2006年06月25日

ナガサキアゲハ、羽化!

家で飼っていた蝶のサナギが今朝、羽化しました。
飼うといっても、庭でもうすぐ蛹化しそうなのを見つけて、それをかごに入れて保護していただけなんですけどね。
まるまると太った幼虫は、すぐにカマキリに捕まって食べられてしまうので、昔から幼虫を見つけたら、かごにいれているんです。今はまだカマキリの方は、幼虫にとってそれほど危険な大きさには成長はしてませんが、他にも蜂や蝿に卵を産み付けられる危険もあるので、見つけたらかごに入れてます。

幼虫の模様から普通の黄色いアゲハチョウではないだろうとは予想していたら、案の定黒い蝶が出てきました。よくみかける黒いアゲハは、クロアゲハとナガサキアゲハの2種類があります。これは羽の特徴からナガサキアゲハのそれもオスだと分かります。羽の付け根の赤い模様と、羽の尾っぽが伸びていないことなどが特徴だそうです。羽を広げた状態が真っ黒なのでまぎれもなくオスです。幼虫の頃はオレンジの角を出し、白い帯をしていました。

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写真の説明。一枚目は羽を閉じて休んでいる様子。2枚目は羽を広げて休んでいる様子で、飛び立てるように外に出したときに撮ったものです。両方の背景に写っているのは10年前に作った手製のカゴです。

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とても残念なことに、羽の先が曲がっています。チョウチョはサナギから出てくるとき、大きなおなかと羽はしぼんだ状態で出てきます。そしてふくれた腹の中にある体液を羽のほうに送り込むことで、キレイな羽をのばしていきます。しかしかごが狭く羽が床に当たっていて先が曲がった状態で固まってしまいました。いままで、このかごでは普通のアゲハや、アオスジアゲハを羽化させてきたのですが、こんなことはありませんでした。黒いアゲハというのは体が大きいのでぶつかってしまいました。ごめんなさい。

カゴごと外に出していつでも飛び立てるようにしていたのですが、2枚目の写真の状態で2時間ぐらいずっと休んでいました。雨もやんだので、わざとびっくりさせて飛び立たせました。初飛行のせいか、羽のせいなのか、ちょっと頼りない飛び方でしたが、ちゃんと飛んでいきました。


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2006年08月16日

アゲハの幼虫とのお別れ

8月のはじめから、アゲハの幼虫を飼っていた。おそらくナガサキアゲハの幼虫だった。

飼う理由は幼虫の足の数はいくつだろうと疑問に思ったから。

大きいのが見つからなかったので、卵から出てきたばかりの一令幼虫を庭から持ってきて育てていた。まだそのときは5mmに満たなくて、足の数なんて肉眼では数えられないくらい小さかった。

それから約2週間、毎日ミカンの葉を与え、定規を当てて成長を楽しみながら、ようやく二日前、緑色の終令幼虫になった。

残念なことに、今年の庭のミカンの木は虫にやられて健康な葉があまりない。葉や枝を切ってきて、これからのこの幼虫の食欲を満たすのはちょっと無理だった。目的の観察も達成したことだし、昨日幼虫を木に返すことにした。

木に戻すと、さすが遺伝子に全てがプログラムされている昆虫くん。一時間後覗きに行くと、10分ぐらい探さないと見つけられないくらい、見事に葉の陰のように枝にしがみつき身を縮めて、隠れていた。

4時間後にもう一度眺めに行った。今度はいくら探しても見つからなかった。もう食われてしまったのかなとちょっと不安になった。でも食われたときは、葉の上に体液が落ちているので、すぐに分かる。その跡も見つからない。

もしやと思って、ミカンの木を回り込んでみる。すると、羽がはえてなくて腹がむき出しの若いカマキリが、さっきまで幼虫だったものを抱えて体液を貪欲に吸い尽くしている最中だった。幼虫の方はもう原型をとどめておらず濁った色の皮だけになって、カマキリの前足からぶら下がっていた。きつい光景だった。だけどカマキリを追い払って食事をやめさせようとは思わなかった。

しばらく立ち直れなかった。昔から庭を眺めて、何度もこういう場面には遭遇しているし、だからこそカマキリに食べられないように何匹も幼虫を飼っていた時期もあるのに、今回は違った。大切に育ててきた幼虫が目の前で食われてしまった。この状況は初めてだった。こんな小さな虫のことなのに、自分でも予想外なほどダメージが大きかった。

今度ミカンを食べたときは、種を鉢に植えて、幼虫の食用の健康なミカンの木を育てよう。そう思った。
そういえば、お盆には虫を殺してはいけないよと子どものときよく言われてた。

この幼虫が教えてくれた足の数。
頭に近いところに三対のとがった足。そして長い腹の部分に四対の吸盤のような足。そこから足一つ分の距離があって、おしりのところに、一対の吸盤状の足。


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2008年07月07日

アゲハの幼虫

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二年前の夏にここに書いていたが(アゲハの幼虫とのお別れ)、やっと今年アゲハを育てるためのミカンの木の鉢を作った。そして今日見てみたら、たくさん小さな幼虫が生まれていた。まだ緑色になっていない、生まれたばかりのものだ。
最近クロアゲハが飛び回っていたので、クロアゲハの幼虫だと思う。よく見えないけど記念写真。
これからも時々アップしよう。


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2008年07月11日

アゲハの卵

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前回と同じ個体か分からないけど、順調に成長している。どれくらいしたら黄緑の幼虫になるだろうか。

卵も見つけた。親から何も教えられない幼虫たちは、こんな小さなものの中に全てのプログラムを折り畳んで生まれてくる。いつも、このことは素晴らしいことだと思う。


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2008年07月13日

アゲハ幼虫の脱皮

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午前中、ミカンの木を見てみると、先日写真に撮った幼虫と思われるのが脱皮して、糞色から葉色の幼虫になっていた。よく見ると脱皮したばかりの皮を食べている。あの写真のやつだと思う。あれが一番大きかったし、辺りを見回しても大きいのはいないし。

別の葉を見てみると別の小さな幼虫も脱皮していた。これは黄緑にはなってはいない。夏の日差しを受けてみんなどんどん大きくなっていく。


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2008年07月19日

ミカンの木に潜むカマキリ



植木鉢のミカンの木を覗いてみると、何か動くものが見えた。さっと葉の裏側に隠れてしまった。近付いてよく見ると、小さなカマキリだった。まだ羽根が生えていないので腹がむき出しで見える三センチぐらいの小さなやつだ。この大きさでは緑色になったアゲハの幼虫には刃が立たないだろう。

とても臆病で、のぞき込むとすぐに反対側に回り込む。大人になると、人間相手だろうと、逆に鎌をもたげて威嚇してくる種族なのに、今は必死に身を隠して生き延びようとしている。もう兄弟たちのほとんどは誰かのえさになってしまっているのだろう。

とりあえずちょっと離れて写真にその姿を収めた。そしてつかんで草むらに放り込もうとした。でももがくものだから、するっと手からこぼれて、下に落ち、そのまま草むらに駆け込んでいった。

今この鉢には五センチくらいのまるまると太った幼虫がいる。もうそろそろ最後の脱皮をしそうだ。

 


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2008年07月21日

ナミアゲハ幼虫の帯糸くぐり

虫嫌いの人が、このブログを他の用事で訪れて偶然見てしまうかもしれないので、虫関連の記事の時は必ずタイトルにそれと分かるような言葉を入れている。そういうわけで今回もアゲハの幼虫。帯糸というのは、サナギになったとき体を支えている糸のこと。

アゲハチョウのサナギを見たことがある人はすぐに分かると思う。サナギになるとき、尾っぽの所でしっかりと面の所に接して、上の方ではその面の左右の二カ所に固定した輪を使って背中でもたれかかるように体を固定している。このときの糸を帯糸という。

今回、アゲハの幼虫がこれを紡ぎ、そしてそれをくぐってもたれかかる様子の動画が撮れたので、貼り付けてみる。

古いデジカメの動画撮影機能を使って撮ったので画像はあまりよくないが、映像として収めることができた。教育テレビの理科の時間で一度は見たことがあるのではないかと思う。

この動画の様子を説明すると次のようになる。今回の映像よりももっと前の段階から書いておく。

アゲハの幼虫は、自分がサナギになる場所を見つけると、しばらくそこで休んだ後、サナギになったときの自分の体を固定するための作業を開始する。まず体を上下反転し、ちょうど自分の体の端が来るところに念入りに糸を吐く。完成したら再び体をまっすぐにむけてそこにおしりをくっつける。それからしばらく寝て、今度は帯糸作り始める。幼虫の体には、長い腹の部分は吸盤のような足、胸の部分にはとがった細くて短い足が付いている。この細い足に糸をかけながら、丈夫な糸を紡いでいく。まず体を奇妙に折り曲げながら胸の所の高さの壁にしっかりと糸を貼り付ける。それから体をのけぞらせながら糸を吐いていく。頭を少しずつ揺らしながら少しずつ楕円を描くように体を反対の端の方に動かしていく。端まできたら、また逆に体を奇妙に折り曲げてさっきの端と同じ高さに糸を固定する。それが終わると、また体をのけぞらせて糸を吐き、これを逆の方向に繰り返す。これを何度も繰り返すことで、自分の体を支える丈夫な命綱を作り上げていく。

さて、ここで疑問が起きる。この帯糸ができても、どうやって自分の体をその中に入れるのだろう。幼虫は自分の前面の足に引っかけるかたちで糸を持っている。これを一旦放したら、どこに行くか分からない。絶対に放せない。幼虫の足はとても短いので引っかけておくだけで精一杯。さあ、どうするのだろう。



映像は、最後の端への固定の少し前から。申し訳ないが、ピントが完全でなく映像も荒い。でも、よく見てもらえると幼虫の胸のあたりに線上に光っている部分が見える。これが帯糸。幼虫が体を仰け反らせながら頭を動かしているその軌道をよく見ていると、見えない糸も見えてくると思う。

帯糸作りのあとは、幼虫は時間をかけて糸を固定している。それが終わると、頭を糸を固定している端の間に入れ込んで、体をぐいっとねじ込んで、そして一気に体を今まで以上に仰け反らせる。映像ではここできらっと糸が光る。思いっきり仰け反ることで帯糸を体の下の方にかかるようにしているのが分かる。帯糸がちゃんとかかると、体を起こし、しばらくそのまま体を休める。そして次第にからだがしぼんでいき、サナギになるための脱皮を待つ。



この幼虫は実は植木鉢で見つけたものではない。植木鉢のミカンの木から庭の木に移した幼虫が成長したものだった。気になって庭の木はときどき様子を見ていたが、体をしきりに伸ばしながら枝を這い回っている姿が見えた。幼虫がサナギになる場所を探すときはよくこういう動きをする。十年ぐらい前に飼ったときに分かった。幼虫がどうやってサナギになるスイッチが入るのか分からないが、サナギになる準備ができると、体の中にある食べたものを下痢のように全部出してしまう。体の中のものがなくなると、黄緑色ではあるけれど透き通ったようなとてもきれいな色になるのですぐにわかる。そして、このように体を懸命に伸ばして、動き回るようになる。

捕まえて、鉢のミカンの木に移してやった。ここでサナギになってもらうために。しばらくして様子を見に行くと鉢の枝をどこを探しても見つからなかった。10分ぐらいまわりを探したが見つからない。雑草が茂っているところにいったら二度と見つからないだろう。草むらに行かなくても、いろんな荷物が積んでいるからそこに紛れ込んだら絶対に分からない。あきらめられずに探していたら壁を這っているのを見つけた。ここまで来るのは相当いろんなものを越えて行っているはずだ。見えるところによく出てきてくれた。

鉢でサナギになってもらうのをあきらめて、以前にやっていた方法でやってみることにした。その方法というのは、空き箱などのボール紙で三角柱や四角柱を作る方法。ボール紙を簡単に折ってテープで一辺を閉じる。倒れたら困るので板状のものにテープで固定する。高さは二十センチぐらい。もう少し低くてもかまわないが、幼虫が下に降りていくときあまり短いと地面にすぐに着いてしまう。降りるのに時間がかかるとあきらめてまた上に上がってくれる。上辺は全部つながっているのでぐるぐる回って、やがて側面に降りてくる。ときには内側に入り込んでそこをサナギになる場所と決めることもあるが、そのときはそっと切り開いて表と裏を逆にすればいい。他にもいい方法があるかもしれないが、手軽なので以前はこうしていた。今回もうまく体を固定し始めた。


この帯糸作りの仕草を見ていると、あの小さな卵の中にすべてこの動作が記述されている事実に畏敬の念を抱かずにはいられない。とてもシンプルな動作を組み立てて、この動作全体ができあがっている。いつかは、ここに記述されていることはプログラミング言語に翻訳できるのだろうか。


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2013年05月29日

キアゲハの幼虫

IMAG1222.jpg今日の夕方、庭のミツバの葉を食べてた二匹のキアゲハの幼虫の写真。 キアゲハは飛んでるときは、普通のアゲハチョウとほとんど区別はつかないけれど、このように幼虫のときは、全く違う。 6cmぐらいの大きさで、黄緑色の地の色に、黒い帯がいくつも並んでいる。その黒のそれぞれの中に数個のオレンジ色の点が等間隔にある。みかんの木にいる目玉模様の幼虫とは違って、何か毒々しい配色になっている。 昔見かけたときはパセリを食い尽くされたが、今日はミツバの葉をがつがつ食べていた。


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