウス
スーパーサウルス
ティラノサウルス


2・恐竜時代の生き残り戦術

ほ乳類は、は虫類の親戚から進化してきた。アデロバシレウスは卵を産み、卵で子孫を育てていたと考えられている。卵だと敵がやってきたり大雨に襲われたりすると、命をつなぐことができないという欠点がある。

2003年中国遼寧省である化石が見つかる。15cmほどの小さな化石。毛の跡など細かな部分がはっきり残っている。これは後にシノデルフィス(Sinodelphys)と命名される。歯や骨格などから、このシノデルフィスは1億2500万年前の有袋類の祖先だと考えられる。腰のあたりに数ミリの骨があり、これは現在の有袋類が持っている袋骨(epipubis)と同じものだと考えられている。

Sinodelphys szalayi - CMNH... シノデルフィスの解説(英語) Carnegie Museum of Natural History(カーネギー自然史博物館)

袋を持つことで天敵に襲われたときも親子で行動できる。これは進化の大革新である。そして現在袋のないほ乳類も袋のようなもので子育てをしていた時期ががあったという考えがある。

ほ乳類は三つのグループに分けることができる。有袋類(袋を持つ)、単孔類(卵を産む)、そして有胎盤類(胎盤を持つ)。人類も属している有胎盤類は全ほ乳類のほぼ九割を占めている。

有胎盤類は恐竜時代の後半(およそ1億年から6500万年前)には登場していただろうと考えられている。キモレステスもその一つ。体の柔らかい部分は化石としては残りにくいので、化石の骨と、現在の生物との骨の比較から胎盤があったことを推察している。キモレステスの顎の化石は、ネコの属するグループに近いと考えられるため、キモレステスには胎盤があったとみられている。


3.ほ乳類を救ったパートナー

1億2500年前の中国、羽毛恐竜が席巻していた頃、植物界に革命的な出来事が起きた。最初の花が誕生したと考えられている。現在見つかっている最古の花アーケフルクトゥス(Archaefructus)には花びらはなく、原始的な雄しべとめしべがあるだけの単純なものだった。その後、被子植物は6500万年前の恐竜時代の終わりには主要な植物群になっていた。そしてこの被子植物が、ほ乳類の進化に欠かせないパートナーとなった。

花の出現は、ほ乳類に多様性をもたらした。被子植物は昆虫の力を借りて子孫を残した。この関係が昆虫と花がお互いの進化に影響を与え、花と昆虫が多様化していった。そしてそれと同時にその昆虫を食すほ乳類も多様化していった。

昆虫の量が増え、また植物が果実をつけるようになって、ほ乳類の周りで高カロリーの食料が増えた。仮説であるが、そのため、ほ乳類は、おなかの中で長い間子どもを育てられるようになったのではないかと考えられている。

胎児は胎盤から伸びた<へその緒>でつながり、栄養や酸素を母胎からもらっている。このへその緒での酸素濃度は母体の三分の一ほどになっている。胎児への酸素供給は重要でわずかな酸素の濃度の変化で胎児に問題がおきてしまう。胎児は自分で外の空気が吸えないので母親からの酸素供給が必要不可欠だからである。しかし母体は自分自身の生存のために酸素を消費しなければならず、胎児が安定して育つためには大気中に豊富な酸素が必要になる。

しかし、恐竜時代は酸素濃度は大きく変動していた。恐竜時代の最初、アデロバシレウスのいた頃は、酸素濃度は10%ほどしかなく異常に酸素濃度が低い環境だった。その後、長い時間をかけて酸素濃度は上昇し、花が誕生した頃には15%程度になり、そして恐竜時代の終わりの頃は18%前後と現在の酸素濃度と同じくらいに上昇した。

大気中の酸素濃度の変化には、地殻変動や植物の増加など様々な原因が考えられるが、この恐竜時代後半の変化には、被子植物が関わっていたかもしれないという仮説がある。葉を多くつける裸子植物のほうが、裸子植物より酸素を供給するのに効率的である。酸素濃度は、恐竜時代に上下変動を繰り返していたが、恐竜時代最後の上昇のタイミングは被子植物の繁栄の時期と一致しているからである。



◆出てきた先生たちのことを調べてみた。


・羅哲西博士 (Zhe-Xi Luo) カーネギー自然史博物館

有袋類の先祖のところで出てきた先生。検索してみると、この先生たちが書いているシノデルフィスについての論文が見つかった。日本語タイトルは「白亜紀前期の三咬頭歯哺乳類と後獣類の進化」。以下Science紙サイトへのリンク。

An Early Cretaceous Tribosphenic mammal and metatherian evolution. Science 302:1934-1940
リンク先は概要が書かれている。無料の会員登録をすると、本文を見ることができる。


・ポール・ファルコウスキ博士(Paul G. Falkowski) ラトガース大学

酸素濃度の上昇と胎盤の進化について解説している先生。検索するとこの人の論文が出てきた。全文閲覧するのは有料みたいだが、概要のみは誰でも閲覧できる(英語)。

The Rise of Oxygen over the Past 205 Million Years and the Evolution of Large Placental Mammals( Science )
日本語タイトル「過去2億500万年にわたる酸素濃度の上昇と巨大な有胎盤類の進化の促進」


・ピーター・ウォード博士(Peter Douglas Ward) ワシントン大学

被子植物の出現が酸素濃度の上昇に影響したという仮説を説明をした先生。
この人は大衆向けの科学の啓蒙書をいろいろ書いている。日本でも『生きた化石と大量絶滅―メトセラの軌跡』という本が出版されている。
近々、『Out of Thin Air 』(アフィリリンク)という本を出版するらしい。タイトルからして、この番組で扱っていた酸素濃度の話題であるが、ほ乳類や被子植物についてまで語られているかは分からない。少なくとも鳥の「気嚢」システムと恐竜との関係とかそういう話らしい。もちろん英語。他にも十数冊、英語で本が出ているが、被子植物に関する本がどれかは分からなかった。


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2006年10月05日

『タイムスリップ!前 恐竜時代』を見た。

地球ドラマチック『タイムスリップ!前 恐竜時代』の後編を見た。2006.10.4(Wed) 19:00-19:45。 NHK教育
これはすごい。この前ここにも書いたNHKの恐竜とほ乳類を扱った番組を見たが、映像のレベルが違いすぎる。下の方のリンクをたどるといろいろ画像を見ることができるが、美しい動画は一見の価値がある。

この番組について調べたことを書き出しておく。
内容については後日書く予定。

地球ドラマチック『タイムスリップ!前 恐竜時代』
・『前編 海から陸へ』、『後編 は虫類の時代』
・原題:Walking with Monsters
・制作:Impossible Pictures /BBC(イギリス・2005年)
・ナレーター:渡辺徹

今回の放送は再々アンコール放送
既にこのシリーズには、恐竜やを扱ったものやほ乳類を扱ったものもある。

NHK、地球ドラマチック内の番組紹介ページ:地球ドラマチック〜タイムスリップ! 前 恐竜時代〜


◆関連リンク
地球ドラマチック スペシャル〜タイムスリップ!恐竜時代〜
 .... このシリーズの恐竜時代を描いたもの。(NHKサイト内)
 このとき放送された作品の原題は、
  Land of Giants: A 'Walking with Dinosaurs' Special(2002)、
  The Giant Claw: A 'Walking with Dinosaurs' Special(2002)、
  及びメーキング、
  Sea Monsters: A Walking with Dinosaurs Trilogy(2003)

Walking With Monsters gallery - BBCサイト内(英語)
 .... 壁紙がダウンロード可能

Impossible Pictures(英語)  制作会社

Wikipediaでのシリーズの解説(英語)
Walking with Monsters (2005)


◆DVD
BBCワールドワイドジャパンサイト内のDVD・ビデオ紹介ページ
ウォーキング with モンスター 前恐竜時代・巨大生物の誕生


◆上記DVDのamazon.co.jpアソシエイト
BBC ウォーキング with モンスター~前恐竜時代 巨大生物の誕生
BBC ウォーキング with ダイナソー&モンスター DVD-BOX...(上記の作品と恐竜時代・太古の海へとのセット)


◆関連記事
Walking With シリーズまとめ....シリーズ作品の整理

※ 上記の記事を書いたので、重複する情報を削除


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2006年10月06日

Walking With シリーズまとめ

『タイムスリップ!前 恐竜時代』を見て昨日の投稿をしたけれど、調べてみると、このシリーズが他にもいろいろあるのがわかってきた。昨日の投稿を修正するだけでは足りなくなったので、まとめてみた。

■日本で放送されたもの
BBCワールドワイドジャパンサイト内テレビ番組紹介ページ(リンク切れ)、「NHK教育 地球ドラマチック」公式ページ、「BS朝日 BBC地球伝説」公式ページなどをもとに整理すると、以下のものが日本で放送されている。

■■NHK教育 地球ドラマチックで放送されたもの
□タイムスリップ!恐竜時代
『第1回 巨大なツメの謎』2004年05月20日放送
『第2回 地上最大の恐竜を追え』2004年05月27日放送
地球ドラマチック〜タイムスリップ!恐竜時代〜 - NHK

□続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ
『第1回』 2004年08月05日放送
『第2回』 2004年08月12日放送
『第3回』 2004年08月19日放送
地球ドラマチック〜続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ〜 - NHK

□タイムスリップ! 前 恐竜時代
『前編 海から陸へ』 2006年04月12日放送
『後編 は虫類の支配』2006年04月19日放送
地球ドラマチック〜タイムスリップ! 前 恐竜時代〜 - NHK

・タイムスリップ!恐竜時代 - BBCワールドワイドジャパン(リンク切れ)
・タイムスリップ!前 恐竜時代 / Walking With Monsters - BBCワールドワイドジャパン(リンク切れ)

※ 上記のNHK教育で放送されたものは、タイトルの一部に「タイムスリップ」という言葉が入っている。これは実際、「タイムスリップ!恐竜時代」、「続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ」で、ナイジェル・マーヴェン氏が出てきて、古代の生物との共演している。しかし同じくタイムスリップという言葉を使っている「タイムスリップ! 前 恐竜時代」では、条件が悪かったようで、ナイジェル・マーヴェン氏は出てこなかった(前の作品で死んだ設定?)。ただカメラに生物たちがぶつかったりする描写があるので、タイムスリップはしているともとれる。

※ NHKでは、2005年正月に『地球ドラマチックスペシャル タイムスリップ!恐竜時代』として「恐竜時代」と「恐竜時代 古代の海へ」を二日連続で放送している。
地球ドラマチック スペシャル〜タイムスリップ!恐竜時代〜 - NHK


■■テレビ朝日
□Walking with Beasts
2005年03月05日02:10-04:10放送
・Walking with Beasts - BBCワールドワイドジャパン(リンク切れ)

■■BS朝日 BBC地球伝説
□ケイブマン 遙かなる祖先への旅
『前編 歩き始めた人類』  2005年02月24日20:00-20:55放送
『後編 生き残ったのは誰か』2005年02月25日20:00-20:55放送
・ケイブマン 遙かなる祖先への旅 - BBCワールドワイドジャパン(リンク切れ)

□驚異の恐竜王国 今よみがえる中生代の地球 第1回 巨大生物登場 2006年09月19日放送
□驚異の恐竜王国 今よみがえる中生代の地球 第2回 海と空の支配者 2006年09月20日放送
□驚異の恐竜王国 今よみがえる中生代の地球 第3回 終末へのシナリオ 2006年09月21日放送
□驚異の恐竜王国 伝説のビッグ・アル その人生と科学 2006年9月22日放送

※ この「驚異の恐竜王国」の放送は数年前にテレビ朝日で放送されたのを部分的に見たように覚えているがはっきりしない。仕方がないので初回放送日ではなく、最近の再放送日を書いてある。検索してみるとテレビ朝日開局40周年記念らしかったことが分かるが、それにしては放送日などの情報が探し出せない。

■イギリスで放送されたもの
■■BBC
□Walking with Dinosaurs(1999)
1.New Blood
2.Time of the Titans
3.Cruel Sea
4.Giant of the Skies
5.Spirits of the Ice Forest
6.Death of a Dynasty
Walking with Dinosaurs - 1999 - BBC
Walking with Dinosaurs - Wikipedia(en)
"Walking with Dinosaurs" (1999) [TV-Series] - IMDb

□Walking with Beasts(2001)
Walking with Beasts - 2001 - BBC
Walking with Beasts - Wikipedia(en)
"Walking with Beasts" (2001) [TV-Series] - IMDb

□Walking with Cavemen(2003)
Walking with Cavemen - 2003 - BBC
Walking with Cavemen - Wikipedia(en)
"Walking with Cavemen" (2003) [TV-Series] - IMDb

□Sea Monsters: A Walking with Dinosaurs Trilogy(2003)
Seamonsters - 2003 - BBC
Sea Monsters - Wikipedia(en)
"Sea Monsters: A Walking with Dinosaurs Trilogy" (2003) (mini) - IMDb

□The Ballad of Big Al(2001)
The Ballad of Big Al - 2001 - BBC
Walking with Dinosaurs # 2.1 The Ballad of Big Al - Wikipedia(en)
The Ballad of Big Al (2001) (TV) - IMDb
※ IMDbでの紹介ページにはなぜか違うトレイラーがついてる。

□Land of Giants: A 'Walking with Dinosaurs' Special(2002)
□The Giant Claw: A 'Walking with Dinosaurs' Special(2002)
Walking with Dinosaurs # 2.2 Chased by Dinosaurs - Wikipedia(en)
Land of Giants: A 'Walking with Dinosaurs' Special (2002) (TV) - IMDb
The Giant Claw: A 'Walking with Dinosaurs' Special (2002) (TV) - IMDb
"Chased by Dinosaurs" (2003) [TV-Series] - IMDb
※ Wikipediaの記事ではこの二作品のみをまとめて、"Chased by Dinosaurs"と呼んでいるようだが、北米版DVDタイトルとしての "Chased by Dinosaurs"には、"Sea Monsters"等も収録されている。

□Walking with Monsters: Life Before Dinosaurs (2005)
Walking with Monsters - Wikipedia(en)
"Walking with Monsters" (2005) [TV-Series] - IMDb

■■ITV
□Prehistoric Park (2006)
ITV - Prehistoric Park - Home - ITV
Prehistoric Park - Wikipedia(en)
"Prehistoric Park" (2006) [TV-Series] - IMDb
※ BBCで放送されなかったので、Walking Withシリーズに入れるべきではないが、同シリーズのImpossible Picturesが関わっており、「タイムスリップ!」シリーズのナイジェル・マーヴェン氏が登場し時間旅行をしているので、ここに並べる。


■イギリス版と日本放送版の関係
内容を実際に確認したわけではないが、上記の資料からの判断される関係は次の通り。

□「タイムスリップ!恐竜時代」全二回は、Land of Giants(2002)とThe Giant Claw(2002)である。
□「続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ」は、Sea Monsters(2003)である。
□「タイムスリップ! 前 恐竜時代」全二回は、Walking with Monsters (2005)である。

□「驚異の恐竜王国 今よみがえる中生代の地球」全三回は、Walking with Dinosaurs(1999)である。
□「驚異の恐竜王国 伝説のビッグ・アル その人生と科学」は、The Ballad of Big Al(2001)である。

□「Walking with Beasts」は、Walking with Beasts(2001)である。
□「ケイブマン 遙かなる祖先への旅」全二回は、Walking with Cavemen(2003)である。


■DVDの日本語版タイトルとの関係
これも実際に見て確認したわけではないが、解説等から判断できる関係は次の通り。日本語タイトル名はamazon.co.jpでの名前。

□ウォーキング with ダイナソー ~驚異の恐竜王国~プレミアム・コレクション
これはテレビ朝日、BS朝日で放送された「驚異の恐竜王国 今よみがえる中生代の地球」
ウォーキング with ダイナソー ~驚異の恐竜王国 - BBCワールドワイドジャパン
※ ショッピングサイトでは、BBCワールドワイドジャパンで紹介されている名前とは違いプレミアム・コレクションという言葉がついている。BBCワールドワイドジャパンのパッケージの画像をよく見ると「PREMIUM COLLECTION」という文字も見えるので同一のものと考えられる。

□ウォーキングwithダイナソー タイムスリップ!恐竜時代
これはNHK教育で放送された(スペシャル版ではない)「タイムスリップ!恐竜時代」
ウォーキングwithダイナソー タイムスリップ!恐竜時代 - BBCワールドワイドジャパン
※ BBCワールドワイドジャパンのDVD紹介ページで、「最大」が「橙」に誤変換されている。

□BBC ウォーキング with ダイナソー~恐竜時代 太古の海へ
これはNHK教育で放送された「続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ」
ウォーキング with ダイナソー~恐竜時代 太古の海へ - BBCワールドワイドジャパン

□BBC ウォーキング with モンスター~前恐竜時代 巨大生物の誕生
これはNHK教育で放送された「タイムスリップ! 前 恐竜時代」
ウォーキング with モンスター~前恐竜時代 巨大生物の誕生 - BBCワールドワイドジャパン

□BBC ウォーキング with ダイナソー&モンスター DVD-BOX
これは「続・タイムスリップ!恐竜時代 古代の海へ」と「タイムスリップ! 前 恐竜時代」とのセット。

※「驚異の恐竜王国 伝説のビッグ・アル その人生と科学」、「Walking with Beasts」、「ケイブマン 遙かなる祖先への旅」は日本で放送されているが、まだ日本語DVD化されていない。また今年2006年イギリスITVで放送された「Prehistoric Park」は、PAL放送形式版がイギリスで発売されている。
海外版はリージョンコードもしくは放送形式が合わないので、日本の"通常の"DVDプレイヤでは再生できない。


■上記DVDのamazon.co.jpアソシエイト
ウォーキング with ダイナソー ~驚異の恐竜王国~プレミアム・コレクション
ウォーキングwithダイナソー タイムスリップ!恐竜時代
BBC ウォーキング with ダイナソー~恐竜時代 太古の海へ
BBC ウォーキング with モンスター~前恐竜時代 巨大生物の誕生
BBC ウォーキング with ダイナソー&モンスター DVD-BOX...(恐竜時代・太古の海へ+前恐竜時代・巨大生物の誕生)


■北米版DVDタイトルについて
アメリカで放送・販売されたものはタイトルが変更されているものがある。
□Allosaurus: Walking with Dinosaurs Special ← Walking With Dinosaurs - The Ballad of Big Al
□Walking With Prehistoric Beasts ← Walking With Beasts
□Walking with Monsters: Before the Dinosaurs ← Walking with Monsters: Life Before Dinosaurs
□Chased By Dinosaurs..."Land of Giants" と "The Giant Claw" および "Chased by Sea Monsters" 等を集めたもの。"Chased by Sea Monsters" は "Sea Monsters" のこと。
□Prehistoric Planet...アメリカで若年層向けに再編集されたもの

■関連記事
・「『タイムスリップ!前 恐竜時代』を見た。」も参照

■関連リンク
『BBCの愛しき古生物たち』 - シーラカンスの憂鬱
....パッケージ画像を使って、こことは比べものにならないくらいわかりやすく日本版、英国版、北米版のDVDが整理されてます。


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2007年03月09日

「ゾウの祖先は水生動物」説

いままで知らなかった。単なる空想によるものではなく、科学的な裏付けによる仮説らしい。特異な鼻もこの水生の祖先を持つためだと説明される。ただ検索してもそれほど日本では浸透しているようには見えない。

「生命の誕生 動物編 ゾウの祖先」 MSN ビデオ NATIONAL GEOGRAPHIC CHANNEL

ゾウの胎児は、はやい段階で腎臓の入り口に漏斗(じょうご)の形をした腎口(じんこう)という器官を発達させる。この器官は淡水魚や蛙、卵を産むほ乳類などに見られる器官である。ゾウの胎児にこの器官が一時的に現れるのは、遠い昔の、海で暮らしていた祖先の特徴を残しているからではないか?という内容である。

このビデオの内容から広げてもう少しわかりやすくまとめたいなと思いつつも、ハイラックスというネズミのような生き物もおもしろい進化の歴史をたどっているなと感動もあるのだけれど、今週はちょっと気力が足りないので、集めた資料を載せるだけにする。


■資料

「ナショナルジオグラフィックチャンネル」の番組案内。
生命誕生2 動物編

そして、この話題を紹介してある日本語のページとして、次のものがあった。

哺乳類に関するニュース
巨大なこのページの下の方にある「ゾウの鼻はなぜ長い?5.11.99」という記事。

そして、そこで紹介してある英語の記事。ただし開くとすぐにゾウの胎児の画像が表示されるので、心構えが必要です。そのての画像が無理な人は見ない方がいいです。
Sci/Tech Early elephants used 'swimming trunks'(Tuesday, May 11, 1999 Published at 14:09 GMT 15:09 UK)


●関連ウィキペディア記事へのリンク

Elephant 1.3 Evolution
Hyrax 3 Prehistoric hyraxes
Evolution of sirenians 1 Early origins


そこで紹介されていたBBC NEWSでの「ハイラックス」の紹介記事。
The hyrax: more elephant than rodent


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2007年03月13日

「タイムスリップ びっくり恐竜ワールド!」

昨日3月12日(月)「世界まる見え!テレビ特捜部」で恐竜のコーナーがあるらしかったので、ちょっと見てみた。それについてのメモ。

放送されたのは、「ザ・ベスト」のコーナー。タイトルは「タイムスリップ びっくり恐竜ワールド!」。鳥の祖先となるベロキラプトルの生活を一匹の頭の毛が白い若いメス「ホワイトチップ」の行動を中心にたどっていく。二頭の恐竜が闘ったままの姿で化石になっている写真を示し、いかにしてそのような化石ができたのかをドラマ仕立てで再現している。

この闘っている化石は、「格闘化石」 (恐竜王国中里)で見ることができる。


舞台は8千万年前のモンゴルのゴビ砂漠。当時も数少ない草と多くの砂の環境。出てきた恐竜は、ベロキラプトルVelociraptorの他に、草食恐竜のプレノケファレPrenocephaleと、プロトケラトプスProtoceratops、そして肉食恐竜のオビラプトルOviraptor。

番組の途中で恐竜のスペック表が2つ表示された。

ベロキラプトル
■体長1.8m
■体重45kg
■鳥の祖先
■肉食恐竜
■全身に羽毛

プロトケラトプス
■体長2m
■体重180kg
■草食恐竜
■アゴの力が強い

映像の出来としては、以前紹介したBBCのもののほうが良くできていると思う。それにしてもタイムスリップしてないのに、タイムスリップというこの番組でのタイトルはNHKで放送されたBBCのシリーズと紛らわしいぞ。

この「Dinosaur Planet」シリーズはアメリカのDiscovery Channelで2003年に制作された番組で、既に日本でも2004年にDVDが発売されている。

このシリーズには四つのエピソードがあり、今回放送されたのは、その最初のベロキラプトルの生活を紹介する「White Tip's Journey」。次回4月9日夜7時からのスペシャルで放送されるエピソードは、火山のイベントがあるので、ダスプレトサウルスが登場する「Little Das' Hunt」ではないかと思われる。


日本で発売されているDVDタイトルと各エピソードとの対応は次の通り。
ただし実際に両者の中身を見て確認したわけではなく、登場する恐竜からの推測。

1.White Tip's Journey
「ディスカバリーチャンネル ダイナソー・プラネット 鳥類の祖先ベロキラプトル」

2.Pod's Travels
「ディスカバリーチャンネル ダイナソー・プラネット ピロラプトルの漂流記」

3.Little Das' Hunt
「ディスカバリーチャンネル ダイナソー・プラネット 絶滅した狩人ダスプレトサウルス」

4.Alpha's Egg
「ディスカバリーチャンネル ダイナソー・プラネット サルタサウルスの成長」


今回の放送はCMやスタジオでのやりとりを含めて20分ほどしかなかった。amazonの商品の詳細に書いてある「鳥類の祖先ベロキラプトル」の時間は48分となっているので、今回放送されたのは編集されたものではないかと思う。

それから、コーナーの冒頭で映画「ジュラシック・パーク」中でのベロキラプトルの映像が使われていた。画面のすみで紹介されていたこのジュラシック・パークのDVDがベスト・ヒット・コレクション¥980のひとつとして4月1日に発売されることが、このタイミングでのこの番組の放映になったのかもしれない。

◆関連リンク
格闘化石 - 恐竜王国中里
Dinosaur Planet (TV series) - Wikipedia
Dinosaur Planet - Discovery Channel
"Dinosaur Planet" (2003) (mini) - IMDb


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2007年03月15日

地球ドラマチック「知られざるカバの世界」

ゾウやジュゴンの祖先を調べていると、それとは別にカバとクジラが近縁だということもわかってきて、ほ乳類の進化もおもしろいなと思っていると、昨日とってもタイムリーな番組をやっていた。カバの生態についての番組だ。残念ながら気付くのが遅れて後半だけしか見ることができなかった。カバは思っていた以上にすごい動物だった。

番組ホームページ:地球ドラマチック「知られざるカバの世界」
NHK教育 2007年3月14日(水) 19:00-19:45
原題:Hippos - The river beast
制作:National Geographic(アメリカ)2006年


◆カバとクジラ
古生物学者フィリップ・ギンガリッチ(Philip Gingerich)が発見した化石。足の骨の一部で牛やカバの仲間に特有のもの。※これは「距骨」という骨らしい。この骨により、カバとクジラは5500万年前に同じ先祖から枝分かれしたと考えられるている。

初期のクジラは足を使って泳いでいた。尾を使って泳ぐようになると、足は退化し流線型の体に。現在のクジラには体の内側に足だった骨が残っている。

化石だけでなく遺伝子の研究でもあきらかになってきた。画面に系統樹が示される。ラクダが別れ、ブタが別れ、キリンやシカが別れ、カバとクジラが別れる。そのあとハクジラとヒゲクジラが別れる。


◆カバとクジラの類似点
二つの動物の大きな類似点としてクジラの噴気孔とカバの鼻孔。両者とも水を遮断し、体内に空気を閉じこめておくことができる。たとえ眠っていても水面下に沈むと自動的に閉じる。カバは五分程度水中に潜ることができる。

◆カバのコミュニケーション
カバの鼻は呼吸器官だけでなく、コミュニケーションの道具でもある。クジラのコミュニケーションはよく知られているが、カバにも同じような能力があることがわかってきた。

カバのコミュニケーションを専門に研究している動物学者ビル・バークロー。オハイオのトレド動物園。カバはコミュニケーションをするとき口を開かず鼻を使う。喉で発せられた音波は口ではなく鼻の穴から外に出る。野生のカバは120dbというジェット機の離陸音に匹敵する大きな音を出す。

カバは水中と空中で同時に音を出せる。目と耳と鼻を空中に出し他の部分を水中に沈める。空気中では鼻から音を出し、耳でそれを聞いている。同時に水中では、喉の周りの脂肪を振るわせて音を出す。カバは空気中の音と水中の音を同時に聞くことができる。水中ではアゴを使って音をうけとめている。下あごが頭蓋骨につながる部分に薄い骨があり、水中の音を感じている。


◆カバの食事
カバは食料を求めて陸にも上がってくる。カバは日が落ちてから活動する。草を食べるとき厚い唇を使う。草をむしり取り、奥歯ですりつぶして食べる。一日で45キロの草を食べる。体の大きさはゾウの三分の一、食べる量は六分の一。カバの胃は四つあり、効率よく消化吸収する。牛のように反芻はしない。胃だけでほとんどのものを分解することができる。

◆カバの皮膚
カバの皮膚は鎧のように硬い。ライオンの攻撃も受け付けない。今でもこの皮のために密猟されて盾や鞭に使われる。気温が高くなるとカバの肌はピンク色になる。これは皮膚から出る分泌物の色で、日焼け止めの役割がある。カバは15頭程度の群れで生活している。一匹の強いオスが交尾する権利を独占している。オスは縄張り争いをするため、年取ったオスの皮膚はたいてい傷だらけになる。しかし感染症には滅多にならない。ピンクの分泌物には殺菌作用もあるから。

◆その他の生態
・カバは出産も水中で行う。赤ちゃんは40キロ。
・オスが子供のカバを水中に押さえつけ溺死させる映像がある。理由は不明。
・カバは短い距離ならば時速30キロ以上で走る。
・カバは縄張りを主張するために糞を尾でまき散らす習性がある。
・南アフリカのセントルシアでは、夜、人家の近くに草を食べにカバが出没する。そのため注意を促す標識がある。

カバは今や絶滅危惧種。私たちはカバの持つ素晴らしい能力を理解し始めたばかり。


■参考資料

地球ドラマチック「知られざるカバの世界」 - NHK番組ホームページ

Origin of Whales from Early Artiodactyls: Hands and Feet of Eocene Protocetidae from Pakistan ...番組に出ていたギンガリッチ氏のサイエンス誌の論文(英文)

日本語タイトル「クジラの起源は初期の偶蹄目:パキスタンで見つかった始新世プロトケトゥスの手と足」
サイエンス日本語版 2001年9月21日号 解説

Evolution of cetaceans - en.wikipedia クジラ目の進化(英文)


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2007年04月25日

『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜』の情報

以前ここで紹介した「Prehistoric Park」がNHK教育「地球ドラマチック」の時間で始まった。全三回。

日本語でのタイトルは、『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜』。
内容はタイトルの通り、時間を旅する動物行動学者ナイジェル・マーヴェンが絶滅した動物たちを保護しにいくという(空想)科学ドキュメンタリー番組。初回の今日、25日は「ティラノサウルス」。そして5/2は「マンモス」、5/9は「ミクロラプトル」。

本来なら、ここに嬉嬉としてまとめ記事を書くところだけど、悲しいことに今回は見逃してしまった。


番組ページ:NHK「地球ドラマチック」内のバックナンバー、第一回『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜』のページ。


調べたら、日本語版のDVDが、7/4に発売予定らしい。見逃したから買おうかな。

プレヒストリック・パーク --- amazon


amazonよりもこちらのほうがDVD内容の情報が詳しい。
セブンアンドワイ プレヒストリック・パーク 3枚組DVD-BOX 


以前調べた情報ページを再掲すると、

・放送されたテレビ局ITVのこの番組サイト:ITV - Prehistoric Park - Home
・英語版Wikipediaでの記事:Prehistoric Park
・iMDbインターネット・ムービー・データベース内の情報:"Prehistoric Park" (2006)

これらのページを見ると全部で六つのエピソードからなるようだが、今回NHKで放送されるのは最初の三つだけのよう。

・Episode 1: T-rex Returns
・Episode 2: A Mammoth Undertaking
・Episode 3: Dinobirds
・Episode 4: Saving the Sabretooth
・Episode 5: The Bug House
・Episode 6: Supercroc


■このブログ内の関連記事
Walking With シリーズまとめ
『タイムスリップ!前 恐竜時代』を見た。


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2007年09月27日

ナイジェル・マーヴェン氏緊急来日

プレヒストリックパークのオフィシャルサイトを久しぶりに開いてみたら、次のようの案内があった。
ナイジェル・マーヴェンNigel Marven氏が日本に来るらしい。
ちょっと知らせるのが遅すぎるかもしれないが、興味がある人はどうぞ。

以下、案内ページより引用
古代生物を驚異の映像で再現したイギリスの大ヒットTVシリーズ「プレヒストリック・パーク」DVD発売を記念し、同作品の主演でもある動物学者ナイジェル・マーヴェンの緊急来日が決定しました。
アニマル・プラネット、ナショナル・ジオグラフィックをはじめ、数々の動物ドキュメンタリーの制作に携さわるマーヴェン氏は世界一多忙な、野生生物紹介番組のエンターティナーでもあります。
来日中に「科学技術館」にて「プレヒストリック・パーク」上映と氏のトークをお楽しみいただくイベントを開催致します。


開催日時 9月29日(土) 10:30〜12:00(予定)
開催場所 科学技術館 4Fユニバースにて


連絡先などの詳しい情報は、次のリンク先のページを開いて下の方
プレヒストリックパーク|オフィシャルサイト

来場者には先着百名にプレゼントがあるらしい。
【来場プレゼント】先着100名様
プレヒストリック・パーク ダイジェスト版DVD(非売品・約20分)
科学技術館特製マウスパッド他


科学技術館サイトでのこのイベントのお知らせ
プレヒストリックパーク マーヴェン博士トークショー&上映会のお知らせ


■「プレヒストリック パーク」のNHKでの放送

「Prehistoric Park」の日本語版はNHK教育毎週水曜19時「地球ドラマチック」の中で二つのシリーズに分けて放送された。

「プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜」(3回シリーズ)
・2007年04月25日  第1回「ティラノサウルス」
・2007年05月02日  第2回「マンモス」
・2007年05月09日  第3回「ミクロラプトル」

「地球ドラマチック」バックナンバー 番組内容紹介ページ
『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜』 (3回シリーズ)


『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜パート2』(3回シリーズ)
・2007年07月18日 第1回『サーベルタイガー』
・2007年07月25日 第2回『巨大な虫たち』
・2007年08月08日 第3回『超巨大ワニ』

「地球ドラマチック」バックナンバー 番組内容紹介ページ
『プレヒストリック パーク〜絶滅動物を救え!〜パート2』(3回シリーズ)


■関連情報

CITV: Prehistoric Park プレヒストリックパークの本家サイト(英語)
ここにはプレヒストリックパークの生物をデスクトップ上で飼育するソフトが配布されている。インストールすると、タスクバー上を動き回る。

Nigel Marven ナイジェル・マーヴェン氏のオフィシャルサイト(英語)
このサイトには、出演作品リストのページもある。このリストをながめてみると分かるが、来日情報にあるマーヴェンさんについての紹介にあるように、このプレヒストリックパークなどの特撮だけで活躍している人ではない。恐竜たちと接している姿を先に見てしまったけど、本物の動物に接するように特撮の動物たちに接していたのだと分かる。


ディスカバリーチャンネルのサイト内検索機能を利用して、この人の情報を調べてみると、次の番組を見つけた。ただしディスカバリーチャンネルでは「マーベン」という表記で書かれている。

ミーアキャットとナイジェル
この番組は上記の公式サイトで紹介されているMeerkats(2003)のことだろう。

放送時間は、
 10/27 (土) 18:00〜19:00
 10/29 (月) 15:00〜16:00

 
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2008年07月31日

1億1000万年前の昆虫、琥珀から発見 スペイン

最近は、アゲハの幼虫を観察しながら、昆虫の進化についていろいろ調べているのだけど、ネットのニュースで次のような記事を見つけた。

1億1000万年前の昆虫、琥珀から発見 スペイン 国際ニュース : AFPBB News

読んでみるとちょっと疑問に思ったことがある。
【7月29日 AFP】恐竜絶滅のはるか以前に絶滅したとみられる複数種の昆虫の遺がいが、スペインで見つかった1億1000万年前の琥珀の中から発見された。スペイン教育・科学省の研究者らが24日に発表した。
 この琥珀はカンタブリア(Cantabria)地方のエル・ソプラオ(El Soplao)洞窟で採取された。中には、これまでに知られていない複数のクモ形類の昆虫のほか、クモの巣、植物の一部が、化石化した状態で閉じ込められていたという。

1億1000万年前の昆虫、琥珀から発見 スペイン 国際ニュース : AFPBB News

「クモ形類」の昆虫?僕の知らないクモに似た昆虫の種類があるのかもしれないと調べてみたけれど、やっぱり、この「クモ形類」はクモのことらしいので、この表現は間違いだ。でもどうしてこんな基本的な間違いが起きたのだろうと調べてみた。

この記事の大元はスペインの記事だけど、この日本語の記事はそれについて書かれた英文記事を日本語訳したものらしい。元になった英語の記事全文は、
MADRID (AFP) - The remains of several unknown insect species which became extinct long before dinosaurs stopped roaming the earth have been discovered in pieces of 110-million-year-old amber found in Spain, researchers said Thursday.
 Palaeontologist Enrique Penalver said the amber discovered in the El Soplao cave in the northern province of Cantabria was in "exceptional" condition.
 "The conservation is incredible. You can study the details," he told a news conference in Santander according to the Europea Press agency.
 Several types of arachnids, as well spider webs and plant remains, were found fossilised in the amber discovered at the site, added Penalver, a researcher with the science ministry's Geology and Mine Institute.
 It is the most important amber find to date in Spain and possibly in all of Europe, he added. There are few other amber finds from that era in the world, he said.

Unknown insects found in 110-million-year-old amber in Spain - Yahoo! News


クモについての該当箇所は、次の文。この文章のどこに「これまでに知られていない」と「(クモ形類の)昆虫」という言葉があるのだろう?

 Several types of arachnids, as well spider webs and plant remains, were found fossilised in the amber discovered at the site.

英文を読み直してみると、一行目の「several unknown insect species」と組み合わせて、このような日本語訳になったのではないかと思える。つまり、「未知の数種の昆虫」と「数種のクモ形類」を全く同じものを指していると考えたのではないだろうか。だからつじつまを合わせるために「クモ形類の昆虫」という訳の分からない表現になったのだろう。insect speciesはいかにも用語としての「昆虫」という感じに思えるけれど、クモが含まれているならば、単なる日常語の「虫」ととらえるべき単語だろう。「クモ形類の昆虫」と書かずに単に「クモ形類」と書けばよかったのに。


でも、これは英文にも問題があるようにも思う。これだけの情報だと日本語の文章はこのような内容になっても、仕方がないだろう。それで、スペイン語の記事を探してみた。二つの記事を見つけた。後者は前者の要約という感じ。スペイン語なので正確に意味は分からないけれど、英語の文章よりも詳しく書かれているのは分かる。どうやって、この琥珀ができたのかという説明もある。

Hallan en Cantabria el yacimiento de ámbar más importante de España | elmundo.es
Descubren un yacimiento de ámbar en España con insectos de hace 110 millones de años


詳しい方の前者から、冒頭を引用すると、
SANTANDER.- Un equipo de investigadores del Instituto Geológico y Minero de España ha descubierto un yacimiento de ámbar con insectos del Cretácico desconocidos hasta ahora y con un estado de conservación "excelente" en el entorno de la cueva de El Soplao, cerca de la localidad cántabra de Rábago.
Hallan en Cantabria el yacimiento de ámbar más importante de España | elmundo.es

上の文章中の ámbar con insectos del Cretácico desconocidos というのが、「未知の白亜紀の昆虫たちを含んだ琥珀」のこと。

スペイン語の記事では含まれている生物が列挙されている。琥珀の内容物についての部分を引用すると、
Además de pequeñas avispas, moscas, chinches, arañas, cucarachas y mosquitos chupadores de sangre que se alimentaban picando a los dinosaurios, el ámbar de El Soplao encierra una tela de araña distinta de la que ya se había descrito en un yacimiento de Teruel y que despertó un gran interés entre los científicos. También contiene restos fósiles de coníferas y el fragmento de ámbar azul más antiguo que se ha datado.

Hallan en Cantabria el yacimiento de ámbar más importante de España | elmundo.es


機械翻訳して内容を調べてみると、スズメバチ、ハエ、トコジラミ、クモ、ゴキブリ、カ。そして日本語訳で触れられている蜘蛛の巣。最後の文では、針葉樹のことが書かれているようだ。

スペイン語の第二の記事だともっと分かりやすく、冒頭で記事の要約として書いてある。
Son avispas, moscas, arañas, cucarachas y mosquitos chupadores de sangre, que se alimentaban picando a los dinosaurios. Fueron encontrados en "excelente estado de conservación" por un equipo de investigadores en la cueva de El Soplao, región de Cantabria .

Descubren un yacimiento de ámbar en España con insectos de hace 110 millones de años

スズメバチ、ハエ、クモ、ゴキブリ、恐竜をかゆがらせながら血を吸った蚊。これらが「素晴らしい保存状態」でカンタブリア地方のエルソプラオ洞窟において調査チームにより発見された。


スペイン語の第一の記事では、蜘蛛の巣のことを強調して書いている。英語版の記事では簡潔な記事にするため、他の昆虫の部分は省略してそのクモについての記事だけを書いている。当然、英語の記事を書いている人は、スペイン語の内容を理解しながら書いているので、未知の昆虫がクモだけを指して使われている言葉ではないことは分かっているだろう。分かっている上で、クモを特筆している。

しかし日本語訳は、スペイン語によらず、英語の記事だけから書かれただろう。伝言ゲームによくあること。英語の文章を読んで未知の昆虫がクモだけのことだと誤解してしまっているように思う。そしてそのために論理が崩れてしまった文章を、いろいろ付け足すことで、そちらの方向に内容を修正してしまっているのだろう。


最後に記事の写真について。日本語と英語のニュースでは琥珀の中に閉じこめられた虫の写真が掲載されているが、これはこの記事とは直接関係ないと注意書きがされている。とても紛らわしい。スペインの記事の方にはちゃんとした今回発見された琥珀の写真が掲載されている。またその写真から琥珀のかたまりが一つではなく複数あることも分かる。堆積物の写真のうしろにある図がとても気になる。


とにかく、このニュースはとても興味深い内容だ。将来、本格的な科学雑誌に細かな写真入りで紹介されるかもしれない。そのときは、もっときれいな内容物の写真が紹介されて、中に入っていた生き物たちがきちんと分類されているのだろう。


スペイン語から日本語への翻訳は、スペイン語翻訳 - Infoseek マルチ翻訳 を利用。スペイン語から英語への翻訳は、 Yahoo! Babel Fish - Text Translation and Web Page Translation を利用。


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2008年08月03日

『1億1000万年前の昆虫、琥珀から発見 スペイン』補足

前回の記事(1億1000万年前の昆虫、琥珀から発見 スペイン)を書いた後に調べたことをちょっと。

琥珀の中に吸血性の蚊が含まれていたので、ジュラシックパークを思い出さずにはいられない。映画のように恐竜のDNAが取り出せるのだろうか。関連する情報を探してみた。


虫そのもののDNAを取り出すことは不可能ではないらしい。そしてそれを現代の生物に取り入れて個体を作ることも理論的にはできるようだ。でもそういう個体ができたというニュースを聞いたことがない。条件の良いDNAが取得できないのか、技術的にも難しいのだろうか。一方、蚊の吸った血からDNAを取り出せる可能性は非常に低いらしい。血の中のDNAは吸った蚊の体の中ですぐに分解されてしまうそうだ。

今回スペインで発見されたものはとても条件がいいらしいので、もしかしたらと期待してしまうが、それが分かるのはまだ先だろう。忘れた頃にまたニュースになってくれるといいな。



さて、前回の記事の中で、「スペイン教育・科学省」(Instituto Geológico y Minero de España )という名前が出てきたけれど、このホームページを探してみたら、あっさりみつかった。

Instituto Geológico y Minero de España - IGME

トップページを眺めてみたら、この発表についてのページへのリンクがあった。これが一次ソースということになるだろう。
注意:文字化けするときは、エンコードを適切に切り替える。

Yacimiento de ámbar en la Cueva de El Soplao
参考までに、機械翻訳による英語訳
日本語にするときは、スペイン語翻訳 - Infoseek マルチ翻訳 のURL欄にスペイン語のページのアドレスを入力する。


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