クリエートシステム開発株式会社の
ドキュメントトーカ for Mac Ver3を購入したので、その簡単な報告。
使用したマシーンは Mac mini Intel Core Duo
OSはMac OS X 10.4.8
キーボード、マウスはWindos用のものを使用。
この製品には三つのソフトが入っている。
・読み上げソフト「DTalker for Mac OSX Ver3.0」
・歌唱ソフト「おもしろ替え歌」
・歌唱ソフト「人声オルガン」
以前のバージョンも持っていたが、今回のバージョンからVoiceOverとSpeech Managerに対応した。この機能を試してみたかったので新しいバージョンも手に入れてみた。よってこのVoiceOverの機能のみを報告する。
なお、Speech Managerの日本語版はOS的に不完全であると上記の商品紹介ページに書いてあるので、来年早々にも発表されるらしい新しいMacOSX Leopard(レパード)を楽しみに待つ必要がある。
VoiceOverはMacOSXに標準でついているいわゆるスクリーンリーダー機能。以前も
「Mac mini」という記事で紹介した。標準で20以上の英語の音声が入っている。残念ながら日本語音声は入っていない。マックに日本語をしゃべらせるためには追加でソフトをインストールさせなくてはいけない。今のところこのドキュメントトーカーだけである。
結論だけいうと、視覚障害者が完全に音声とキーボードの情報だけでマックを使いこなすということは難しい。Finder(Windowsでのエクスプローラに相当)などは、メニューをちゃんと読んでくれるし、キーボードのショートカットも充実しているが、アプリの方がキーボード操作だけで便利に利用させるソフトが少ない。僕が使っているブラウザもメーラーもキーボードだけでは使えなかった。いろいろ探してみたり、誰かに作ってもらう必要がある。また操作の資料が充実していない。
※調べてみると、OS X標準のSafariやMailはキーだけの操作に対応できているようだ。下記ページ参照。特に、左上にあるデモ映像。しかし使い方がいまいちわからないので、わかったら後日報告。
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VoiceOver - アップルとはいっても、完全にマックをキーボードで使いこなせなくても、なかなかよくできている。操作のノウハウはそれはこれから情報を集めていけばいいことである。それに視覚障害者だけでなく晴眼者でもVoiceOverの機能は便利だ。僕はマックをファイルサーバとして使っているのでモニタにつなげていないときがある(いまだにWindowsと兼用のままだから)。そういうとき、再起動などちょっとした作業ならば、音声ガイドをたよりに確実に作業ができる。簡単なお決まりの作業など、例えば音楽を聴くとか、DVDを再生するとか、そういうことならば音声ガイドを聞きながらキーボードだけで操作できる。iTunesはWindows版と同様、Mac版もキーボード操作派を拒絶するソフトであるが、フロントロウを使えば音声ガイド付きで便利に音楽を聴くことができる。
■このソフトをインストール後、日本語をしゃべるようにするための設定
以下、マウスを使わない方法
とりあえず英語でもいいからVoiceOverをオンにする。コマンド+F5(Win+F5)
そして、コントロール+オプション+F8(Ctrl+Alt+F8)でVoiceOver Utilityを起動する。

右矢印キーを二回押すと、Voicesタブになるので、そこでスペースキーを押す。

ここでDefaultVoice(標準音声)の設定ができるので、タブキーを二回押して音声リストに移動する。上下矢印を動かすと、音声の名前を読み上げていく、ドキュメントトーカをインストールした後では、KeikoとTakashiが追加されているので、どちらかを選び、エンターを押す。

これで音声の切り替えが完了する。
タブキーを押していくと、レート、ピッチ、ボリュームなど音声の細かな設定ができるテキスト編集領域と上下ボタンがあるので、好みに合わせて修正する。
コマンド+Q(Win+Q)でVoiceOver Utilityを終了して、作業はおしまい。
■便利なショートカットキー(括弧内はWindowsキーボードでの対応)
・メニューバーをアクティブにする。
コントロール+F2(Ctrl+F2)
WindowsでのALTキーによるメニュー呼び出しに相当する。ただマックの場合は、ウィンドウそれぞれがメニューバーを持つのではなく、画面最上段にある唯一のメニューバーが、そのとき操作しているソフトに合わせて内容が表示されている。ただキーボードで操作している分には、必ずアップルメニューが最初にあるだけで、特に違いは感じない。
メニューをアクティブにしたあとは、矢印キーを使って項目を移動する。そして実行したい項目の上でエンターキーを押す。サブメニューがあるときは、エンターか右矢印でそれを開くことができる。ESCキーを押すと、Windowsでのように一階層だけメニューが閉じるのではなく、メニューバーからの制御が失われる。
・ドックをアクティブにする。
コントロール+F3(CTRL+F3)
ドックはWindowsのスターメニューのようによく使うソフトを登録できるメニューである。常に画面上に場所をとらない形で表示されている。
矢印キーを使ってメニューの項目を切り替えていける。ドックは画面の左下右のどちらかに表示できるので、表示されている場所によって矢印キーの意味が変わってくる。下に配置しているときは、左右矢印で項目を切り替える。選ばれているソフトを起動するときはそこでエンターキーを押す。またドックを下側に配置しているとき上下矢印のどちらかを押せば『ログイン時に開く』や『Dockから削除』などの操作メニューを開くことができる。
・フロントロウの呼び出し
コマンド+ESC(Win+ESC)
マックをビデオやDVD、写真、音楽を簡単な操作で再生するモードに切り替える。音声を入れていると、この状態の時はマックは音声ガイド付きのプレイヤにある。左右矢印キーで選び、エンターで実行する。そのあと縦型のメニューが出てくるので、上下矢印で選び、エンターで実行。ESCで戻る。
・起動中のアプリケーションの切り替え
コマンド+タブ(Win+Tab)
複数のソフトを同時に実行しているとき、そのソフトを切り替えることができる。ブラウザとメーラーを同時に起動しているとき、現在メールを見ているがホームページを見たいなとキーボードだけ操作して切り替えるときに利用する。これはWindowsでの操作と似ているのですぐにわかるだろう。
コマンド+タブ(Win+Tab)でコマンドキーを押している間、起動中のアプリのメニューリストが画面中央に表示される。タブもしくは左右矢印キーでリストを移動できる。Homeキー、Endキーで左端、右端のソフトを選択できる。選択している項目の上で、エンターキーを押すと実行となる。Qキーを押すと、そのソフトを終了させることができる。コマンドキーを離せばメニューをリストを閉じることができる。
・ウィンドウを閉じる
コマンド+W(Win+W)
保存が必要なプログラムのときは確認ダイアログが表示される。このときタブキーで保存するか、保存しないかを選ぶが、ボタンを選んだあと押す操作は、エンターではなく、スペースでおこなう。
・プログラムを終了する
コマンド+Q(Win+Q)
・VoiceOverのオンオフ切り替え
コマンド+F5(Win+F5)
・VoiceOver Utilityの呼び出し 設定
コントロール+オプション+F8(Ctrl+Alt+F8)
・VoiceOverのヘルプ
コントロール+オプション+? (Ctrl+Alt+Shift+/)